株価指数先物【寄り前】 +1σが支持線として機能するかを見極め

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先物

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 51200 -310 (-0.60%)
TOPIX先物 3298.0 -12.0 (-0.36%)
シカゴ日経平均先物 51200 -310
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 4日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。予想を上回る決算を発表したパランティア・テクノロジーズが8%近く下落するなか、人工知能(AI)関連株に対する割高感が意識される形となり、半導体やAI関連株に利益確定の売りが広がった。空売りで名を馳せた著名投資家マイケル・バーリ氏が率いるサイオン・アセット・マネジメントが、プットオプションを新規取得していたことが明らかになったエヌビディアが下落。ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーのCEO(最高経営責任者)がともに、株式相場が10%以上調整する可能性に言及したことも重荷になった。

 S&P500業種別指数は保険、商業サービス・用品、食品・生活必需品小売が上昇した一方で、自動車・同部品、半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービスの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、トラベラーズ、メルク、ホーム・デポ、コカ・コーラが買われた。半面、エヌビディアのほかキャタピラー、ボーイング、シスコシステムズ、セールスフォースが軟調。

 シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比310円安の5万1200円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比30円高の5万1540円で始まった。5万1600円まで買われた後はロング解消の動きにより軟化し、5万1160円まで下げた。米国市場の取引開始後に5万1570円とプラス圏を回復する場面もみられたが買いは続かず、終盤にかけてじり安となり、5万1200円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。米国市場では半導体やAI関連株への利益確定の売りが広がるなか、東京市場でもアドバンテスト<6857>[東証P]やソフトバンクグループ<9984>[東証P]への持ち高調整の売りが警戒されそうだ。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きによって先物市場ではショートを仕掛けやすくなりそうである。

 日経225先物は上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σ(5万2870円)に沿ったトレンドを続けていたが、前日の大幅な下げで前週末の上昇分をほぼ帳消しにした。ナイトセッションで5万1160円まで売られる場面もみられ、+1σ(5万0760円)水準を試す可能性がある。値がさハイテク株の調整が強まるようだと、+1σ割れから下へのバイアスが強まる形で5万円処を狙ったショートを誘う展開も意識しておきたい。

 そのため、押し目待ち狙いのロングを慎重にさせそうであり、まずは+1σが支持線として機能するかを見極めたい。同バンドでの攻防を意識しつつ、オプション権利行使価格の5万円から5万2000円のレンジを想定する。

 4日の米VIX指数は19.00(3日は17.17)に上昇した。一時20.48まで切り上がる場面もみられ、200日移動平均線(19.39)を突破した。その後は上げ幅を縮めたことで同線を下回って終えているが、再び20.00を上回ってくる展開が警戒されやすく、やや慎重姿勢に向かわせる可能性がありそうだ。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で15.56倍に低下した。朝方に一時15.79倍まで上昇する場面もみられたが、+2σ(15.75倍)を上回ってきたことで、リバランスに向かわせたようである。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の動向次第であり、NTロングを巻き戻す動きが強まるようだと、+1σ(15.37倍)に接近する場面を想定しておきたいところであろう。

株探ニュース

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