ドル円、152円台まで一時上昇 高市発言で伸び悩む場面も=NY為替概況
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ドル円、152円台まで一時上昇 高市発言で伸び悩む場面も=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は152円台まで一時上昇。高市新首相が誕生し、日本の政治的不確実性が解消されたことで円が売られ、ドル円の上昇を支援した。途中で151円台半ばに伸び悩む場面が見られた。高市首相の就任会見が深夜に行われ、反応していた模様。 首相は「日銀は政府と意思疎通を図っていくことが重要だ」との認識を明らかにした上で、「金融政策の手法については日銀に委ねられるべき」と述べたことに海外勢中心に敏感に反応した可能性。ただ、高市首相が以前から言及していた内容でもあり、まもなく戻している。 短期金融市場では日銀の利上げは今月は見送るとの見方がほぼ確実視されている一方、12月の年内最後の決定会合では65%程度の確率で利上げが見込まれている。 本日はドル高も優勢となっていたが、米中貿易摩擦の行方や、依然として出口が見えない米政府機関閉鎖、そして金曜日の米消費者物価指数(CPI)が期待通りにFRBの追加利下げを正当化するのかを確認したい面もあるようだ。 ユーロドルは戻り売りが強まり、1.16ドルを割り込む動きが見られていた。100日線を下放れる展開が見られており、目先は今月前半にサポートされた1.15ドル台半ばの水準をい試しに行くか注目される。一方、ユーロ円は円安の動きから買い戻しが膨らんでおり176円台を回復。21日線でサポートされた格好となっており、上向きの流れを継続している。 アナリストは、ユーロ圏の脆弱な成長構造と財政面の不安が当面ユーロの上昇を抑える要因になると指摘している。リスク選好が安定し、金利差がユーロ有利に動く状況が続けば、小幅な上昇余地はあるが、成長鈍化と財政負担への懸念が根強く、域内経済の底堅さが明確に示されるまでは持続的な上昇は難しいという。 中期的にはユーロに対してやや前向きな見方を維持しているものの、短期的には慎重姿勢を示している。 ポンドドルは1.3365ドル近辺に下落。本日の下げで21日線を下放れる展開が見られており、9月中旬からの調整の流れは続いていると言える。一方、ポンド円は買い戻しが膨らんでおり、203円台に上昇。21日線でサポートされた格好となっている。 ポンドについて市場は11月26日の秋季予算案に注目している。エコノミストは、好ましくない増税を導入すれば、英経済成長が悪化する可能性があると指摘。「税制調整が消費者と企業のセンチメントをさらに冷え込ませる大きなリスクがある」と述べている。「最新の英GDP統計によると、8月は0.1%と低調で、英国は低迷する成長と脆弱な財政状況に直面しており、リーブス財務相にとって課題となっている」と指摘している。 英中銀は先週発表の英雇用統計とGDPデータが経済の弱さを示唆したことで、来年2月にも利下げを再開する可能性が高いとの指摘が出ている。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美