株価指数先物【寄り前】 ショートを仕掛けてくる動きが活発化しやすい

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先物

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 48830 -480 (-0.97%)
TOPIX先物 3249.5 -15.0 (-0.45%)
シカゴ日経平均先物 48820 -490
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 22日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米政権が中国のレアアース輸出規制への対抗措置として、米国製ソフトウエアを搭載した製品の対中輸出規制を検討しているとの一部報道が嫌気され、ハイテク株を中心に売りが広がった。決算発表が本格化するなか、前日の取引終了後に予想を下回る決算を発表したネットフリックスの下落率が10%を超えたことも、投資家心理の重荷になった。

 S&P500業種別指数はヘルスケア機器・サービス、エネルギー、食品・生活必需品小売が上昇した一方で、資本財、電気通信サービス、小売の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、IBM、シェブロン、ナイキ、ウォルマートが買われた。半面、セールスフォース、キャタピラー、ゴールドマン・サックス・グループ、アマゾン・ドット・コムが軟調。

 シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比490円安の4万8820円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比10円安の4万9300円で始まった。直後につけた4万9310円を高値にショート優勢となり、4万8900円~4万9150円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下抜けると、4万8440円まで売られる場面もみられた。終盤にかけてショートカバーが入り下げ幅を縮めたが4万9000円を回復できず、4万8830円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。ナイトセッションでは4万8440円まで売られる場面もみられ、ボリンジャーバンドの+1σ(4万8440円)水準まで下げてきた。短期的な過熱感が和らいだほか、上向きで推移する+1σと+2σ(5万0120円)とのレンジ内での推移を継続するなかで、押し目狙いのロングが入りやすいところであろう。

 ただし、米国市場では貿易問題を巡る米中対立への警戒が再び高まっており、ハイテク株を中心に売られたことで、前日に下げが目立っていたソフトバンクグループ<9984>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷になりそうだ。また、トランプ米大統領は、ロシアのプーチン大統領との会談を中止し、対ロシア制裁の時期が来たとの見解を示したと報じられており、地政学リスクの高まりも警戒されそうである。

 スキャルピング中心のトレードが想定され、ショートを仕掛けてくる動きが活発化しやすいだろう。+1σ割れを狙った動きにより、25日移動平均線(4万6750円)とのレンジに移行する可能性を意識しておく必要はありそうだ。

 もっとも、足もとでは半導体や人工知能(AI)関連株への利食いに対して、出遅れ感のあるバリュー株への資金シフトがみられている。高市政権の経済対策への期待からTOPIX型へのリバランスの動きが意識されやすい。下へのバイアスが強まる局面では、その後のショートカバー狙いのスタンスになろう。そのため、オプション権利行使価格の4万8375円から4万9375円辺りのレンジを想定する。

 22日の米VIX指数は18.60(21日は17.87)に上昇した。25日移動平均線(17.73)が支持線として機能する形で反発しており、一時21.01まで上げて200日線(19.33)を上抜く場面もみられた。米中貿易摩擦への警戒から市場心理を神経質にさせるだろうが、20.00を下回って終えていることもあり、リスク回避姿勢はそれほど強まらないだろう。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で15.10倍に低下した。ソフトバンクグループが売られるなかで、NTショートに振れる形となり、一時15.00倍まで下げた。ただ、+1σ(14.99倍)水準が支持線として機能し、その後はリバランスの動きにより下げ幅を縮めていた。本日は米ハイテク株安を受けて、NTショートに振れやすくなりそうである。

株探ニュース

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