話題株ピックアップ【夕刊】(2):アドテスト、三越伊勢丹、三菱UFJ
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■アドバンテスト <6857> 16,870円 -620 円 (-3.5%) 本日終値 アドバンテスト<6857>は大幅安。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに軟調だったが、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は小幅ながら続伸、アドテストが主要顧客としているエヌビディアも高く引けた。アナリストの目標株価引き上げを受けマイクロン・テクノロジー が大幅高に買われるなど、半導体セクターへの物色意欲は根強い。ただ、足もと外国為替市場でドル安・円高方向に振れており、これが向かい風となっておりポジション調整の売り圧力がアドテストなど半導体主力株の上値を押さえる形となった。 ■三越伊勢丹 <3099> 2,449円 -81.5 円 (-3.2%) 本日終値 三越伊勢丹ホールディングス<3099>やJ.フロント リテイリング<3086>、高島屋<8233>、エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>など大手百貨店株が軒並み安となった。きょう付の日本経済新聞朝刊で、「政府は2026年度にも査証(ビザ)の申請にかかる手数料を欧米並みに引き上げる」と報じられたことを受けて、インバウンド需要への影響を警戒した売りが出たようだ。 ■三菱UFJ <8306> 2,232.5円 -68.5 円 (-3.0%) 本日終値 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>が軟調推移。銀行株は軒並み安となった。米国では16日、地銀のウエスタン・アライアンス・バンコーポレーション が商業用不動産ローン債権に関して借り手の不正が判明したことを背景に、訴訟を提起したと明らかにした。同じく地銀のザイオンズ・バンコープ は、同行のカリフォルニア・バンク&トラスト部門が引き受けた融資を巡り、貸倒引当金と貸倒償却の計上を発表した。地銀2行の融資問題を受けて信用懸念が拡大するリスクが警戒され、同日の米株式市場では金融株への売り圧力が高まり、17日の東京市場において銀行株の重荷となった。 ■SUBARU <7270> 3,073円 -57 円 (-1.8%) 本日終値 SUBARU<7270>やホンダ<7267>、トヨタ自動車<7203>が3日ぶりに反落し、自動車株が軟調に推移。米地銀の信用懸念が広がるなか、前日のニューヨーク市場では安全資産とされる債券への選好姿勢が強まり、米長期金利は4%を下回る水準に低下した。外国為替市場ではドル売りが優勢となり、日本時間17日午後に入り1ドル=149円台までドル安・円高が進行。自動車株に対しては円安効果に伴う業績期待を低下させる方向に作用し、売りを促す要因となった。日産自動車<7201>やマツダ<7261>も下落した。 ■オープンハウスグループ <3288> 7,335円 -41 円 (-0.6%) 本日終値 オープンハウスグループ<3288>が底堅い動きとなった。16日の取引終了後に、自社株400万2400株(消却前発行済み株数の3.32%)を10月31日付で消却すると発表しており、これを好材料視する買いが下値に入ったようだ。なお、消却後の発行済み株数は1億1670万7300株となる。 ■丸三証券 <8613> 944円 -3 円 (-0.3%) 本日終値 丸三証券<8613>が3日ぶりに反落。16日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の決算速報を発表した。営業収益が95億9600万円(前年同期比0.3%減)、営業利益が16億9600万円(同12.4%減)、最終利益が23億100万円(同46.4%増)だった。特別利益の増加により最終利益は大幅な増益となったものの、減収・営業減益と、本業の部分が冴えない結果となったことを嫌気した売りが優勢になったようだ。株式委託手数料及び投資信託の信託報酬が増えた一方、投資信託の募集手数料が減った。加えて、販管費が増加したことも営業利益を押し下げた。決算は30日に正式発表を予定する。 ■出光興産 <5019> 1,001.5円 -2.5 円 (-0.3%) 本日終値 出光興産<5019>は冴えない。午後2時ごろ、同社が開発する宇宙用CIGS太陽電池セルが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が行う次世代宇宙用太陽電池の軌道上実証「SDX」の暴露部(宇宙機において宇宙空間に直接さらされ実証などを行う部分)に搭載されることになったと発表したが、これに対する市場の反応は限定的のようだ。SDXは、JAXAが開発する新型宇宙ステーション補給機「HTV-X1」が宇宙空間で行う実証の一つで、太陽電池の出力を定期的に計測し、宇宙軌道上で正常に動作することを確認するもの。宇宙空間は真空で、かつ放射線・極端な温度差があり、そのような過酷な状況でも、補給機や人工衛星などの宇宙インフラにエネルギーを供給できる高性能な太陽電池の開発が期待されている。同社が開発する宇宙用CIGS太陽電池は非常に高い放射線耐性を持つという点や、将来的に宇宙産業におけるコストダウンへの寄与が期待できるという点から、宇宙用太陽電池の研究の一環として今回の実証装置への搭載に至ったとしている。 ■UNIVA <3113> 86円 +14 円 (+19.4%) 一時ストップ高 本日終値 UNIVA・Oakホールディングス<3113>が反発。この日、台湾でWeb3.0ブロックチェーン技術を活用した国際決済サービスや総合宿泊サービスを展開するアウルティング・グループの持ち株会社で、出資先であるオーブック・ホールディングス が米国ナスダック市場に上場したと発表しており、好材料視された。米国証券取引所の公開情報によると、オーブック社はアジア初のナスダックへの直接上場となるフィンテック企業になるという。なお、同件が連結財務諸表に与える影響は精査中としている。 ■ヒーハイスト <6433> 713円 +100 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値 ヒーハイスト<6433>が続急騰。産業ロボット向け直動ベアリングの製造を主力としているが、高技術力を駆使してロボティクス分野への展開に積極的な姿勢をみせている。ロボティクスと人工知能(AI)の融合などをコンセプトとした「フィジカルAI」が世界的にテーマ性を帯びるなか、同社はその有力銘柄として活躍期待が高まっている。システム製品分野では、世界初の「転がり案内による球面軸受け」を開発し、ロボット関節への採用実績もあり、今後の商機拡大につながっていく可能性が意識されている。株価は需給相場の様相を強めるなか、2018年3月以来約7年半ぶりの高値圏に突入している。 株探ニュース