前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

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■古河電 <5801>  9,701円 (+383円、+4.1%)

 古河電気工業 <5801> [東証P]が大幅高で4日続伸。同社は8日午後2時、最高電圧である500キロボルト級の高電圧直流送電(HVDC)ケーブル製造ラインの稼働を目指し、設備投資を実施すると発表。中期的な業績貢献を見込んだ買いが入ったようだ。設備総額は1000億円。経済産業省のGXサプライチェーン構築支援事業にも採択され、補助金総額は最大約307億円で対象期間は今年11月~2029年12月となる。千葉県富津市にある拠点に製造設備や建屋を導入し、稼働開始は30年中を予定している。

■三菱重 <7011>  4,247円 (+165円、+4.0%)

 三菱重工業 <7011> [東証P]が大幅反発。8日はAI関連や 半導体関連株に利益確定の動きが強まっており、 防衛関連株が投資マネーの受け皿となった。そのなか、同社は同テーマの旗艦銘柄として注目度が高い。また、7日に防衛省が他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力の手段となる長射程ミサイルに関して艦艇発射型の量産に着手したと発表しており、「潜水艦発射型誘導弾」「12式地対艦誘導弾能力向上型」いずれも三菱重と契約したことで、これも株価の刺激材料となった。8日は、川崎重工業 <7012> [東証P]やIHI <7013> [東証P]など防衛関連主力3銘柄は揃って上昇した。

■エニマインド <5027>  725円 (+24円、+3.4%)

 AnyMind Group <5027> [東証G]が3日ぶり大幅反発。8日午前9時ごろ、吉本興業グループのFANY(東京都新宿区)に対してEC支援を開始すると発表しており、好材料視された。FANYはオンラインチケット販売や物販、ファンクラブ運営など、タレントIPを活用したオンライン事業を展開しており、今後更にオンライン領域を強化するためにAIによる高度なデータ分析をはじめ、多方面でのリソース拡充が求められていたという。これに対してエニマインドは、AI搭載型各種プラットフォームと専門チームによる運用支援を掛け合わせたBPaaSモデルにより、ECサイトの構築からカスタマーサポート、物流・在庫の連携、データ分析に至るまでを包括的にサポートするとしている。

■ヘリオス <4593>  520円 (+15円、+3.0%)

 ヘリオス <4593> [東証G]が大幅反発。同社は7日の取引終了後、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)への適応を目指す治療薬「HLCM051」に関し、商用生産に向けた協力体制を米ミナリスアドバンストセラピーズと構築すると発表。これを材料視した買いが入ったようだ。ヘリオスの3Dバイオリアクター製造プロセスを利用した細胞治療薬の商用生産に向けた製造委託契約を両社は締結した。受託開発製造機関(CDMO)で試験サービスプロバイダーでもあるミナリスの横浜事業所で商用生産を予定する。ヘリオスはミナリスの細胞治療製造における豊富な実績や、幹細胞とバイオリアクター技術に関する専門性を評価し、製造パートナーとして選定した。

■リッジアイ <5572>  2,813円 (+80円、+2.9%)

 Ridge-i <5572> [東証G]が反発。8日、経済産業省・中小企業庁・中小企業基盤整備機構が実施する「中小企業成長加速化補助金」に採択されたと発表したことが好材料視された。同事業は、成長意欲の高い中小企業の大規模な投資を支援し、地域経済にインパクトのある成長企業「100億企業」の創出を目指すもので、建物費(拠点新設・増築など)、機械装置費(器具・備品費含む)、ソフトウェア費、外注費、専門家経費などを対象に費用の2分の1以内、最大5億円を補助する。同社では同補助金を活用し、人材獲得や待遇向上による事業基盤の強化や、計算資源を増強することによるAIの技術開発への積極的な投資を進めるとしている。

■SPDR <1326>  56,520円 (+1,510円、+2.7%)

 SPDRゴールド・シェア <1326> [東証E]が3日続伸。金ETFが軒並み高となった。SPDR <1326>が上場来高値を更新したほか、NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信 <1328> [東証E]、純金上場信託(現物国内保管型) <1540> [東証E]が上昇した。7日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は、12月限が前日6日比28.1ドル高の1トロイオンス=4004.4ドルに上昇。一時4014.6ドルまで買われ、初の4000ドル台に上昇した。米国の追加利下げ観測は強く、金利のつかない資産である金の相対的な魅力が高まっている。また、米政府機関の閉鎖が続いているほか、フランスの政局不安の高まりなども安全資産としての金の買い要因となったようだ。

■日本色材 <4920>  1,132円 (+27円、+2.4%)

 日本色材工業研究所 <4920> [東証S]が3日続伸。7日の取引終了後に26年2月期の配当予想を期末一括20円から30円(前期20円)へ増額修正したことが好感された。同時に、26年2月期の連結業績予想について、売上高を168億7700万円から164億6200万円(前期比6.6%減)へ、営業利益を4億1100万円から2億4300万円(同50.3%減)へ、最終利益を4億1100万円から3億2100万円(同48.6%増)へ下方修正した。フランス連結子会社で、上期に医薬品及び化粧品の受注が低迷しユーロ建て・円換算後ともに減収となったことに加えて、人件費や諸物価の高騰や一部新規設備稼働の遅れもあって業績は予想を下回る見込みとしている。

■アツギ <3529>  1,114円 (+26円、+2.4%)

 アツギ <3529> [東証S]が続伸。7日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、英ロンドンに本拠を置く投資ファンド、アセット・バリュー・インベスターズ社による株式保有割合が21.22%から22.29%に上昇したことが判明しており、需給思惑から買われたようだ。保有目的は純投資及び持続的な企業価値の向上に向けた重要提案行為などを行う可能性があるとしており、報告義務発生日は9月30日となっている。

■キッズバイオ <4584>  248円 (+5円、+2.1%)

 キッズウェル・バイオ <4584> [東証G]が続伸。7日の取引終了後、名古屋大学が主導し、同社グループのS-Quatreが共同で取り組む臨床研究「脳性麻痺児に対する自己乳歯歯髄幹細胞単回投与の安全性、忍容性を検討する臨床試験」に関して、研究機関とは独立した安全性評価委員会が「安全性に問題なし」と評価したと発表しており、好材料視された。同社グループでは、有効な治療法のない小児疾患や希少疾患に対する新規細胞治療薬(再生医療等製品)の創出を目指して、独自の乳歯由来歯髄幹細胞SQ-SHEDを活用した研究開発に取り組んでいるが、今回の評価は、今後予定している治験計画を後押しする重要なマイルストーンになるとしている。

■ビリングシス <3623>  1,167円 (+22円、+1.9%)

 ビリングシステム <3623> [東証G]が5日続伸。同社は8日、ジェーシービー(東京都港区)と法人向け事業における基本合意契約を締結したと発表しており、今後の収益貢献を期待する買いが集まった。ジェーシービーは自社の中小企業・個人事業主向け資金管理・キャッシュフロー改善サービス「Cashmap」に、2026年3月ごろからビリングシスが展開する法人の税金・公共料金などの支払業務を効率化するサービス「PayB for Business」を組み込む。PayB for Businessは7月から提供が始まったサービスで、ジェーシービーが自社のサービス機能として取り入れる初めての企業となる。

■大垣共立 <8361>  3,505円 (+40円、+1.2%)

 大垣共立銀行 <8361> [東証P]が反発。2017年3月以来、およそ8年7ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。元芸人で著名投資家の井村俊哉氏が共同で代表取締役を務める投資顧問会社Kaihou(東京都港区)の助言を受けたファンドを手掛けるfundnote(同)が大垣共立の株式について、新たに5%を超えて保有していたことが7日の取引終了後に明らかとなり、思惑視した買いを誘ったようだ。同日に関東財務局に提出された大量保有報告書によると、fundnoteの保有割合は5.39%に上る。報告義務発生日は9月30日。保有目的の項目において「Kaihouの投資助言に基づき投資信託の信託財産の運用のため保有」としつつ、対話を通じて「IR・資本効率・ガバナンスの高度化と企業価値向上を促す」と記載。更に、「受益者の利益を保全するために、保有目的を『重要提案行為を行う』に変更する場合がある」としている。

■ロート <4527>  2,484円 (+28円、+1.1%)

 ロート製薬 <4527> [東証P]が続伸。8日、ミルボン <4919> [東証P]及びHaleonジャパン(東京都港区)と、3社における共同配送を8月に開始したと発表しており、好材料視された。このシステムにより輸送効率の最大化とともに、CO2排出の抑制やドライバーの働き方改革などを図るのが狙い。東陽倉庫 <9306> [東証S]の協力のもと月1便で実施しており、今後週1便へ増便することで、18.4%のコスト削減及び1運行単価19.2%の改善につながるとしている。

■キャンドゥ <2698>  3,525円 (+35円、+1.0%)

 キャンドゥ <2698> [東証S]が反発。8日午後2時ごろに発表した9月度の月次売上高で、既存直営店売上高が前年同月比0.1%増と、小幅ながら2ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好材料視された。なお、全社売上高は同4.6%増だった。

※8日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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