鈴木英之氏【日経平均は初の4万9000円台乗せ、新政権での一段高あるか】 <相場観特集>

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コラム

―高市新首相誕生の公算高まり相場には新展開期待も―

 20日の日経平均株価 は急反発し、初の4万9000円台に乗せた。21日に召集される臨時国会では高市早苗・自民党総裁が新首相に指名される公算が高まった。また、日本維新の会との連立政権が組まれる見通しも強まり、日本政治の不透明感が後退した。更に、米国では懸念されていた信用リスク不安も薄らいでいる。日経平均株価が最高値を更新する展開となるなか、一段の上昇は見込めるのか。SBI証券投資情報部長の鈴木英之氏に聞いた。

●「『大阪副首都構想』関連銘柄に注目」

鈴木英之氏(SBI証券 投資情報部長)

 足もとの日経平均株価の急伸の背景には、いったん不透明感が漂った高市早苗・自民党総裁の首相就任がほぼ確実となったことを好感する買いが入った面があると思う。日本維新の会との連立政権が見込め、政治の安定も期待されているだろう。更に、米国で浮上した地銀を中心とする信用リスク不安が後退したことも、買い安心感を呼んだとみられる。

 足もとで「高市トレード」が続いているが、人気が続いた防衛関連株などは過熱感も否定できない水準となっている。日経平均株価は年末に5万円の水準を予想している。5万円は区切りの良い数字であり、この前後ではいったん売りを入れてもおかしくないだろう。ただ、日経平均株価ベースの1株当たり利益は2590円前後と過去最高の水準にあり、足もとの日経平均株価も大きく割高と言える水準ではない。

 米国では28~29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、0.25%の利下げが行われそうだ。もっとも、米国市場では一部銘柄に過熱感が出ていることや国民の経済格差が拡大していることなどがリスク要因だと思う。

 個別銘柄では、高市新政権の誕生による日本維新の会との連立政権樹立を視野に入れ、「大阪副首都構想」関連に注目している。同関連銘柄の相場はまだ若く投資妙味はあるだろう。電鉄関連で阪急阪神ホールディングス <9042> [東証P]や南海電気鉄道 <9044> [東証P]、それに京阪ホールディングス <9045> [東証P]など。更に、ゼネコンの大林組 <1802> [東証P]や五洋建設 <1893> [東証P]などを含め、関連銘柄が幅広く買われることも期待される。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)
早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資情報部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

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