株価変貌の萌芽を見逃すな、評価急拡大中の「黒字転換」銘柄6選 <株探トップ特集>

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コラム

―AI関連の騰勢一服し割安株シフトの兆候、構造改革効果発揮の出遅れ株に注目―

 日経平均株価は再び5万円台まで戻し、東証株価指数(TOPIX)は最高値圏での推移を続けている。AI・半導体関連株が上昇トレンドに復帰できるか注目が集まる一方で、足もとでは出遅れた割安株を物色する動きが顕著になっている。割安株のなかでも前期の実績が赤字で今期が黒字に転換する見通しを示す銘柄群には評価余地を残しているものが多く、株価変貌の潜在力を秘めている。

●日経平均頭打ちも来期業績の期待膨らむ

 3月期決算企業の中間期業績は製造業では減益となった一方、非製造業が増益となるなど明暗が分かれる格好となった。通期の見通しについても同様の傾向となっているが、トランプ関税を受けた悲観が席巻した後だったこともあり、全体では「来期業績に期待をつなぐ結果となった」(国内アセットマネジメントのストラテジスト)との見方が多い。

 日経平均は9月中間期決算発表が多かった10月31日に最高値5万2411円34銭をつけた後、頭打ちとなっている。AIブームを追い風としてきたソフトバンクグループ <9984> [東証P]など日経平均のウェートの高い値がさ株の騰勢が一服したことが主因だ。そのソフトバンクGは保有していたエヌビディアの株式を全て売却し、未上場のオープンAIに傾斜することとなった。

 エヌビディア株については直近高値からの下落率が一時20%近くとなり、弱気相場入りが警戒される水準まで調整している。こうしたなかで、日米両市場ではバリュエーション評価が切り上がったAI・半導体関連株から、出遅れ感のあるバリュー株に物色対象をシフトさせる投資行動が広がっている。東証の業種別指数をみると、11月に入り医薬品や電気・ガス、水産・農林といったディフェンシブセクターのほか、建設業や銀行業、パルプ・紙などが好パフォーマンスを演じている。

●ソニーGは構造改革でV字回復

 割安な銘柄には割安な理由がある。業績拡大期待の乏しい銘柄は、割安な状態で放置されることが多い。しかしながら、業績面での低迷期を乗り越え、復活に向かう銘柄となれば別だ。過去に失った投資家の信頼が回復途上にある状態だと考えれば、PER(株価収益率)の切り上がりによる株高効果が見込める。

 業績不振に陥った後に構造改革を断行し、劇的な変貌を遂げた上場企業は決して少なくない。例えば、2010年代初めの超円高局面において自動車や電機大手の業績は大きく悪化した。このうちソニーグループ <6758> [東証P]をみると12年3月期にリーマン・ショック以来の営業赤字に転落したものの、同社はその後、パソコン「VAIO」の売却やテレビ事業の分社化など構造改革を断行。音楽や映画、ゲーム事業などで稼ぐ体制に転換し、業績はV字回復を果たした。12年安値と比較すると、上場来高値圏にある直近の株価は修正株価ベースで30倍以上となっている。粉飾決算を受けて市場の信頼を棄損したオリンパス <7733> [東証P]をみても、アクティビストから取締役を迎えて変革に取り組み、株価を大きく回復させた。

 一般的に黒字転換を果たした企業はその後、業績を継続的に拡大する傾向があるとされる。その意味で黒字転換銘柄は目覚めの過程を経て「大化け」する潜在性を秘めていると言えるだろう。このような観点で、今期に黒字転換を計画する企業群から、評価機運の更なる高まりが期待できる6銘柄をピックアップしていく。

●黒字転換予想で評価機運上昇中の6銘柄

◎コニカミノルタ <4902> [東証P]

 複合機・印刷機を主力とし、液晶テレビ用フィルムやデジタルX線画像診断システムなども手掛ける。21年3月期~23年3月期、25年3月期は営業赤字に沈んだが、今期の営業損益は480億円の黒字転換を予想。人員削減など痛みを伴う構造改革を経て、米国の相互関税による影響を受けながらも収益改善にまい進する。ペロブスカイト太陽電池の高耐久化を実現するバリアフィルムでシェアトップを目指すほか、トヨタ自動車 <7203> [東証P]と宇宙用ダスト除去装置の共同開発契約を締結するなど成長領域での事業育成に取り組む。PBR(株価純資産倍率)は0.6倍台にとどまっている。

◎アキレス <5142> [東証P]

 学童靴「瞬足」で知られる同社だが、自動車などの内装材やプラスチックフィルム、断熱資材、防災対策商品に事業を展開。26年3月期は4期ぶりの営業黒字を計画する。シューズ事業では国内での生産終了に踏み切り、ブランドの絞り込みを行うなど選択と集中に向けた取り組みを推進。車両資材でも事業拠点の集約を進めるなど、構造改革の成果が顕在化しつつある。コストダウンや価格改定の推進により9月中間期の利益は計画を上振れして着地。18年以降の長期的な株価調整トレンドには一服感も出てきた。

◎新電元工業 <6844> [東証P]

 車載向けパワー半導体や二輪用電装品を展開。今期は3期ぶりの最終黒字を計画する。中国市場の失速や原材料高を受けて収益が大幅に悪化したデバイス事業の構造改革を断行し、前期に膿を出し切った。9月中間期の最終利益の通期計画に対する進捗率は78%と利益上振れの可能性を意識させる水準。PBRは0.5倍台とあって、資本効率の向上に向けた施策に踏み切れるかどうか注目される。

◎総医研ホールディングス <2385> [東証G]

 大阪大学発ベンチャーとして誕生し、食品メーカーに対し機能評価試験などを展開。26年6月期は3期ぶりの営業黒字を計画する。中国の化粧品事業から撤退し、9月には子会社を含む全ての正社員を対象に希望退職者を募集するなど、抜本的な事業構造改革を進めた。今後は健康補助食品においてアセアン・中華圏での販売拡大を狙うほか、セルフメディケーション関連市場へのアプローチと医療DXサービスの展開、M&Aを通じ成長を図る方針。配当利回りは4%台と高水準だ。

◎日本金属 <5491> [東証S]

 自動車や家電向けに冷間圧延ステンレス鋼帯やみがき特殊帯鋼を供給。26年3月期は営業損益が3期ぶりに黒字に転換する見通しだ。9月中間期は自動車向けの需要が低迷するなかにあって、販売価格の是正やコスト削減による効果が発現。売上高比率の8割超を占めるみがき帯鋼事業では、サーバー用ハードディスクや精密ベアリング用の販売が伸び、新型ゲーム機向けの機構部品も堅調だった。PBRは0.18倍で、是正余地は大きい。

◎愛眼 <9854> [東証S]

 眼鏡小売店を展開する同社の26年3月期は6期ぶりの営業黒字を計画。同業による出店攻勢もあり競争環境の激しい業界のなかでコストコントロールを徹底し、中国の子会社の清算を昨年に完了。9月中間期は主力の眼鏡で売り上げを伸ばし、営業黒字額の通期計画に対する進捗率は93%に上った。株価は190円台と低位で値動きも軽く、業績の上振れ期待を踏まえると投資妙味を感じさせる。

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