話題株ピックアップ【夕刊】(2):シチズン、カーリット、長谷工
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■シチズン時計 <7762> 1,183円 +113 円 (+10.6%) 本日終値 シチズン時計<7762>は急騰し2007年11月以来、約18年ぶりの高値をつけた。12日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を引き上げた。売上高予想を前回予想の3180億円から3270億円(前期比3.2%増)、経常利益予想を220億円から290億円(同26.0%増)、最終利益予想は200億円から220億円(同7.9%減)とした。経常利益は減益予想から一転して増益を見込んでおり、業況を評価した買いを引き寄せている。9月中間期の業績が上振れして着地したことや10月以降の想定為替レートを1ユーロ=170円(変更前は160円)に改めたことなどを反映した。9月中間期は売上高が1592億5000万円(前年同期比1.7%増)、経常利益が161億9700万円(同32.0%増)、最終利益が118億8000万円(同3.3%減)だった。主力の時計事業は北米市場を中心に「シチズン」「ブローバ」ブランドが好調に推移したうえ、自社ECの伸長や販売単価の上昇も寄与し、収益性が大きく向上した。また、工作機械事業は受注が緩やかに回復し増収に転じた。ただし、過年度関税等及び過年度関税等引当金繰入額を計上したため、最終利益は減益となった。 ■カーリット <4275> 1,676円 +153 円 (+10.1%) 本日終値 カーリット<4275>が続急伸し1991年6月以来約34年5カ月ぶりの高値をつけた。12日の取引終了後に26年3月期の連結業績予想について、営業利益を31億円から35億円(前期比14.9%増)へ、純利益を27億円から28億5000万円(同10.9%増)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を36円から38円(前期36円)へ引き上げており、これを好感した買いが入った。売上高は390億円から380億円(同2.9%増)へ下方修正したが、上期において国内市場の需要が堅調だったことに加え、適正価格の反映などの営業努力や一般管理費などのコスト削減効果により、化学品セグメントの化薬分野、電子材料分野及びセラミック材料分野が伸長したことが利益を押し上げる。また、金属加工セグメント及びエンジニアリングサービスセグメントが伸長していることも寄与する。なお、同時に発表した9月中間期決算は、売上高177億6300万円(前年同期比1.6%減)、営業利益15億400万円(同25.9%増)、純利益11億4900万円(同20.8%増)だった。また、あわせて上限を50万株(自己株式を除く発行済み株数の2.16%)、または5億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視されたようだ。取得期間は11月13日から来年2月27日までで、取得した全株式は3月27日付で消却される予定だ。 ■長谷工コーポレーション <1808> 2,923円 +225 円 (+8.3%) 本日終値 長谷工コーポレーション<1808>が7連騰し連日の年初来高値更新。12日の取引終了後に26年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆2300億円から1兆2400億円(前期比5.3%増)へ、営業利益を920億円から970億円(同14.5%増)へ、純利益を550億円から580億円(同68.4%増)へ上方修正したことが好感された。施工量増加により完成工事高の増加が見込まれるほか、マンション建築工事の採算性が見通しを上回って改善していることを織り込んだ。なお、同時に発表した9月中間期決算は、売上高5954億6600万円(前年同期比6.6%増)、営業利益413億3300万円(同16.7%増)、純利益242億1500万円(同25.0%増)だった。 ■平河ヒューテック <5821> 3,050円 +232 円 (+8.2%) 本日終値 平河ヒューテック<5821>が急動意、前日比8%を超える上昇で11月5日につけた上場来高値2984円を払拭し、未踏の3000円大台に駆け上がった。前週は業績予想の上方修正を受けてマドを開けて買われたものの、ボリンジャーバンドのプラス3σ(シグマ)の領域に踏み入れたことから目先過熱感を意識した売りに晒された。だが、PERやPBRなどに割高感はなく、押し目形成場面では波状的な買いが継続している。26年3月期営業利益は従来予想の30億円から40億円(前期比76%増)に大幅増額している。同社はネットワーク機器向けのエレクトリックワイヤーや光中継システムで実力を発揮するが、車載用ケーブルの量産品や医療用ケーブルが好調なほか、情報通信向けで追い風が強まってきた。今後、AIデータセンターの建設がグローバル規模で相次ぐなか、データセンター向け高速伝送ケーブル(AOC=ACTIVE OPTICAL CABLES)で高実績を有する同社の存在に改めてスポットが当たりそうだ。 ■デンヨー <6517> 3,070円 +210 円 (+7.3%) 本日終値 13日に発表した「デンヨー、自社株買いの実施を発表」が買い材料視された。 自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ ■すかいらーく <3197> 3,134円 +196 円 (+6.7%) 本日終値 すかいらーくホールディングス<3197>が後場に入り上げ幅を拡大。午前11時45分ごろに、25年12月期の連結業績予想について、売上高を4450億円から4540億円(前期比13.2%増)へ、営業利益を250億円から290億円(同19.9%増)へ、純利益を148億円から167億円(同19.6%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を12円から14円へ引き上げ年間配当予想を22円(前期18円50銭)としたことが好感された。メニュー施策、店舗中心経営によるサービス向上などによる既存店の成長に加えて、前期に子会社化した「資さんうどん」や、マレーシアの「SUKI-YA」の貢献などにより第3四半期までの業績が計画を上回る増収増益となったことが要因としている。その第3四半期累計(1~9月)決算は、売上高3396億4200万円(前年同期比15.3%増)、営業利益238億5400万円(同23.7%増)、純利益137億1400万円(同31.2%増)だった。 ■日本システム技術 <4323> 2,328円 +128 円 (+5.8%) 本日終値 日本システム技術<4323>は続騰し、10月6日につけた上場来高値を更新している。12日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表した。売上高が149億2900万円(前年同期比12.6%増)、営業利益が16億9300万円(同61.9%増)だったとしており、大幅な増益を好感した買いが流入した。幅広い分野の多種多様な情報システム及びサービスを提供するDX&SI事業、自社ブランド製品の開発・販売及び関連する環境構築やシステム開発を手掛けるパッケージ事業が好業績を牽引した。 ■ミライト・ワン <1417> 3,241円 +148 円 (+4.8%) 本日終値 ミライト・ワン<1417>が後場終盤になって上げ幅を拡大。午後3時ごろに発表した9月中間期連結決算が、売上高2588億3600万円(前年同期比3.6%増)、営業利益78億5100万円(同67.8%増)、純利益46億2500万円(同3.3倍)と大幅増益で着地したことが好感された。NTT向け工事でモバイル工事の受注・売上高が増加したことに加えて、アクセス工事でも売り上げが増加。また、環境・社会イノベーション事業で電気・空調工事の売り上げが伸長したことや、ICTソリューション事業でグローバル事業、物販が堅調に推移したことも寄与した。なお、26年3月期通期業績予想は、売上高6200億円(前期比7.2%増)、営業利益340億円(同21.5%増)、純利益210億円(同22.2%増)の従来見通しを据え置いている。 ■ガリレイ <6420> 3,775円 +155 円 (+4.3%) 本日終値 ガリレイ<6420>が続急伸し上場来高値を更新した。同社は12日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算に関し、売上高がこれまでの計画を60億7400万円上回る680億300万円(前年同期比11.5%増)、最終利益が12億6500万円上回る57億7100万円(同11.7%増)で着地したようだと発表。減益予想から一転増益で着地しており、発表内容を材料視した買いが株価を押し上げた。インバウンド需要などを背景に飲食店向け汎用冷凍冷蔵庫の販売が増加したほか、スーパーマーケット向け冷凍冷蔵ショーケースの需要が続き、メンテナンス販売も堅調だった。通期の業績予想については現在精査中としている。 ■霞ヶ関キャピタル <3498> 8,530円 +320 円 (+3.9%) 本日終値 霞ヶ関キャピタル<3498>が続伸。この日、10月24日取引終了後に発表した公募増資と株式売り出しなどの受渡日を迎えた。発行・売り出し価格は7718円だったが、足もとの株価は8400円前後まで上昇。受渡日を迎え公募・売り出しがほぼ一巡したことから需給改善期待も膨らんでいるようだ。 株探ニュース
