株価指数先物【寄り前】 高市トレードから「サナエノミクス2.0」にギアを上げる

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先物

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 49610 +310 (+0.62%)
TOPIX先物 3265.0 +8.0 (+0.24%)
シカゴ日経平均先物 49670 +370
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 20日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米政府機関の一部閉鎖についてハセット国家経済会議(NEC)委員長が週内に終わる可能性を示唆し、閉鎖が今週終わらなければ強力な措置を講じると発言。米中貿易問題を巡る米中対立についてベッセント米財務長官は、今週にも中国の副首相と対面で協議することを明らかにした。米政府機関の一部閉鎖の解除が近いとの見方や米中貿易摩擦に対する過度な警戒感が後退した。また、アップルは「iPhone17」シリーズの販売が好調との報道を受けて買われ、上場来高値を更新したことも投資家心理を明るくさせた。

 S&P500業種別指数はテクノロジー・ハード・機器、銀行、自動車・同部品が上昇した一方で、保険、食品・生活必需品小売、食品・飲料・タバコの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄ではアップルのほか、セールスフォース、ユナイテッドヘルス・グループ、ボーイング、メルクが買われた。半面、ホーム・デポ、ウォルマート、エヌビディア、マクドナルドが小安い。

 シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比370円高の4万9670円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比40円高の4万9340円で始まった。直後に軟化し、4万9090円まで売られる場面もみられた。ただし、ほどなくしてプラス圏を回復するとロング優勢の動きが強まり、米国市場の取引開始後には4万9800円まで買われた。買い一巡後は4万9650円~4万9750円辺りで保ち合い、4万9610円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションでは一時4万9800円まで買われる場面もあり、5万円まであと200円に迫った。米国では米中貿易摩擦への懸念が後退し、米政府機関の一部閉鎖の解除が近いとの見方から主要な株価指数は上昇しており支援材料になろう。国内では昨夕、自民党と日本維新の会は新たな連立政権を樹立することで合意した。高市総裁はきょう行われる首相指名選挙で選出されることが確実な情勢になったことを踏まえ、組閣の調整を本格化させた。

 高市首相誕生で高市トレードは、いったん落ち着きをみせてくる可能性はありそうだが、オプション権利行使価格では、先週末の4万7500円水準から、5万円の大台が射程に入ってきたことで、レバレッジ型ETFのヘッジ対応に伴うリバランスの動きが意識されやすい。高市政権の発足によって、これまでの高市トレードから「サナエノミクス2.0」にシフトするとみられ、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうだ。

 日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(4万9740円)を捉えてきた。バンドは上向きで推移していることもあり、早々に5万円に切り上がってくることになりそうである。+2σ突破から+3σに接近する展開となれば過熱感からピーク形成が意識されるものの、+2σに沿ったトレンドでの5万円乗せとなれば過熱感は強まらず、通過点になりやすいと考えられる。5万円接近では戻り待ち狙いのショートも積み上がりやすいが、ショート戦略は控えておきたい。

  そのため、オプション権利行使価格の4万9000円から5万円のレンジを想定するが、4万9500円を下回る場面ではその後のカバーを狙ったロングで対応したい。+2σを突破し5万円を捉える局面では、瞬間的に上へのバイアスが強まる展開を意識しておく必要がありそうだ。なお、+3σは5万1400円まで切り上がってきている。

 20日の米VIX指数は18.23(17日は20.78)に低下した。支持線として意識されていた200日移動平均線(19.34)を割り込み、25日線(17.55)に接近してきた。5日ぶりに20.00を下回ってきたことで、リスク選好に向かわせやすいだろう。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で15.13倍に上昇した。東証プライムの9割超の銘柄が上昇したものの、ソフトバンクグループ<9984>[東証P]やファーストリテイリング<9983>[東証P]、アドバンテスト<6857>[東証P]、東京エレクトロン<8035>[東証P]などのインパクトが大きく、NTロングに振れやすい需給状況だった。本日もソフトバンクグループなどの動向を睨みながらの展開になりそうだが、昨日はメガバンクなど金融セクターの上昇が目立っていたこともあり、相対的に出遅れているTOPIX型の修正が入りそうだ。

株探ニュース

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