話題株ピックアップ【夕刊】(1):住友ファーマ、SOMPO、アドテスト

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■住友ファーマ <4506>  2,702円   +264 円 (+10.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位
 住友ファーマ<4506>が急騰、一時13.4%高の2765円まで駆け上がる場面があった。今月上旬にマドを開けて買われて以降、機関投資家とみられる継続的な実需買いが観測され、特に前週11日からきょうまでの8営業日で陰線を形成した日はわずか1日しかない。高市政権が重点投資の対象に掲げる17の戦略分野には「創薬・先端医療」が含まれており、再生医療分野など次世代医薬で高い技術力を有する企業にマーケットの視線が向いている。住友ファーマは中枢神経領域に優位性を持つ医薬品会社だが、iPS細胞関連の研究でも先駆しているほか、売り上げの8割を海外で占めるグローバル企業であり、外国人投資家の目にもとまりやすい。一方、外国人持ち株比率は現状で13%強にとどまり、国内大手製薬メーカーと比較しても大幅に低いことから、海外資金による組み入れ競争の動きが株価上昇を助長しているとの見方もある。

■SOMPO <8630>  4,955円   +472 円 (+10.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位
 SOMPOホールディングス<8630>がマドを開けて急反発した。同社は19日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直し、純利益の見通しを従来の3350億円から5400億円(前期比2.2倍)に上方修正した。過去最高益の更新を計画する。また、取得総数2400万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.64%)、取得総額770億円を上限とする自社株買いの実施を発表。これらを好感した買いが入った。金融商品の未実現損益の増加とともに、国内外の自然災害による発生保険金がこれまでの予想を下回る見通しとなったことを業績予想に反映した。自社株の取得期間は12月1日から26年3月31日まで。9月中間期の純利益は3604億2800万円(前年同期比97.4%増)だった。

■アドバンテスト <6857>  20,835円   +1,685 円 (+8.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位
 アドバンテスト<6857>が急騰。11月に入ってから株価は調整色をみせ前日は25日移動平均線を下回るなど下値リスクが意識されたが、きょうは大きく切り返し2万円大台を回復。日本時間早朝に発表された米半導体大手エヌビディアの25年8~10月期決算は売上高が前年同期比62%増の570億600万ドル、最終利益は同65%増の319億1000万ドルといずれも四半期としては過去最高を記録した。25年11月~26年1月期の売上高見通しも前年同期比65%増を見込むなど市場コンセンサスを上回り、これを受けてエヌビディアの株価は時間外で大幅上昇しており、これが東京市場でもアドテストをはじめ半導体製造装置関連の株価を強く刺激する格好となっている。特にアドテストはエヌビディアの製造する最先端AI半導体向けに検査装置を納入していることから、今後の収益成長への期待が高まっている。

■精工技研 <6834>  13,050円   +940 円 (+7.8%)  本日終値
 精工技研<6834>が10%超の急騰を演じ、1万3000円台半ばまで水準を切り上げる場面があった。光通信用デバイスと自動車部品用金型を主力展開するが、生成AI市場の急拡大を背景に世界的なデータセンター建設ラッシュとなるなか、光コネクターなどの光通信用デバイスが絶好調で収益を押し上げている。26年3月期業績は期初予想を増額し、営業利益段階で前期比74%増の49億円を予想しているが、市場では一段の上振れを見込む声も聞かれる。そうしたなか、日本時間今朝方に発表されたエヌビディアの決算は市場コンセンサスを上回る高水準の伸びを示したが、特にデータセンター向けに最先端AI半導体需要が爆発的に伸びていることが分かり、東京市場でもデータセンターのインフラに絡む銘柄群に投資資金が誘導されている。その象徴株のひとつに位置付けられる同社の株価も強く刺激される状況にある。

■保土谷化学工業 <4112>  1,864円   +133 円 (+7.7%)  本日終値
 保土谷化学工業<4112>が3日ぶりに急反発。投資事業を手掛けるDOE5パーセント(東京都渋谷区)が19日の取引終了後、関東財務局へ大量保有報告書を提出した。新たに保土谷の株式について5%を超えて保有していることが明らかになり、需給思惑的な買いが入った。大量保有報告書によると、DOE5パーセント及び共同保有者の保有割合は5.26%。報告義務発生日は11月12日。保有目的は投資及び建設的な対話を通じた中長期的な企業価値の向上とし、状況に応じて重要提案行為などを行うことを含む。

■東京精密 <7729>  10,835円   +750 円 (+7.4%)  本日終値
 東京精密<7729>が3営業日ぶりに反発。米半導体大手エヌビディアが市場予想を上回る好調な売上高見通しを発表し、時間外取引で株価が上昇していることが刺激となったもよう。また、19日にスズキ<7269>と電池開発における充放電試験業務の委託について合意したことを明らかにしたことも材料視されているようだ。スズキが東京精に委託する業務は、次世代電池の技術開発に不可欠な充放電試験に関するもの。試験は東京精の放充電試験装置を用いて実施され、東京精のエンジニアが作業を担うとしている。

■アバントグループ <3836>  1,779円   +90 円 (+5.3%)  本日終値
 アバントグループ<3836>は高い。19日取引終了後、取得上限150万株、または20億円とする自社株買いの実施を発表した。期間は11月28日~来年5月29日。取得した株式は来年6月30日付で全て消却する。

■日経レバ <1570>  42,390円   +2,000 円 (+5.0%)  本日終値
 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が急騰、一時3300円(8.2%)高の4万3690円まで急浮上した。注目された米半導体大手エヌビディアの決算発表は8~10月期実績及びガイダンスともに事前コンセンサスを上回る内容で、同社株は時間外で大幅高に買われ、これに追随する形で東京市場でも日経平均寄与度の高い半導体製造装置関連株などを中心に買いが流入、日経平均は一時2000円を超える上昇で5万円大台を一気に回復した。日経レバは日経平均に連動する仕組みで組成されたETFで、価格変動率が日経平均の2倍に基本設定されていることから、短期値幅取りを狙った個人投資家資金などを呼び込んでいる。直近の信用取組(14日現在)は買い残が増加し売り残が減少していることから需給面ではやや緩んでいるが、それでも信用倍率は1.20倍と拮抗している。一方、日証金では貸株が融資を上回り、貸借倍率は0.77倍と売り長の状態にありショートカバーを誘発している。テクニカル的にも今週大陰線で下放れた25日移動平均線を、マドを開けて上回るなど、派手なパフォーマンスとなっている。

■MS&AD <8725>  3,403円   +110 円 (+3.3%)  本日終値
 MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>が堅調。同社は19日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直し、純利益予想を従来の5790億円から5900億円(前期比14.7%減)に引き上げた。また、取得総数7500万株(自己株式を除く発行済み株式総数の5.0%)、取得総額1350億円を上限とする自社株買いを実施すると発表した。これらが株価の支援材料となった。グループのうち損保では海外保険子会社と三井住友海上火災保険、三井ダイレクト損害保険の正味収入保険料を、国内生保では三井住友海上プライマリー生命保険の収入保険料の見通しを引き上げた。9月中間期の純利益は前年同期比7.1%増の4916億7400万円だった。自社株の取得期間は11月20日から26年3月24日まで。今年11月28日には発行済み株式総数の7.2%に相当する自社株1億1584万6976株を消却する。

■モリト <9837>  1,668円   +40 円 (+2.5%)  本日終値
 モリト<9837>が後場終盤になって上げ幅を拡大。午後3時ごろに、25年11月期の期末配当予想を36円から37円へ増額修正し、年間配当予想を69円から70円(前期63円)へ引き上げた。また、自社株320万株(消却前発行済み株数の10.67%)を11月28日付で消却すると発表しており、これらを好感した買いが入ったようだ。なお、消却後の発行済み株数は2680万株となる。

株探ニュース

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