富田隆弥の【CHART CLUB】 日米とも陰転、好転を確認までは安心できず

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コラム

「日米とも陰転、好転を確認までは安心できず」

◆11月19日に発表されたエヌビディアの決算は、25年8-10月期実績、および25年11月-26年1月期見通しともに市場予想を大きく上回った。これを受けてエヌビディアの株価は時間外取引で大きく上昇し、20日の日経平均株価は1286円高と5日ぶりに急反発した。

◆だが、チャート的にはまだ安心できない。日米とも11月に株価が大きく下落して日足チャートは「陰転」しており、大きく戻して「好転」を確認するまでは「戻り売り」の懸念がつきまとう。

◆日経平均株価は11月18日に1620円安と急落し、25日移動平均線を割り込んだ。翌19日も下げて4万8235円まで売られている。11月5日につけた安値4万9073円も割り込み、これにより日足チャートは「陰転」が確定した。

◆日足の「陰転」は、4月安値(3万0792円)から7カ月続いた上昇基調の終焉と、押し目買いの需給相場の終わりを意味する。そうなると、昨年8月以来の水準に増加している信用買い残高(4兆8348億円:14日申し込み時点)がしこりとなり、今後どこかで見切り売りを加速させるリスクが懸念される。

◆日経平均株価の日足を「好転」に戻すには、いまの段階ではまず11日の戻り高値5万1513円をクリアすることが条件となる。そして、「好転」を確定させるためには、4日につけた史上最高値5万2636円の奪回が必要だ。これらを確認するまでは、慎重な姿勢が求められる。

◆日本は現在、株安・円安・債券安の「トリプル安」に見舞われている。一方、米国でもインフレの長期化、利下げ観測の後退、そしてAI(人工知能)関連への過剰投資など、いくつもの懸念が影を落としている。エヌビディアの好決算だけでチャートを本格的に「好転」に導けるかどうかは、不透明だ。

(11月20日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

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