来週の株式相場に向けて=ソフトバンクG決算などを注視、AI・半導体株の波乱は続くか

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 この日の日経平均株価は前日比607円安の5万0276円と反落した。前日の米株安を受け、ハイテク株が軟調。ソフトバンクグループ<9984.T>とアドバンテスト<6857.T>の2銘柄で日経平均株価を600円超押し下げた。ただ、日経平均株価は一時1200円超の下落となったが、後場に入り下げ渋った。「5万円割れの水準では押し目買いの流入も」(市場関係者)といい、プライム市場に上場する5割強の銘柄は上昇した。

 10月相場の大幅高を演出したのは、ソフトバンクGやアドテストなどの一部の銘柄だった。米国で主力テック株が下落すると東京市場も一極集中相場の反動が出てきてしまう。もっとも、日経平均株価は11月に入り前月比4%安に対してTOPIXは同1%程度の下落にとどまっている。これまでの決算発表の内容は悪くなく、今後、バリュー株を含め物色対象が広がるかが焦点だろう。

 とは言え、AI・半導体株が相場を支配するなかハイテク株動向からは目が離せない。来週は日米でAI・半導体関連株の重要な決算発表がある。日本では11日にソフトバンクGが中間決算を行う。米オープンAIへの出資など積極的なAI関連への投資が評価される格好で、ソフトバンクGの株価は今年に入り前年末に比べ約2.4倍に急騰している。決算に対する同社株の反応は全体相場を左右しそうだ。同日にはソニーグループ<6758.T>も決算発表を行う。

 海外企業の動向では、最大の焦点は19日のエヌビディア<NVDA>だが、同社に先行する格好で13日に半導体製造装置大手のアプライド・マテリアルズが決算発表を行う。ハイテク株に警戒感が台頭するなか、ソフトバンクGやアプライドマテリアルズなどの動向を注視する展開となりそうだ。

 上記以外の来週のスケジュールでは、海外では10日からブラジルで国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)が21日まで開催される。11日は、米国はベテランズデーで債券・外為市場は休場。中国は大規模ネット通販セール「独身の日」となる。14日に中国10月小売売上高が発表される。12日にシスコ・システムズ、13日にウォルト・ディズニー<DIS>が決算発表を行う。

 国内では、10日に10月開催分の日銀金融政策決定会合の「主な意見」が公表される。11日に10月景気ウォッチャー調査、12日に10月マネーストック、13日に10月国内企業物価指数が発表される。10日に三菱地所<8802.T>、古河電気工業<5801.T>、11日に大成建設<1801.T>、川崎重工業<7012.T>、12日にブリヂストン<5108.T>、ENEOSホールディングス<5020.T>、アシックス<7936.T>、13日にキオクシアホールディングス<285A.T>、INPEX<1605.T>、楽天グループ<4755.T>、14日に三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>、第一生命ホールディングス<8750.T>が決算発表を行う。14日で決算発表は一巡する。来週の日経平均株価の予想レンジは4万9500~5万1200円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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