富田隆弥の【CHART CLUB】 急上昇で仕上げ局面に、高値警戒が続く10月
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「急上昇で仕上げ局面に、高値警戒が続く10月」 ◆「すごい」としか言い表せない相場だ。週明けの10月6日、日経平均株価は前日比2175円高(+4.8%)と急騰した。さらに9日には4万8500円台に乗せ、この時点における前週末比での上げ幅は2800円超に達した。自民党新総裁に安倍元首相の後継を自認する高市早苗氏が就任し、株式市場は「サナエノミクス」に期待する買いに沸いた。 ◆日経平均株価は25日移動平均線を下支えに、順調に上昇を続けてきた。1日安値の4万4357円で押し目を入れた後、再び4万5000円台に乗せ、そこから一気に上昇を加速させた。6日の株式市場は、 半導体(電機)や精密機器、機械(重工)、非鉄金属(電線)を中心にほぼ全面高となり、「5万円」の大台を指呼の間に捉えた。ドル円相場は1ドル=153円台へと円安が加速し、ナスダックの最高値更新も追い風となった。 ◆ただ、チャート的には、この急騰が高値警戒感をさらに強めたと考える。6日の2100円を超す急騰は、先物のショートカバーや信用の売り方の買い戻しが集中した結果とみられる。この日は人気の片寄りやすい週明けであり、トランプ関税ショックの底値をつけた4月7日からちょうど6カ月目の安値期日(10月7日)、さらにはマイナーSQ(10日)の重なるタイミングでもあった。テクニカル指標では、平均線総合カイ離(日足+44%、週足+54%)や順位相関指数(RCI)、相対力指数(RSI)など、警戒を要するものが多い。 ◆そして、「ホップ、ステップ、ジャンプ」と上昇を加速させて大きく腰を伸ばしたチャートは、過去幾多の相場で現れた「仕上げ局面」を彷彿とさせる。確かに強い「AI(人工知能)・半導体相場」であり、流れに従うのは基本だが、とはいえ大きく伸びきったチャートは警戒接近の信号でもある。ここからは機敏に対応したい。 (10月9日 記、毎週土曜日に更新) 情報提供:富田隆弥のチャートクラブ 株探ニュース