前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

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材料

■アステリア <3853>  1,644円 (+300円、+22.3%) ストップ高

 東証プライムの上昇率2位。アステリア <3853> [東証P]がストップ高。フィンテックベンチャーのJPYC(東京都千代田区)が24日、国内初となる円建てステーブルコインの発行を27日から開始すると発表した。これを受け、JPYCに出資するアステリアに思惑的な物色が集中した。同じく出資する電算システムホールディングス <4072> [東証P]、ユナイテッド <2497> [東証G]なども高かった。このほか、ステーブルコイン関連に位置づけられる銘柄に幅広く買いが向かい、Speee <4499> [東証S]やインタートレード <3747> [東証S]が急伸した。金価格に連動した暗号資産を手掛けるunbanked <8746> [東証S]も上昇した。

■内海造 <7018>  16,880円 (+3,000円、+21.6%) ストップ高

 内海造船 <7018> [東証S]がストップ高。26日には複数のメディアで、日米が造船能力の強化で協力する覚書を結ぶ方向にあることが報じられており、関連銘柄に思惑的な買いが入ったようだ。造船は日米関税交渉の合意に基づく対米投資に盛り込まれた協力分野の一つであり、設計の共通化や造船所の建設や整備への投資などで連携することが盛り込まれるもよう。両社のほか、三井E&S <7003> [東証P]やジャパンエンジンコーポレーション <6016> [東証S]、寺崎電気産業 <6637> なども買われた。

■ジェネパ <3195>  492円 (+80円、+19.4%) ストップ高

 ジェネレーションパス <3195> [東証G]がストップ高。27日午後3時ごろ、伊藤忠商事 <8001> [東証P]とアパレル向け機能性繊維の共同開発及び共同販売のための基本合意書を締結したと発表しており、これを好感した買いが株価を押し上げた。ジェネパグループの持つPCM(相変化材料)リヨセル繊維や窒化ホウ素技術をもとに、アパレル製品向けの接触冷感・持続冷感機能を有する新素材を開発・商品化する。伊藤忠が有する国内外の幅広いアパレル流通網・ブランドネットワークと、ジェネパの素材技術・開発力を組み合わせることで、素材開発企業から市場創出型メーカーへの進化を加速させるのが狙いで、26年春夏シーズンでの一部製品化及び27年春夏シーズンでの全面展開を目標としている。

■Tホライゾン <6629>  513円 (+80円、+18.5%) ストップ高

 テクノホライゾン <6629> [東証S]がストップ高。前週末24日取引終了後、4-9月期連結決算を発表した。売上高は228億7100万円(前年同期比2.7%減)、最終損益は4億5700万円の黒字(前年同期2億7600万円の赤字)に浮上して着地した。ロボティクス事業の減少が売上高に影響した一方、損益面では粗利益率の改善や販管費の削減が奏功した。最終損益は通期計画(4億5000万円の黒字)を上回った。

■日ギア <6356>  880円 (+136円、+18.3%)

 日本ギア工業 <6356> [東証S]が急反騰。9月16日につけた年初来高値800円は寄り付き時点で上回り、時価は2015年1月以来約10年9ヵ月ぶりの高値ゾーンに浮上した。バルブアクチュエーターなどの歯車装置事業を手掛けており、圧倒的商品シェアを誇る原子力発電関連の一角としてテーマ物色の対象となっている。そうしたなか、東京電力ホールディングス <9501> [東証P]の柏崎刈羽原発の再稼働に関する思惑は同社株にも大きな影響を与える材料となっている。一方、防衛省向けでは直接的な取引こそないものの、同社の手掛ける駆動機器関連の技術は、大手企業を経由して艦艇向けで需要を獲得している点も注目。トランプ米大統領の来日と日米首脳会談を目前に 防衛関連株としての側面も投資マネーを誘引する手掛かりとなったようだ。なお、同社は今週末31日に26年3月期上期(25年4-9月)決算発表を控えており、この内容にもマーケットの視線が集まる。

■東洋エンジ <6330>  2,937円 (+392円、+15.4%)

 東証プライムの上昇率5位。東洋エンジニアリング <6330> [東証P]が急反騰。27日朝の日本経済新聞電子版で「海洋研究開発機構(JAMSTEC)などによる南鳥島沖での レアアース(希土類)の試験掘削が2026年1月に始まる」と報じられたことを受けて、JAMSTECの委託を受けて海底6000メートルからレアアース泥を回収するシステムの技術開発に携わった同社が関連銘柄として物色されたようだ。

■PLANT <7646>  1,889円 (+229円、+13.8%)

 PLANT <7646> [東証S]が6日続急騰。同社は北陸を地盤に大型ディスカウント店を展開しているが、顧客ニーズを捉え足もとの業績は好調に推移している。前週末24日取引終了後、26年9月期の業績予想を発表したが、営業利益は前期比10%増の22億円を予想、16年9月期以来10期ぶりの利益水準に回復する見通しとなった。価値あるプライベート(PB)商品の投入で利益率を改善させ収益に反映させるほか、セルフレジの全店導入完了に伴い人的負担を軽減し、コスト削減への取り組みも万全だ。更に株主還元にも積極的。今期年間配当は前期実績比20円の増配となる95円を計画、配当利回りは前週末終値換算で5.7%と高水準が際立った。これらを好感する投資資金の攻勢を誘った。

■ソリトン <3040>  1,871円 (+209円、+12.6%)

 東証プライムの上昇率6位。ソリトンシステムズ <3040> [東証P]が続急騰。引き続き高市政権に関連したサイバーセキュリティー関連として物色されていたことに加えて、27日はウクライナで遠隔施工を実証したと発表しており、これを材料視した買いが入った。国土交通省が主導する「日ウクライナ・国土交通インフラ復興に関する官民協議会」(JUPITeR)の取り組みの一環として行われたもので、現地の複数のLTE回線を束ねることで、安定した映像伝送及び制御信号のリアルタイム通信を実現。KPI構内に設置されたコントロールセンターから、約25キロメートル離れたキーウ市内のデモ現場に配置された建設機械を遠隔操縦する実証デモンストレーションを実施した。建機にはソリトンの短遅延映像伝送装置「Zao」シリーズとアクチュエータ・ロボットを取り付け、既存の機械を改造することなく遠隔操縦を可能にした。

■ヒガシHD <9029>  1,954円 (+182円、+10.3%)

 ヒガシホールディングス <9029> [東証S]が6日続急騰。24日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を上方修正した。売上高予想を従来予想の510億円から540億円(前期比12.2%増)、営業利益予想を29億5600万円から32億5600万円(同18.8%増)、最終利益予想を20億円から21億7600万円(同20.5%増)に引き上げた。あわせて期末一括配当予想はこれまでの予想から4円増額の50円(前期は42円)にすると開示しており、堅調な業況と株主還元姿勢を好感した買いが流入した。9月中間期は大手EC向け大型3PLセンターである川西ロジスティクスセンター(LC)をはじめ、各LCの事業が順調に拡大し計画を上回った。事務所移転を支援するオフィスサービス事業における想定外の大型案件の受注やNEXT GIGAスクール構想に伴うPCキッティング業務の受託増加、ビルデリバリー事業での災害対策品販売のスポット受注なども業績に貢献。売上高は267億9900万円(前年同期比21.9%増)、営業利益は18億5800万円(同68.3%増)、最終利益は12億2300万円(同77.5%増)になった。なお、通期予想には下期の流山LC増床部分の稼働開始に向けた初期費用や幅広い事業での業容拡大に向けた人材や車両、設備などへの投資も織り込んでいる。

■ミロク <7983>  1,442円 (+133円、+10.2%)

 ミロク <7983> [東証S]が急反騰。全国各地でクマによる被害が発生。26日までに今年度のクマによる死者数が10人に上り、23年度の6人を超えて過去最多を更新し続けていることを受けて、猟銃国内トップの同社に思惑的な買いが向かったようだ。

■エレメンツ <5246>  809円 (+74円、+10.1%)

 ELEMENTS <5246> [東証G]が続急騰。27日、JPYC(東京都千代田区)が提供する国内初となる日本円連動ステーブルコイン「JPYC」の発行・償還サービス「JPYC EX」に、エレメンツの子会社Liquidがオンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」のICおまかせパックによる公的個人認証(JPKI)を提供すると発表しており、材料視した買いを引き寄せた。LIQUID eKYCにより、ユーザーはマイナンバーカードなどのICチップをスマートフォンで読み取ることで、本人確認や取引時確認ができる。ICおまかせパックはユーザーの端末環境に応じ利用可能なチャネルを自動で判定し、手続き離脱率が最も低い方法へ誘導するサービス。

■ウェルス <3772>  1,139円 (+96円、+9.2%)

 ウェルス・マネジメント <3772> [東証S]が急伸。前週末24日の取引終了後、第一生命ホールディングス <8750> [東証P]と資本・業務提携すると発表しており、好材料視された。第一生命HDはウェルスの筆頭株主であるサムティ(大阪市淀川区)の持ち分(議決権ベースで28.47%)全てを12月をメドに市場外で取得し、ウェルスをその他関係会社化する。両社のリソースを活用したホテル開発・アセットマネジメント・ホテル運営事業での協業や、ウェルスグループのケイパビリティを活用した第一生命HDにおけるホテル投資・開発事業での協業を行う予定。なお、ウェルスの業績に与える影響は当面軽微であるとしている。

■SEHI <9478>  402円 (+33円、+8.9%)

 SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ <9478> [東証S]が続急伸。前週末24日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を45万株(自己株式を除く発行済み株数の2.83%)、または1億5000万円としており、取得期間は10月27日から11月28日まで。経済情勢の変化に対応した機動的な経営を遂行できるようにすることが目的としている。また、保有する投資用不動産を売却するのに伴い、26年3月期第3四半期に固定資産売却益約1億2400万円を特別利益として計上すると発表した。なお、通期業績予想には織り込み済みとしている。

※27日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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