株価指数先物【引け後】 自公党首会談を睨んでショートが入った可能性
投稿:
大阪12月限 日経225先物 47620 -1180 (-2.41%) TOPIX先物 3174.0 -88.0 (-2.69%) 日経225先物(12月限)は前日比1180円安の4万7620円で取引を終了。寄り付きは4万8540円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8660円)にサヤ寄せする形から、売りが先行した。現物の寄り付き時には4万8750円をつける場面もみられたが、プラス圏を回復できず、その後は持ち高調整によるロング解消のほか、短期筋のショートを誘う形になり、後場に入ると4万8000円水準での攻防となった。4万8000円水準での底堅さが意識されるなか、終盤にかけて4万8270円辺りまで下げ幅を縮めた。しかし、引け間際にまとまったショートが入り、一時4万7530円まで下げ幅を広げる場面もあった。 米国市場で主要な株価指数が下落した影響もあり、前日に強い上昇をみせていたソフトバンクグループ<9984>[東証P]や東京エレクトロン<8035>[東証P]など、半導体や人工知能(AI)関連株の一角に利益確定の売りが出ていた。一方で、決算評価からファーストリテイリング<9983>[東証P]が買われて、日経平均株価を支えている。 日経225先物は朝方の上昇でボリンジャーバンドの+2σ(4万8610円)を上回る場面もみられたが、同バンドをキープできなかったことで、ショートを入りやすくさせた面もありそうだ。また、午後には自民党の高市早苗総裁と公明党の斉藤鉄夫代表との会談を控えていることも市場心理を神経質にさせたのだろう。 為替市場でも、株式市場の終了間際に急速に円高に振れていた。タイミング的には高市自民党総裁と公明党の斉藤代表による会談が終わった時間帯だったこともあり、高市トレードの巻き戻しを狙ったショートの可能性がありそうだ。 日経225先物はボリンジャーバンドの+2σを明確に下放れる形となり、ナイトセッションで一時4万7390円まで売られ、+1σ(4万7050円)が射程に入ってきた。そのため、+1σと+2σ(4万8680円)によるレンジが意識されてくることになろう。斉藤代表は首相指名選挙への対応については、自身の名を記すとしている。 首相指名選挙で高市氏が日本初の女性総理大臣に就任するまでは、メディア報道などに振らされやすくなりそうだ。もっとも高市首相誕生となれば、改めて「高市トレード」が強まる可能性も考えられ、ショートカバーを誘う動きもありそうだ。目先的には+1σが位置する4万7000円をボトムとした押し目狙いのロング対応に向かわせよう。 早い段階で4万8000円水準を回復してくると、+2σを意識したショートカバーが入りそうだ。また、本日は前日の上昇分を打ち消す形だったが、依然として高値圏で推移しているため、買い遅れているファンドなどの押し目買い意欲は強そうだ。 NT倍率は先物中心限月で15.00倍に上昇した。ソフトバンクグループなどの弱い値動きが目立つものの、東証プライムの9割近い銘柄が下げているため、相対的に日経平均型優位の状況は継続。2021年6月以来の15.00倍に乗せており、方向性としては同年2月高値の15.68倍が射程に入るため、NTロングでのスプレッド狙いの動きが強まりやすいだろう。 手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万6305枚、ソシエテジェネラル証券が2万0098枚、JPモルガン証券が5512枚、サスケハナ・ホンコンが4971枚、バークレイズ証券が3442枚、モルガンMUFG証券が3180枚、野村証券が3046枚、SBI証券が2160枚、日産証券が2082枚、ゴールドマン証券が1949枚だった。 TOPIX先物はABNクリアリン証券が3万1235枚、ソシエテジェネラル証券が2万9560枚、バークレイズ証券が8462枚、JPモルガン証券が6159枚、モルガンMUFG証券が4371枚、ビーオブエー証券が3615枚、サスケハナ・ホンコンが3043枚、野村証券が1997枚、シティグループ証券が1662枚だった。 株探ニュース