ザイン、今期経常を一転赤字に下方修正
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ザインエレクトロニクス <6769> [東証S] が11月5日大引け後(15:30)に決算を発表。25年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結経常損益は6億2100万円の赤字(前年同期は1億9600万円の赤字)に赤字幅が拡大した。 併せて、通期の同損益を従来予想の3億6000万円の黒字→4億0700万円の赤字(前期は2億6400万円の黒字)に下方修正し、一転して赤字見通しとなった。 会社側が発表した下方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した7-12月期(下期)の連結経常利益も従来予想の9億4500万円→1億7800万円(前年同期は1億0800万円)に81.2%減額し、増益率が8.8倍→64.8%増に縮小する計算になる。 直近3ヵ月の実績である7-9月期(3Q)の連結経常損益は3600万円の赤字(前年同期は3億5200万円の赤字)に赤字幅が縮小し、売上営業損益率は前年同期の-10.4%→-9.2%に改善した。 株探ニュース 会社側からの【修正の理由】 当社は2027 年12 月期を目標年次とする中期経営戦略「Innovate 100」を推進しております。半導体、AI/IoT ソリューション等から成る事業ポートフォリオを活かしつつ、今後の経済社会においてAI 活用ユースケースの適用加速に寄与する革新的なソリューションを提供し、経済社会の生産性向上に取り組み、目標年度の連結売上高100 億円超の実現を目指します。 当連結会計年度においては、LSI、AIOT 両事業とも下半期、特に第4四半期にかけて売上を大きく伸展させる計画でありましたが、両事業とも当初の期待通りの伸展が見込めず、通期見通しにおいて当初計画を下回る見込みとなりました。LSI 事業については、当社の主力分野の一つである事務機器市場向けの製品出荷が回復し、また北米市場向け等の出荷が堅調に推移した一方、アミューズメント機器市場向けについては、一部に改善の兆しが見えるものの事業環境の改善には至らず、顧客の在庫調整等の影響が継続し、本格的な回復は来期以降にずれ込む見込みとなり、また中国市場向けについても関税懸念の影響等により需要が増加せず、通期の見通しにつきましては当初計画を下回る見込みとなりました。 AIOT 事業については、当第3四半期連結会計期間よりスマートメータ向け製品の本格量産出荷を開始し順調に出荷数量を伸ばし来期以降の大幅な売上増加が期待できる一方、当期に生じたドライブレコーダ向けおよび自動販売機決済端末向け等の用途における顧客需要の大幅な減少をカバーするまでとはならず、通期の見通しにつきましては当初計画を下回る見込となりました。 これらの結果、当社グループの売上高および売上総利益が当初計画を下回る見込みとなりました。 販売費及び一般管理費については、AI データセンター向け光半導体の製品開発等の研究開発活動を加速させるべく研究開発投資を当初見込みより増加して積極投資を行いつつもコスト削減を進めた結果、全体としては概ね当初計画通りの見込みとなりましたが、上記理由により営業損益については当初見込みより大幅に減少する見込みとなりました。なお、当社のAI データセンター向け光半導体の製品開発については、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)における令和7 年度社会実装・海外展開志向型戦略的プログラムの活動として採択されており、研究開発費用の一部については翌期以降に助成金として交付を受ける予定です。 また、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益についても上記理由および前期末比で為替相場が円高に進行していること等により当初見込みより大幅に減少する見込みとなりました。 なお、期末配当予想につきましては1 株当たり15 円の従来予想からの修正はございません。
