話題株ピックアップ【昼刊】:KOA、キオクシア、日本M&A

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■KOA <6999>  1,531円   +300 円 (+24.4%) ストップ高   11:30現在  東証プライム 上昇率トップ
 KOA<6999>はストップ高。23日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を672億円から694億円(前期比8.2%増)へ、営業利益を17億円から29億8000万円(同2.5倍)へ上方修正すると発表した。円安の影響をはじめ、日本の産業機器向け需要の増加やアジアを中心としたAI関連機器向けの伸長が要因。あわせて配当方針の変更を発表。1株当たり年間配当金の下限値を年間30円とし、連結配当性向30%前後を目安とする方針を示した。更に、2027年度(28年3月期)を最終年度とする中期経営計画を明らかにし、最終年度に売上高800億円、営業利益74億円とする目標を掲げた。これらが好感され買いを呼び込んでいる。

■キオクシア <285A>  8,640円   +1,270 円 (+17.2%)  11:30現在  東証プライム 上昇率2位
 キオクシアホールディングス<285A>が商いを膨らませ急騰を演じ、市場関係者の視線を浴びている。半導体メモリーの専業メーカーでNAND型フラッシュメモリーを主力製品としているが、最近はNANDメモリー市況が急速な盛り上がりをみせており、同社の収益環境を取りまく風向きは一変している。米国を中心にAIデータセンターが世界的な建設ラッシュとなるなか、データセンター向けに高速伝送が可能なSSD(データを記憶するストレージデバイス)の需要が増勢一途にあり、つれてNANDメモリーを供給する企業の商機が高まっている。また、市場では「今月に入って米オープンAIが韓国のサムスン電子やSKハイニックスから、AI向けのデータセンターに使うDRAMを調達することを開示している。NAND型の世界シェアでこの2社に続くのがキオクシアであり、同社には海外機関投資家の視線が集まりやすくなっている」(中堅証券ストラテジスト)という見方も示されている。

■日本M&A <2127>  800.1円   +94.5 円 (+13.4%)  11:30現在  東証プライム 上昇率4位
 日本M&Aセンターホールディングス<2127>が急反騰している。23日の取引終了後、集計中の9月中間期連結業績について、売上高が従来予想の201億円から225億円(前年同期比21.0%増)へ、営業利益が68億円から83億円(同40.1%増)へ、純利益が40億円から50億円(同33.7%増)へそれぞれ上振れて着地したようだと発表したことが好感されている。成約件数が488件(前年同期比7.5%増)、1件当たりM&A売上高が4460万円(前年同期比12.6%増)に上昇しており、商談開始時から成約に至るまでの一連の案件工程管理の徹底やミッドキャップ企業(売上高10億円以上または利益5000万円以上の企業)向けの施策が奏功したとしている。

■技術承継機構 <319A>  9,530円   +870 円 (+10.1%)  11:30現在
 技術承継機構<319A>が反発している。同社は23日取引終了後、子会社を通じてフォークリフトの中古販売などを行うアドバンス(大阪市西淀川区)の全株式を取得したと発表。これによるシナジーなどが期待されているようだ。同社は技術を持つ企業複数社が一緒になることで、強固な企業グループの構築を目指しており、今回の買収はその一環。グループに参画するアドバンスを含む譲受先の経営支援を引き続き推進するとともに、更なる譲受機会の検討を進めるとしている。

■イビデン <4062>  10,435円   +770 円 (+8.0%)  11:30現在  東証プライム 上昇率7位
 イビデン<4062>が急反発している。半導体向けのパッケージ基板を手掛ける同社は長年、米インテルとの取引関係を構築。株式市場ではインテル関連株と位置付けられている。そのインテルが23日に発表した25年7~9月期(第3四半期)の決算は、売上高と1株利益が市場予想を上回る結果となり、第4四半期について強気な見通しを示したことも相まって、同日の時間外取引でインテル株は急騰。イビデン株への刺激材料となったようだ。

■太平洋工業 <7250>  2,947円   +193 円 (+7.0%)  11:30現在  東証プライム 上昇率10位
 太平洋工業<7250>が急伸し、上場来高値を更新した。同社は23日の取引終了後、MBO(経営陣が参加する買収)の一環で実施しているTOB(株式公開買い付け)に関し、買付価格を1株2919円(従来は2050円)に引き上げると発表した。株価は新たなTOB価格にサヤ寄せする動きとなっている。あわせてTOBの期限についてこれまでの10月23日から11月7日まで延長すると公表した。同社を巡ってはMBOの発表後に、旧村上ファンド関係者が設立したシンガポール拠点の投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントによる株式取得が明らかとなり、直近では12.49%まで保有割合が上昇。

■アドバンテスト <6857>  17,090円   +625 円 (+3.8%)  11:30現在
 アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置関連が軒並み上昇。前日の米国株市場ではエヌビディアをはじめ半導体関連株が高く、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は大幅高で3日ぶりに反発した。これを受けて、東京市場でも目先調整していた半導体セクターに資金が還流している。また、米株市場の前日取引終了後にインテルが7~9月期決算発表を行い、最終損益が7四半期ぶりに黒字転換したほか、EPSも事前コンセンサスを上回った。これを受けて同社株は時間外で大きく買われていることも、東京市場の半導体セクターに追い風となっている。

■コーテクHD <3635>  2,125.5円   +71.5 円 (+3.5%)  11:30現在
 コーエーテクモホールディングス<3635>が急動意、マドを開けて買われ、前日に下回った5日移動平均線を再び上に抜けてきた。ゲームソフト開発を手掛けており、「無双」シリーズなど歴史題材のソフトで他社と一線を画しユーザーのニーズを取り込んでいる。足もとの業績は既存タイトルが好調なほか、経費削減努力などが利益押し上げに寄与している。23日取引終了後、同社は26年3月期上期(25年4~9月)業績予想の修正を発表、営業利益段階で従来予想の50億円から78億円(前年同期比27%減)に大幅増額修正しており、これを好感する買いを引き寄せている。

■三重交HD <3232>  560円   +17 円 (+3.1%)  11:30現在
 三重交通グループホールディングス<3232>は6日続伸している。23日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高予想を従来予想の1070億円から1090億円(前期比5.0%増)、営業利益予想を87億円から91億円(同8.1%増)、最終利益予想を59億円から61億円(同0.7%増)に引き上げた。最終利益は減益予想から一転して増益予想となっており、好感した買いが入っている。貸切バス事業やビジネスホテル事業が堅調で、第2四半期累計(4~9月)の業績は従来予想を上回って着地した。自動車販売事業での需要拡大もあって、人件費や物価上昇による影響を補う形で収益が上振れする。

■タムロン <7740>  1,111円   +30 円 (+2.8%)  11:30現在
 タムロン<7740>が大幅高で3日続伸している。23日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、旧村上ファンド関係者が運営する投資会社エフィッシモ キャピタル マネージメントの保有割合が12.04%から13.06%に上昇したことが判明。これを受けて思惑的な買いが入っているようだ。保有目的は純投資、ただし2230万3500株については投資一任契約に基づく顧客資産運用のためとしており、報告義務発生日は10月16日となっている。

■たけびし <7510>  2,082円   +36 円 (+1.8%)  11:30現在
 たけびし<7510>が3日続伸し年初来高値を更新している。23日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想について、売上高を1020億円から1040億円(前期比3.0%増)へ、営業利益を35億8000万円から37億円(同8.0%増)へ、純利益を24億円から26億8000万円(同0.8%増)へ上方修正したことが好感されている。上期において、成長戦略の一つである医療ビジネスが堅調に推移したことに加え、半導体・デバイス分野で電子部品実装機向け産業用パソコンなどが増加したことが要因としている。

■マクセル <6810>  2,217円   +30 円 (+1.4%)  11:30現在
 マクセル<6810>が続伸している。23日の取引終了後、最大150度の高温下で充放電が可能なセラミックパッケージ型全固体電池「PSB401010T」を開発し、11月上旬から順次サンプル出荷を開始すると発表したことが好感されている。「PSB401010T」は、現在量産中の「PSB401010H」に、24年に発表した「全固体電池の作動上限温度を150度に引き上げる技術」を搭載し、耐えられる温度を25度上げたもの。高温で滅菌する工程を有する機器などに「PSB401010T」を用いることで、従来の電池を使用する場合に比べて、機器の使用可能時間が延びることが期待できるとしている。

■しまむら <8227>  9,640円   +102 円 (+1.1%)  11:30現在
 しまむら<8227>が続伸している。23日の取引終了後に発表した10月度(9月21日~10月20日)の月次売上速報で、主力のしまむら業態の既存店売上高が前年同月比2.2%増と7カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。月度前半で厳しい残暑が続いたものの、婦人アウター衣料やインナー商品、服飾雑貨商品が売り上げを伸ばした。婦人アウター衣料では、シャツ・カーディガンなどの羽織物が好調。インナー商品では、「CLOSSHI」の「ヘビロテ」インナーが好調に推移した。また、服飾雑貨商品では、キャラクター雑貨が継続して売れ筋となった。なお、しまむら業態の全店売上高は同1.9%増だった。

■マブチモーター <6592>  2,608.5円   +15.5 円 (+0.6%)  11:30現在
 マブチモーター<6592>が反発している。23日の取引終了後、精密小型モーターやモーションコントロール製品の製造販売を行う日本パルスモーター(東京都文京区)の全株式を26年1月上旬をメドに取得し子会社化すると発表しており、好材料視されている。今回の子会社化により、日本パルスモーターの強みであるモーターと制御系システムを組み合わせたモーションコントロールに関する高度な技術力と、医療分野及び産業機器分野での豊富な知見と対応力を活用することで、3つのM領域(モビリティ、マシーナリー、メディカル)での事業領域拡大に寄与すると期待している。取得価額の総額は66億円となる予定。なお、同件による25年12月期業績へ与える影響は軽微としている。

■ニデック <6594>  2,390円   -160.5 円 (-6.3%)  11:30現在  東証プライム 下落率トップ
 ニデック<6594>が続急落。23日の取引終了後、26年3月期の業績予想を取り下げると発表した。これまで20円と予想していた中間配当は無配とし、期末配当予想は未定に修正。5月に発表した自社株買いに関しては中止する。一連の発表を嫌気した売りが優勢となっている。グループでの不適切な会計処理の疑いが発覚し社内調査を進めるなか、現時点の第三者委員会の調査状況などを踏まえ、業績予想を取り下げた。自社株の取得期間は当初は来年5月27日までとしていた。取得期間の開始日となる今年5月28日から10月23日までの間、ニデックは自社株買いを実施しなかった。

■アウンコンサルティング <2459>  324円   +80 円 (+32.8%) ストップ高   11:30現在
 アウンコンサルティング<2459>が続騰し、300円台に乗せた。23日の取引終了後、AI Hack(東京都港区)と業務提携し、「AIOコンサルティング」サービスの内容をアップデートし、共同で提供すると発表。これを手掛かりとした買いが集まったようだ。同サービスではAI検索での言及・引用状況の分析やウェブサイト上に不足するコンテンツの特定及び制作支援、AIに引用されやすいコンテンツ構造の提案などに取り組む。今回の提携により、アウンのSEO支援のノウハウとAI Hackが持つ生成AI領域における分析技術を組み合わせ、AIが参照する情報の分析内容や施策方針をより明確にできるようになった。今後はグローバル市場を視野に入れ、多言語でのAIO分析や各国の生成AIモデルに対応した評価基準の整備を予定している。

■東京機械製作所 <6335>  563円   +80 円 (+16.6%) ストップ高買い気配   11:30現在
 東京機械製作所<6335>がストップ高カイ気配。新聞向け輪転機の製造を主力とするが、高い技術力を横軸展開させFA分野にも領域を広げている。また、人工知能(AI)を活用した印刷の自動制御など最適化技術への取り組みにも余念がない。最近では、9月上旬に防衛省向けの搬送・格納に関する自動化・省人化装置を受注したことを発表、新境地開拓でマーケットの耳目を驚かせた。これを皮切りに今後は防衛分野向けの需要獲得にも期待がかかる。きょう午後に高市早苗首相が所信表明演説を行う予定だが、日本の防衛力強化に積極的な姿勢を示すことが予想され、2026年中に安保関連3文書の改定を目指す方針などにも言及する見通し。来週28日はトランプ米大統領との日米首脳会談を控え、防衛関連株に対するテーマ物色の流れが強まるなか、個人投資家好みの値ごろ感と小型材料株特有の魅力を内包する同社株に資金が集中する格好となったようだ。

●ストップ高銘柄
 テクニスコ <2962>  453円   +80 円 (+21.5%) ストップ高   11:30現在
 エブレン <6599>  3,425円   +500 円 (+17.1%) ストップ高   11:30現在
 第一稀元素化学工業 <4082>  1,094円   +150 円 (+15.9%) ストップ高買い気配   11:30現在
 など、8銘柄

●ストップ安銘柄
 インフォメティス <281A>  728円   -300 円 (-29.2%) ストップ安   11:30現在
 以上、1銘柄

株探ニュース

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