株価指数先物 【週間展望】―高市首相誕生で「高市トレード」再始動へ

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先物

 今週の日経225先物は、高市首相の誕生が確実視されるなかで、ロング優勢の展開が見込まれる。先週は公明党の連立政権離脱が嫌気され、13日の祝日取引では4万5180円まで急落したが、自民党・日本維新の会による連立政権樹立への期待を背景に、週後半は高市トレードが再燃し、17日には一時4万8540円(ナイトセッション)まで買われた。

 さらに、公明党との連携を発表した国民民主党が、ここにきて高市自民党総裁と政策で一致できる部分では連携するとの見解を示したことで、21日召集の臨時国会での首相指名選挙において、高市氏の第104代首相への選出が確実な情勢となった。政策期待の高まりにより高市トレードの再燃が見込まれ、ロングへと向かわせよう。

 17日の日経225先物はショート優勢となり、終盤にかけて4万7510円まで下落する場面がみられた(終値は前日比880円安の4万7550円)。首相指名選挙を巡る不透明感から持ち高調整の動きが入った可能性はあるが、米国での信用リスクの高まりが大きく影響したとみられる。16日の米国市場では地銀のウエスタン・アライアンス・バンコーポレーションやザイオンズ・バンコープが、不正の疑いのある融資問題が懸念されて急落、銀行株全体に売りが広がっていた。

 ただし、17日の米国市場ではフィフス・サード・バンコープやトゥルイスト・ファイナンシャルなどが市場予想を上回る決算を発表。ウエスタン・アライアンスやザイオンズの問題は地銀業界の一部で起こった局地的なものとして、信用リスクへの過度な警戒感は後退している。そのため、17日の東京市場で弱さが目立っていた銀行や保険、証券などの金融セクターを買い戻す動きが意識されやすい。

 中国が厳格なレアアース輸出規制を発表したことに対抗し、トランプ米大統領が前週、11月から中国に100%の追加関税を課すことを明らかにするなど、米中貿易摩擦の再燃が警戒されている。ただし、トランプ大統領は中国との通商交渉に関して楽観的な見方を示しているほか、習近平国家主席との会談は予定通り行われる予定であるとも述べている。米中首脳会談は、10月末に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて行われる見通しであり、それまでは小康状態が続きそうだ。

 そのため、東京市場では高市政権の経済対策に対する期待がメインの材料となるだろう。日経225先物は17日の下げでボリンジャーバンドの+1σ(4万7490円)水準まで下げてきた。ナイトセッションでは一時4万7120円まで売られ、切り上がりをみせている+1σ(4万7670円)を割り込む場面もみられた。ただし、早い段階でプラス圏を回復し、米国市場の取引開始後には4万8290円まで上げ幅を広げ、ナイトセッションの高値で終えている。再び+1σと+2σ(4万9180円)によるレンジでの推移が意識されるとともに、10日につけた高値の4万8940円が射程に入ろう。

 そのため、+1σを中心に25日移動平均線(4万6150円)と+2σとのレンジを想定しつつも、基本的には+1σと+2σのゾーンでの推移とみておきたい。+2σを捉えてくる局面では戻り待ち狙いのショートが入りやすいが、+3σ(5万0700円)とのレンジに移行する可能性も考えられるため、5万円の大台乗せが射程に入るなかでは、短期的なショートにとどめておきたい。

 そのほか、今月下旬にはトランプ大統領が来日し、日米首脳会談を行う予定である。首脳会談では、日本の防衛費負担や対米投資の履行が議題に上る可能性があると伝えられており、高市氏の手腕が試されることになろう。両首脳の信頼関係構築や日米同盟強化などへの期待感が高まりやすいとみられ、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。

 17日の米VIX指数は20.78(16日は21.66)に低下した。一時28.99まで切り上がり、4月下旬以来の水準まで急伸した。ただし、その後の下げによって、週間では低下(10日は21.66)となった。米中貿易摩擦に対する警戒や米政府機関の一時停止に伴う米国経済への影響、そして信用リスクの高まりが背景にある。200日移動平均線(19.35)が支持線として意識されており、リスク回避姿勢がくすぶりそうである。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で15.01倍(16日は15.08倍)に低下した。週間(10日は15.00倍)と小幅に上昇している。週前半は高市トレードを巻き戻す動きのなか、15日には14.84倍まで低下する場面もみられた。ただし、その後はオランダのASMLホールディングや台湾積体電路製造(TSMC)の予想を上回る決算、高市トレードの再燃が意識されて、16日には一時15.10倍まで上昇。+1σ(14.87倍)と+2σ(15.19倍)によるレンジを継続しており、+2σを意識したNTロングに振れやすいだろう。

 10月第2週(10月6日-10日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週ぶりの買い越しであり、買い越し額は1兆1878億円(10月第1週は534億円の売り越し)だった。なお、現物は1兆0586億円の買い越し(同1兆2398億円の買い越し)と2週連続の買い越し。先物は1291億円の買い越し(同1兆2933億円の売り越し)と3週ぶりの買い越しだった。個人は現物と先物の合算で3184億円の売り越しと4週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で5574億円の売り越しとなり、3週ぶりの売り越しだった。

 主要スケジュールでは、20日に中国7-9月期GDP、中国9月鉱工業生産、中国9月小売売上高、米国9月コンファレンスボード景気先行指数、中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会、~23日)、21日に臨時国会召集(首相指名選挙)、22日に9月貿易収支、24日に9月全国消費者物価指数、米国9月消費者物価指数、米国9月新築住宅販売件数などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
11月限 日経225 39901.35  TOPIX  2765.26
12月限 日経225 39434.85  TOPIX  2738.68
01月限 日経225 39343.19  TOPIX  2726.70
02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06
02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06
03月限 日経225 36483.79  TOPIX  2684.98
04月限 日経225 32737.29  TOPIX  2418.70
05月限 日経225 37572.13  TOPIX  2733.00
06月限 日経225 38172.67  TOPIX  2776.06
07月限 日経225 40004.61  TOPIX  2830.46
08月限 日経225 41368.58  TOPIX  3004.82
09月限 日経225 45016.28  TOPIX  3175.61
10月限 日経225 48779.14  TOPIX  3241.66

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
25/12 10月17日  48480  48540  47510  47550  -880
25/12 10月16日  47860  48440  47610  48430  +620
25/12 10月15日  46670  47830  46490  47810  +1020
25/12 10月14日  47450  47920  45180  46790  -830

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
25/12 10月17日  3213.0  3217.0  3167.5  3167.5  -42.0
25/12 10月16日  3193.5  3219.5  3183.5  3209.5  +18.5
25/12 10月15日  3127.0  3191.5  3125.0  3191.0  +58.0
25/12 10月14日  3165.5  3189.0  3059.0  3133.0  -41.0

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日大阪比
10月17日(12月限) 48245 +695
10月16日(12月限) 48025 -405
10月15日(12月限) 48000 +190
10月14日(12月限) 46990 +200
10月13日(12月限) 47015 -605
 ※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い      前週末比
10月10日     22億円 -2058億円  2兆5888億円  +3076億円
10月03日    2080億円  +538億円  2兆2812億円  -3067億円
09月26日    1542億円  +599億円  2兆5880億円  +1936億円
09月19日    942億円  +211億円  2兆3944億円  +2765億円
09月12日    731億円 -3021億円  2兆1178億円  -239億円
09月05日    3753億円 +3230億円  2兆1417億円  -96億円
08月29日    523億円  +228億円  2兆1513億円  +238億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
10月15日    667万株   +445万株  10億1861万株   -1035万株
10月14日    222万株   +144万株  10億2896万株   -5286万株
10月10日     78万株   -173万株  10億8183万株   +3931万株
10月09日    251万株   -228万株  10億4251万株   +2621万株
10月08日    479万株   -2314万株  10億1630万株   +742万株
10月07日    2793万株   -587万株  10億0888万株   -543万株
10月06日    3380万株   -1638万株  10億1431万株   +399万株
10月03日    5019万株   +120万株  10億1031万株   +2882万株
10月02日    4898万株   +286万株  9億8149万株   -4179万株
10月01日    4612万株   -285万株  10億2329万株   -4580万株
09月30日    4897万株   +1192万株  10億6909万株   -2778万株
09月29日    3705万株   +0.9万株  10億9688万株   -468万株
09月26日    3704万株   +1867万株  11億0156万株   +6476万株
09月25日    1837万株   +413万株  10億3680万株   +2951万株
09月24日    1423万株   -884万株  10億0729万株   -1703万株
09月22日    2308万株    +29万株  10億2433万株   +1472万株

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