来週の株式相場に向けて=「エヌビディア」決算に視線集中、半導体人気は復活するか
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今週の東京株式市場は決算発表がピークを迎えるなか、特に11日のソフトバンクグループ<9984.T>の決算内容が高い関心を集めた。同社の第2四半期累計(4~9月)の連結最終利益は前年同期比2.9倍の2兆9240億円と大幅増益を記録したが、市場では材料出尽くし感も指摘され、12日の株価は反落した。 きょうも秋口以降に大幅高を演じてきたキオクシアホールディングス<285A.T>は減益決算が嫌気され、ストップ安に売られた。フジクラ<5803.T>や古河電気工業<5801.T>なども高値圏で神経質な値動きとなっており、AI・半導体関連株には調整色が強まっている。 その一方、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>など銀行株や大成建設<1801.T>など建設株、三井不動産<8801.T>など不動産株といったバリュー株は新たな上昇基調に入りつつある。11月に入り、日経平均株価が約4%下落しているのに対して、TOPIXは約1%上昇と明暗は分かれつつある。 この潮流の行方を見定めるポイントとなるのが、19日に予定されている米半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算だ。同社の8~10月期業績は、ともに50%を超える増収と一株当たり利益(EPS)の増加を予想する見方が出ている。特に今期(11月~1月)の見通しに焦点が当たりそうだ。エヌビディアの決算が市場予想を上回れば、AI・半導体関連株は再び上昇基調に復帰することが期待できる。その一方、期待に達しなかった場合、バリュー株への「主役交代」は一層鮮明になりそうだ。 上記以外のスケジュールでは、海外では17日には米11月ニューヨーク連銀製造業景気指数、18日には米10月鉱工業生産、19日には米10月住宅着工件数、10月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、20日に米11月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、21日に米11月S&Pグローバル米国製造業PMIが発表される。米政府閉鎖は解除されたが、一部の経済指標の発表は延期されることもあり得る。18日にホーム・デポ<HD>、19日にターゲット<TGT>、20日にウォルマート<WMT>、ギャップが決算発表を行う。 国内では、17日に7~9月期GDP速報値、18日に10月訪日外客数、19日に10月貿易統計、9月機械受注、20日に10月首都圏新規マンション発売、21日に10月消費者物価指数(CPI)、11月S&Pグローバル日本製造業PMIが発表される。19日に東京海上ホールディングス<8766.T>、SOMPOホールディングス<8630.T>、MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725.T>が決算発表を行う。21日にノースサンド<446A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは4万9000~5万1500円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS
