話題株ピックアップ【夕刊】(2):JBCCHD、一工薬、正興電
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■JBCCHD <9889> 1,328円 +139 円 (+11.7%) 本日終値 JBCCホールディングス<9889>は後場に上げ幅を拡大。30日午前11時30分ごろ、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表した。売上高は374億6100万円(前年同期比4.6%増)、営業利益は36億500万円(同13.3%増)だった。同時に年間配当予想の増額修正と自社株買いを開示。期末配当予想を従来の見通しから7円引き上げて25円とした。自社株買いは取得総数250万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.86%)、取得総額30億円を上限とする。好業績と株主還元姿勢を評価する買いが集まっている。9月中間期はマルチクラウド及び同サービスの運用に必要なセキュリティーの包括的な提案が案件の大型化と受注拡大につながり、クラウドとセキュリティーの両方で上期過去最大の新規受注を獲得。加えて、基幹システムをアジャイル型で開発する超高速開発も大型プロジェクトが安定して進捗し業績に貢献した。下期については好業績が継続する見通しであるものの、現時点での通期業績予想は据え置く。年間配当予想は42円となり、4月1日付で実施した1株につき4株の割合での株式分割後ベースで実質8円50銭の増配になる。自社株取得は東京証券取引所における市場買い付けで10月31日から2026年3月31日にかけて実施する。資本効率の向上を図ることで経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能にするとともに、株主還元の充実を目指す。 ■第一工業製薬 <4461> 7,040円 +590 円 (+9.2%) 一時ストップ高 本日終値 第一工業製薬<4461>は後場急伸。この日午後2時ごろ、26年3月期連結業績予想について営業利益を68億円から82億円(前期比53.2%増)へ上方修正すると発表した。配当予想も120円から140円(前期100円)へ増額した。これを好感した買いが集まっている。足もとの業績動向を織り込んだ。また、高付加価値品である電子材料の低誘電樹脂材料が引き続き好調なことや、電池用材料の負極用水系複合接着剤が伸びていることも寄与する見通し。売上高については従来予想を据え置いた。 ■正興電機製作所 <6653> 2,198円 +170 円 (+8.4%) 本日終値 正興電機製作所<6653>の上げ足鮮烈、前日は6日ぶりに上昇一服となっていたが、きょうは押し目を待っていた向きの買い攻勢が寄り付き直後から一気に強まり、新値街道への復帰を果たした。生成AI市場の拡大で世界的なAIデータセンターの増設需要が浮き彫りとなってきた。そのなか、電力受変電設備分野に強みを持ち、IoT技術を駆使したソリューションをベースに制御・情報システムなどで実績の高い同社は、データセンター関連の有力株として頭角を現している。25年12月期は営業利益段階で前期比29%増の26億円と過去最高を大幅更新する見通しにあるが、依然として15倍前後のPERは割安感が漂う。 ■PI <4290> 662円 +50 円 (+8.2%) 本日終値 プレステージ・インターナショナル<4290>が大幅高で3日ぶりに反発。29日の取引終了後に発表した9月中間期連結決算が、売上高344億円(前年同期比11.8%増)、営業利益42億5600万円(同14.1%増)、純利益26億6200万円(同19.3%増)と2ケタ増益となったことが好感された。主要セグメントの既存事業がおおむね堅調に推移したことが業績を牽引、人件費の上昇やアシスタンス事業における協力会社への支払い単価上昇などがあったものの、カスタマー事業の収益性改善や金融保証事業の成長などにより利益を押し上げた。なお、26年3月期通期業績予想は、売上高700億円(前期比9.9%増)、営業利益85億円(同6.8%増)、純利益53億円(同8.8%増)の従来見通しを据え置いている。同時に、上限を145万株(自己株式を除く発行済み株数の1.15%)、または10億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は11月10日から来年3月24日までで、株主還元策の一環として実施する。 ■AREホールディングス <5857> 2,476円 +181 円 (+7.9%) 本日終値 AREホールディングス<5857>は続騰し上場来高値を更新。29日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を上方修正した。売上高を従来予想の4481億9900万円から5170億円(前期比2.1%増)、営業利益を220億円から300億円(同50.1%増)、最終利益を161億7900万円から216億円(同50.8%増)に引き上げた。同時に年間配当予想は中間・期末各40円の年80円から同各60円の年120円(前期は80円)に40円増額した。業績の好調な推移と株主還元姿勢を評価する買いが流入した。第2四半期累計(4~9月)は、売上高が2382億3900万円(前年同期比0.9%減)、営業利益が153億3200万円(同84.3%増)、最終利益が108億4900万円(同64.3%増)になった。貴金属リサイクル事業で金価格の上昇により金の販売額が想定以上に伸びたことで売上高が計画を超えた。加えて、米欧の金銀市場の需給変動を背景に裁定取引の成果が過去最大になったうえ、米国への金銀流入量の増加に伴い倉庫分野における保管量が増えたことなどが利益を押し上げた。中間期の業績と足もとの事業環境を踏まえ、通期の業績予想を上方修正した。 ■大同特殊鋼 <5471> 1,483円 +88.5 円 (+6.4%) 本日終値 大同特殊鋼<5471>が後場に入り急伸。午前11時40分ごろに発表した9月中間期連結決算が、売上高2844億9900万円(前年同期比0.4%増)、営業利益184億6400万円(同1.1%増)、純利益129億3700万円(同6.5%増)となり、売上高2750億円、営業利益125億円、純利益80億円を見込んでいた従来予想を大きく上回って着地し増収増益となったことが好感された。自由鍛造品の舶用バルブの需要が想定を上回ったことに加えて、中国レアアースの輸出規制の強化に伴いジスプロシウム、テルビウムなどの重希土類フリーが特徴である同社の磁石製品への需要が増加した。また、為替水準が円安で推移したことや、経費圧縮などのコスト削減を一層進めたことなども寄与した。同時に、従来未定としていた26年3月期通期業績予想を発表。売上高5650億円(前期比1.7%減)、営業利益330億円(同16.3%減)、純利益235億円(同17.0%減)とした。また、同じく未定としていた期末配当予想を27円(前年同期26円)とし、年間配当予想を49円(前期47円)と発表した。 ■山一電機 <6941> 4,465円 +250 円 (+5.9%) 本日終値 山一電機<6941>が5連騰で新値街道をまい進。上げ足の強さも目立ち、きょうの高値4405円まで5営業日で700円を超える上昇で20%も水準を切り上げた。テキストから動画へと生成AI市場が加速的に広がりを見せているが、一方ではAIが自律的な判断で動くAIエージェントなどもマーケットの視線が向かっている。こうしたAI技術をロボティクス分野と融合して現実空間に取り込んでいこうとする「フィジカルAI」という概念に世界のビッグテックが食指を動かしている。今月8日、ソフトバンクグループ<9984>がスイスの重電大手ABBからロボット事業を買収することを発表したが、これはフィジカルAIの開発に向けた布石として注目されている。山一電機は半導体検査用やコネクター・実装用として使うICソケットで世界シェア約40%を有するグローバルニッチトップだが、フィジカルAIの市場が立ち上がれば、ロボット向けコネクターソリューションで活躍が期待されている。投資指標面でもPER15倍弱にとどまり、ハイテク系成長株としては割安感が強く、一段の上値余地が意識されている。 ■小松マテーレ <3580> 864円 +46 円 (+5.6%) 本日終値 30日に発表した「小松マテーレ、自社株の買付と消却を発表」が買い材料視された。 自己株式取得に係る事項の決定及び自己株式の消却に関するお知らせ ■小野薬品工業 <4528> 1,877円 +97.5 円 (+5.5%) 本日終値 小野薬品工業<4528>は後場一段高となり、年初来高値を更新した。同社はきょう正午ごろ、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算(国際会計基準=IFRS)を発表。営業利益は前年同期比6.7%増の520億6900万円となり、通期計画の850億円に対する進捗率は61.3%となった。売上収益は同7.0%増の2571億3600万円で着地。国内では糖尿病、慢性心不全及び慢性腎臓病治療剤「フォシーガ錠」の売り上げが伸び、海外では消化管間質腫瘍治療剤「キンロック」が好調だった。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。 ■シーティーエス <4345> 877円 +38 円 (+4.5%) 本日終値 シーティーエス<4345>が後場上げ幅を拡大。午後1時ごろに26年3月期の連結業績予想について、売上高を128億円から128億8500万円(前期比9.0%増)へ、営業利益を33億円から33億5300万円(同9.0%増)へ、純利益を24億円から25億2700万円(同15.4%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を14円から15円へ引き上げ年間配当予想を29円としたことが好感された。主力のデジタルデータサービス(DDS)事業及び測量計測システム(SMS)事業において、既存顧客を中心に受注が堅調に推移したことが牽引した。また、営業外収益でレンタル資産の保全を目的とした投資有価証券の受取配当金の増加、戦略的な出資先であるファイルフォースの黒字化に伴う持ち分法投資利益の計上などがあり、特別利益においても政策保有株式のMBOによる売却に伴い生じた投資有価証券売却益を計上したことなども寄与する。なお、同時に発表した9月中間期決算は、売上高61億8400万円(前年同期比6.5%増)、営業利益15億2200万円(同7.1%増)、純利益12億2600万円(同29.3%増)だった。 株探ニュース
