雨宮京子氏【日経平均5万円台突入、ここからの個別株戦略】 <相場観特集>
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―年末までに更なる上昇が視野、次なる高市銘柄を探す― 日経平均株価の上昇が止まらない。週明け27日の取引ではハイテク主力銘柄をはじめ広範囲に物色され、フシ目の5万円大台ラインを突破した。目先的には急ピッチの上昇で利益確定売り圧力も拭えず、またそうした動きを見込んだ仕掛け的な空売りも入りやすいところだが、反動安を警戒する思惑を弾き飛ばし最高値圏をまい進している。また、足もとは全面高様相でも、今後は徐々に選別色が強まってくることが予想される。ここからの全体相場の上値メド及び個別株投資の勘所について、雨宮総研代表で個人投資家からも人気がある雨宮京子氏に話を聞いた。 ●「理外の理で上昇続き5万3000円台にらむ」 雨宮京子氏(雨宮総研 代表) 日経平均は遂に5万円台に突入したが、やや過熱感はあるものの中期上昇トレンドに変化はない。足もとでは高市トレードの効果もあって全体相場はリスクオンが加速している。自民党内における疑似政権交代理論で表現すれば、高市早苗内閣は本格的な政権交代であり、政策大転換といってもよさそうだ。岸田首相、石破首相と続いた分配主軸から成長主軸に変化したことで、民主党政権から安倍政権に移行した際と同じような相場展開が期待できる。外国為替相場はドル高・円安基調が基本となり、これも株式市場には追い風となりやすい。ドル・円相場は、156円前後のドル高・円安を上限に、テクニカル的にはボリンジャーの+3σ(シグマ)までのドル上昇を意識する展開か。 各論としては防衛費増強、対米80兆円投資がテーマ性を発揮することになる。日経平均は昨年12月から4月7日まで下押した幅と同水準の返しで5万1000円前後が最初の関門だが、その後も適度な調整を挟みながら水準を切り上げていく展開が想定される。積極財政に加えて、金融緩和でアベノミクス2.0とも言えるサナエノミクスは流動性相場の色彩が色濃く、理屈だけでは説明しにくい理外の理相場を形成するケースも考えられる。年末までに5万3000円前後まで噴き上げる場面があっても不思議はない。 個別株物色については、総花的な上昇が一巡すれば当然ながら選別色は強まることになる。まず、防衛関連の大本命である三菱重工業 <7011> [東証P]は指標株としてもマークが怠れない。また、IoT関連の雄で防衛及び原発関連として存在感を示す日立製作所 <6501> [東証P]も外せない銘柄であり、業績も絶好調で注目したい。このほか、ペロブスカイト太陽電池関連の本命として積水化学工業 <4204> [東証P]はロングランの株価上昇が期待できる。他方、AI・半導体関連の代表格であるアドバンテスト <6857> [東証P]は1万6000円を下限とするボックス圏もみ合いから上放れ、再び最高値圏を走る展開が見込めそうだ。 中小型株では、まず日本維新の会との連立政権樹立を受けて大阪関連株にも波状的な買いが想定される。そのなか、副首都構想にも絡むフジ住宅 <8860> [東証P]が割安で水準訂正余地に富んでいる。また、サイバーセキュリティー関連ではM&Aによる収益押し上げ効果も念頭に置きNo.1 <3562> [東証S]に着目。このほか、海底ケーブルの新規案件が増加中で、低軌道衛星通信関連の穴株でもある湖北工業 <6524> [東証S]も上場来高値圏で更なる見せ場が訪れそうだ。 (聞き手・中村潤一) <プロフィール>(あめみや・きょうこ) 雨宮総研 代表。元カリスマ証券レディとして、日興証券時代は全国トップの営業実績を持つ。ラジオ短波(現ラジオNIKKEI)、長野FM放送アナウンサー、『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)記者、日経CNBCキャスター、テレビ東京マーケットレポーター、ストックボイスキャスター、SBI証券投資情報部などを経て、日経CNBC解説者に。 株探ニュース
