株価指数先物【引け後】 高市トレードから「サナエノミクス2.0」にシフト

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先物

大阪12月限
日経225先物 49300 +1750 (+3.68%)
TOPIX先物 3257.0 +89.5 (+2.82%)

 日経225先物(12月限)は、前日比1750円高の4万9300円で取引を終了。寄り付きは4万8390円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8245円)を上回る形で、買いが先行して始まった。直後につけた4万8330円を安値にロング優勢となり、現物の寄り付き時には4万8500円台を回復。さらに前場中盤にかけて上へのバイアスが強まると、10日につけた高値4万8940円を突破し、前場終盤にかけて4万9000円台に乗せた。

 ランチタイムで4万9080円まで買われた後は、後場に入り4万8900円~4万9070円辺りでの保ち合いが続いた。ただし、終盤にかけてレンジを上抜けるとショートカバーが強まり、引け間際に4万9330円まで上げ幅を広げている。

 日経225先物は現物の寄り付き時には前週末のチャート上の陰線を埋めており、ショートカバーを誘う動きに向かわせた。さらに10日につけた高値を突破したことで、一段とショートカバーを呼び込む形となったようだ。4万9000円乗せで目先の達成感が意識されて、後場は4万9000円を挟んだ保ち合いのなかで短期的なショートが積み上がり、これが終盤にかけての一段高につながったとみられる。

 ボリンジャーバンドの+2σに接近する動きとなったが、同バンドはナイトセッションで4万9670円まで上昇しており、+3σは5万1310円まで切り上がってきた。あすの首相指名選挙では、自民党の高市総裁が首相に選ばれる公算が大きい。高市首相誕生により高市トレードは、いったん落ち着きをみせてくる可能性はありそうだが、オプション権利行使価格では、先週末の4万7500円水準から、一気に4万9375円水準に急伸している。レバレッジ型ETFのヘッジ対応に伴うリバランスの動きが意識されやすいだろう。

 また、日銀の高田創審議委員は講演で「機が熟した」と述べ、利上げすべきだとの考えを強調したと報じられた。これを受けて後場はメガバンクなど金融株が軒並み買われている。指数インパクトの大きい値がさ株のインパクトは依然として大きいものの、物色対象が広がることで先高期待が高まりやすいだろう。高市政権発足によって、これまでの高市トレードから「サナエノミクス2.0」に物色の軸がシフトすると考えられ、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

 +2σ水準での攻防のなかで、まずは4万9000円固めの動きをみせてくるかを見極めつつ、+2σを挟んだ4万9000円から5万円のレンジが意識されてきそうだ。

 NT倍率は先物中心限月で15.13倍に上昇した。東証プライムの9割超の銘柄が上昇しているものの、ソフトバンクグループ<9984>[東証P]やファーストリテイリング<9983>[東証P]、アドバンテスト<6857>[東証P]、東京エレクトロン<8035>[東証P]などのインパクトが大きく、NTロングに振れやすい需給状況であろう。

 手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7294枚、ソシエテジェネラル証券が1万3768枚、JPモルガン証券が4695枚、サスケハナ・ホンコンが4131枚、SBI証券が3257枚、バークレイズ証券が3117枚、野村証券が2156枚、ゴールドマン証券が1937枚、モルガンMUFG証券が1870枚、日産証券が1501枚だった。

 TOPIX先物はABNクリアリン証券が1万9051枚、ソシエテジェネラル証券が1万7785枚、バークレイズ証券が5609枚、JPモルガン証券が4601枚、モルガンMUFG証券が3954枚、ゴールドマン証券が2640枚、サスケハナ・ホンコンが2030枚、野村証券が1327枚、ビーオブエー証券が1135枚、三菱UFJ証券が933枚だった。

株探ニュース

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