株価指数先物【寄り前】 目先の達成感からショートが入りやすい
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大阪12月限ナイトセッション 日経225先物 49380 +230 (+0.46%) TOPIX先物 3257.0 +10.0 (+0.30%) シカゴ日経平均先物 49365 +215 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 21日の米国市場はNYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。予想を上回る決算を発表したスリーエムやコカ・コーラ が買われ、NYダウを押し上げる形になった。ただ、トランプ米大統領が予定されている中国の習近平国家主席との首脳会談は、実現しないかもしれないと言及したことが重荷になった。 S&P500業種別指数は小売、耐久消費財・アパレル、消費者サービスが上昇した半面、銀行、公益事業、半導体・同製造装置の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、スリーエムやコカ・コーラのほか、セールスフォース 、アマゾン・ドット・コム 、シャーウィン・ウィリアムズ が買われた。一方で、JPモルガン・チェース 、キャタピラー 、ベライゾン・コミュニケーションズ 、ジョンソン・エンド・ジョンソン が軟調。 シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比215円高の4万9365円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比50円高の4万9200円で始まった。直後に軟化し、4万9130円まで売られる場面もみられた。ただし、その後はロング優勢となり、一時4万9590円まで上げ幅を広げている。米国市場の取引開始後には4万9210円まで上げ幅を縮める場面もみられたが、終盤にかけては4万9340円~4万9500円辺りで保ち合い、4万9380円でナイトセッションの取引を終えた。 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、買い先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションでは4万9000円を上回って推移しており、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうだ。高市首相は就任会見で、あらゆる政策を一歩でも二歩でも前進させると述べており、新政権に対する期待は大きいだろう。一方で、前日に5万円に乗せたことで、目先的な達成感が意識されそうだ。リバウンド局面では戻り待ち狙いのショートが入りやすくなったとみれる。 上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σ(4万9950円)に沿った形でトレンドを形成しており、4万9000円から5万円のレンジを想定する。ただし、戻り待ち狙いのショートが入りやすいことから、4万9000円から4万9500円辺りのレンジが意識されそうである。押し目狙いのロング対応としつつ、4万9500円辺りを固めてくると、4万9500円から5万円のレンジに移行するとみておきたい。 米国では決算発表が本格化してきたが、ネットフリックス やテキサス・インスツルメンツ は取引終了後に発表した決算が予想に届かず、時間外取引で大幅に下落して推移している。半導体や人工知能(AI)関連株にはバブル懸念がくすぶっていることもあり、ソフトバンクグループ<9984>[東証P]など、これまで日経平均株価をけん引してきた指数インパクトの大きい値がさ株には利食いが入りやすくなりそうだ。 高市首相誕生で高市トレードは、いったん利食いに向かわせたが、高市政権発足によってこれまでの高市トレードから「サナエノミクス2.0」にシフトすると考えられ、積極的にショートに傾けるポジションは避けたいところだろう。足もとの急伸で買い遅れているファンドも多いとみられ、押し目買いが入りやすいとみておきたい。 21日の米VIX指数は17.87(20日は18.23)に低下した。前日に支持線として意識されていた200日移動平均線(19.34)を割り込んだが、この日は一時17.40まで下げており、25日線(17.61)を下回る場面もみられていた。米中貿易摩擦への警戒はくすぶるものの、リスク選好に向かわせやすいだろう。 昨日のNT倍率は先物中心限月で15.13倍と横ばいだった。前場はソフトバンクグループが連日で最高値を更新したほか、アドバンテスト<6857>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引し、一時15.25倍まで上昇した。ただし、後場は高市トレードの利食いが強まったこともあり、NTロングを解消する動きが入ったようである。目先的にはNTショートに振れそうだ。 株探ニュース
