株価指数先物【寄り前】 日米首脳会談がポジティブ視される可能性

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先物

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 50520 -70 (-0.13%)
TOPIX先物 3325.0 -6.5 (-0.19%)
シカゴ日経平均先物 50485 -105
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 27日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。ベッセント米財務長官が、中国はレアアース輸出規制の実施を1年間延期するとの見方を示し、米国は中国への100%関税を見送る考えを述べたことで、貿易問題を巡る米中対立の緩和期待を背景に買いが広がった。また、ベッセント氏が30日に予定する米中首脳会談に向け、枠組みは上手くいったと語ったと伝えられたことも安心感につながった。そのほか、米連邦準備理事会(FRB)は28~29日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを決めるとの観測も相場を支えた。

 S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディアが上昇した一方で、商業サービス・用品、食品・生活必需品小売、家庭・パーソナル用品の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、エヌビディア、アップル、IBM、マイクロソフトが買われた。半面、ウォルマート、ナイキ、ハネウェル・インターナショナル、プロクター・アンド・ギャンブルが軟調。

 シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比105円安の5万0485円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比40円高の5万0630円で始まった。直後につけた5万0680円を高値に利食いに伴うロング解消の流れとなり、米国市場の取引開始後には5万0380円まで売られる場面もみられた。ただし、押し目待ち狙いのロングにより底堅さがみられ、その後は5万0400円~5万0500円辺りでの保ち合いが続き、5万0520円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになりそうだ。もっとも、前日に1270円の大幅高で5万円の大台に乗せ、節目の5万0500円を突破したことで、利食いが入りやすいところであろう。ナイトセッションでも高値圏での保ち合いが続いているため、積極的なショートは仕掛けにくくさせそうだ。

 きょう高市首相とトランプ米大統領による首脳会談が行われる。トランプ大統領との良好な関係構築が、株式市場でポジティブ視されることが期待されよう。会談後の報道を受けてロングが強まる可能性がある半面、いったん材料出尽くしの見方から短期的なショートが入りやすくなりそうだが、調整をみせてくる局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

 日経225先物は上向きで推移するボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジで推移をみせている。前日の大幅高で+2σ(5万0740円)に接近する動きをみせてきたが、同バンドはナイトセッションで5万1060円(+1σは4万9220円)まで切り上がってきた。そのため、5万0500円での底固めを見極めつつ、オプション権利行使価格の5万円から5万1000円のレンジを想定する。

 週足の+2σは5万0630円に位置しており、同水準で強弱感が対立する可能性はありそうだ。前日の大幅高による反動が意識されるようだと、5万0500円を挟んだ5万0375円から5万0625円辺りで保ち合いが続く可能性も想定しておきたい。

 また、きょうの取引終了後には指数インパクトの大きいアドバンテスト<6857>[東証P]の決算を控えている。発表を前に利食いが強まる局面では、今週末に決算を控える東京エレクトロン<8035>[東証P]などへの売りに向かわせることも考えられ、先物市場では短期的にショートを誘うことになりそうだ。

 27日の米VIX指数は15.79(24日は16.37)に低下した。16.00を割り込むのは9月26日以来、約1カ月ぶりとなる。米中首脳会談を控えて楽観視はできないが、ボトム水準まで低下してきたことで、リスク選好に傾きやすいだろう。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で15.18倍に上昇した。一時15.09倍をつける場面もみられたが、+1σ(15.07倍)が支持線として機能している。その後は15.20倍まで上昇する動きもあり、21日につけた15.25倍のほか、+2σ(15.37倍)辺りが射程に入る。アドバンテストの動向次第の面はあるが、方向性としてはNTロングに振れやすい需給状況である。

株探ニュース

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