利益成長【青天井】銘柄リスト〔第1弾〕 32社選出 <成長株特集>

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コラム

 3月期決算企業を中心とする25年7-9月期の決算発表が佳境を迎えている。本特集では、11月5日までに発表された決算の中から、7-9月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益成長が“青天井”状況になっている銘柄にスポットライトを当てた。

 下表では、時価総額100億円以上の銘柄を対象に、本決算月にかかわらず、25年7-9月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を5%超上回って更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も最高益見通しを示している32社を選び出し、7-9月期実績の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

 上振れ率トップとなったのは、東京きらぼしフィナンシャルグループ <7173> [東証P]。25年7-9月期(第2四半期)の経常利益は192億円とこれまでの過去最高益を67.8%も上回って着地。14四半期ぶりの最高益更新を果たした。日銀の政策金利引き上げなどを背景に貸出金利回りが上昇したことに加え、ファンド収益の増加や非金利収支の改善も利益拡大に貢献した。26年3月期の同利益は前期比12.8%増の470億円と5期連続で過去最高益を更新する見通しだ。株価は6日に上場来高値7710円まで上値を伸ばしている。

 2位に入ったトーメンデバイス <2737> [東証P]の7-9月期(第2四半期)経常利益は前年同期比52.0%増の52.8億円と4四半期ぶりに過去最高益を達成した。中国の補助金政策による需要喚起を背景に、メモリー製品を中心に販売数量が増加した。半導体メーカーがAI関連製品へ生産をシフトする中、汎用メモリーの需給が逼迫し、メモリー製品の価格が急騰したことも大幅増益につながった。業績好調に伴い、減益予想だった26年3月期通期の同利益を一転して4期ぶりの最高益見通しに上方修正するとともに、配当も増額修正したことが好感され、株価は4日に上場来高値1万0290円をつけている。

 3位にリスト入りした平河ヒューテック <5821> [東証P]の7-9月期(第2四半期)は、北米メガソーラー発電所の旺盛な需要を背景にエネルギー産業関連ケーブルの販売が好調だった。また、車載用ケーブルの新規量産品や医療用ケーブルの新製品も伸びたほか、産業機器用ケーブルでは一部FA分野が回復し、経常利益は前年同期比4.1倍の13.7億円に急拡大して着地。好調な業績を踏まえ、26年3月期の同利益予想を3期ぶり最高益見通しとなる40億円(従来予想は31億円)に大幅上方修正した。これを受けて、株価は5日に上場来高値2984円まで上値を伸ばす場面があった。

 続く4位の守谷商会 <1798> [東証S]は長野県を地盤とする中堅建設会社。7-9月期(第2四半期)は主力の建築事業を中心に手持ち工事が順調に進捗する中、工事原価・工程管理の徹底や経費削減などが寄与し、経常利益は前年同期比2.7倍の13.8億円と2四半期連続の最高益更新を遂げた。業績好調に伴い、26年3月期の同利益を従来予想の22億円→31.5億円に上方修正し、従来の減益予想から一転して3期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。併せて、期末一括配当を従来計画の120円→150円(前期は100円)に増額修正したことも評価され、約30年10ヵ月ぶりの高値圏に急浮上している。

           ┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名     上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高  PER
<7173> 東京きらぼし   67.8  19299  11501    12.8  47000  41652  7.0
<2737> トーメンデバ   52.0  5288  3480    6.2   9000   8478 10.6
<5821> 平河ヒューテ   41.8  1378   972    14.3   4000   3501 11.9
<1798> 守谷商会     33.6  1381  1034    32.9   3150   2371  6.8
<2676> 高千穂交易    29.6   818   631    4.8   2100   2004 25.4
<4417> Gセキュリ    27.9   587   459    39.6   2181   1562 37.1
<9029> ヒガシHD    21.0  1084   896    15.8   3400   2935 11.8
<9686> 東洋テク     18.2  1139   964    80.7   2550   1411 10.0
<2492> インフォMT   17.7   983   835    13.4   2790   2460 50.5
<9687> KSK      17.0  1025   876    7.7   2700   2506 17.3

<1802> 大林組      16.9  66151  56577    5.5  172000  163054 13.0
<3850> イントラマト   16.1   390   336    23.3   1000   811 28.4
<9709> NCS&A    16.0   842   726    29.4   2730   2109 13.5
<8020> 兼松       13.4  13634  12025    20.3  46000  38233  8.7 *
<1942> 関電工      13.3  20688  18261    7.6  64000  59498 21.5
<6200> インソース    13.0  1691  1496    13.4   6800   5997 15.5
<6501> 日立       12.4 408126 363152    15.3 1110000  962733 31.0 *
<2317> システナ     11.6  4180  3747    25.7  14900  11855 17.8
<7191> イントラスト   11.5   738   662    10.9   2600   2345 15.1
<6762> TDK      11.2  89847  80778    5.1  250000  237808 26.3 *

<3648> AGS      10.0   838   762    25.8   2390   1900 13.5
<9412> スカパーJ     9.9  9892  9005    15.4  31500  27290 23.1
<4307> 野村総研      9.2  41478  37978    12.6  151000  134161 33.1 *
<4290> PI        8.9  2671  2452    5.2   8900   8458 15.0
<4462> 石原ケミ      8.3  1049   969    4.2   3600   3456 11.5
<3091> ブロンコB     7.9   874   810    9.7   3080   2807 29.9
<7466> SPK       6.7  1103  1034    0.9   3600   3568  9.1
<4718> 早稲アカ      6.0  1992  1879    3.6   3731   3600 16.8
<6946> 日本アビオ     5.8  1339  1266    43.9   3900   2711 26.7
<4043> トクヤマ      5.2  11342  10780    14.7  41500  36196  9.4

<9022> JR東海      5.1 218135 207532    6.4  691000  649294  8.3
<3371> ソフトクリエ    5.0  1709  1627    7.6   6200   5764 13.7

※ 2024年7月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。

※決算発表の集中期間(11月14日まで)は、その日に発表された決算で7-9月期に増収増益を達成した銘柄を速報ベースで毎日19時ごろ配信しています。こちらも併せてご覧いただき、銘柄選びにご活用ください。

●「高成長企業を追う! 25年7-9月期【増収増益】リスト」配信一覧 ────
 「10月29日版 22社選出」「10月30日版 48社選出」「10月31日版 57社選出」
 「11月4日版 32社選出」「11月5日版 33社選出」「11月6日版 47社選出」
 「11月7日版 55社選出」

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