株価指数先物【寄り前】 利食い先行も、アドバンテストの動向を見極め

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先物

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 51040 -290 (-0.56%)
TOPIX先物 3282.5 +5.0 (+0.15%)
シカゴ日経平均先物 51100 -230
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 30日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。米連邦準備理事会(FRB)が28~29日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の誘導目標を0.25ポイント引き下げ、3.75~4%とすることを決定した。パウエルFRB議長は会見で、12月の利下げの可能性について「既定路線とみなすべきではない」との見解を示し、利下げ期待を牽制する発言を行ったことが利益確定の売りを誘う形になった。

 NYダウは300ドルあまり上昇する場面もあった。市場予想を上回る決算を発表したキャタピラーが大幅高となり、同指数を支えていた。エヌビディアは一時5%を超す上昇となり、時価総額が世界で初めて5兆ドル台に乗せる場面もみられている。

 S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、メディア、資本財が上昇した半面、商業サービス・用品、耐久消費財・アパレル、食品・飲料・タバコが下落。NYダウ構成銘柄では、キャタピラーやエヌビディアのほか、ベライゾン・コミュニケーションズ、シェブロン、アマゾン・ドット・コムが買われた。一方で、ボーイング、ユナイテッドヘルス・グループ、ナイキ、コカ・コーラが軟調。

 シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比230円安の5万1100円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比40円高の5万1370円で始まった。直後につけた5万1550円を高値に軟化し、米国市場の取引開始後は5万1130円~5万1270円辺りで保ち合いを継続。パウエルFRB議長の会見を受けて下へのバイアスが強まり、5万0810円まで売られる場面もみられた。終盤にかけてショートカバーが入る形で下げ幅を縮め、5万1040円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まりそうだ。前日に22%を超える上昇で日経平均型を牽引したアドバンテスト<6857>[東証P]は、米預託証券(ADR)で2%あまり下落しているため、利益確定に伴うロングの解消が入りやすいだろう。

 ただし、エヌビディアが買われているほか、フィラデルフィア半導体(SOX)指数は連日で史上最高値を更新している。アドバンテストの調整が限定的なものにとどまれば、再び半導体や人工知能(AI)関連株に資金が集中し、日経平均株価を牽引することが期待される。

 日経225先物は利食いに伴うロング解消が入りつつも、5万1000円を固める動きが意識されやすく、同水準を下回る局面では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。ボリンジャーバンドの+2σは5万1840円まで切り上がってきており、オプション権利行使価格の5万0875円から5万1875円のレンジを想定する。週足の+2σが5万0830円に位置しているため、支持線として意識されそうだ。

 昨夕決算を発表したディスコ<6146>[東証P]はADRで2%ほど下落したが、寄与度は大きくないため指数インパクトは限られる。明日は東京エレクトロン<8035>[東証P]の決算が予定されており、利益確定の動きが強まるようだと短期的なショートを誘う可能性があるだろう。

 29日の米VIX指数は16.92(28日は16.42)に上昇した。75日移動平均線(16.46)を突破し、一時17.58と25日線(17.84)に接近する場面もみられた。ただし、ボトム圏からの自律反発の範囲であり、神経質にさせる水準ではないとみられる。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で15.66倍に上昇した。+2σ(15.54倍)を明確に上抜け、15.69倍まで切り上がる場面もあった。+3σ(15.88倍)に接近してきたことで、いったんはNTロングの巻き戻しが意識されやすいところではある。ただし、アドバンテストに底堅さがみられるようだと、NTロングに振れやすい状況が続きそうだ。

株探ニュース

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