話題株ピックアップ【夕刊】(1):わらべ日洋、サカタタネ、IHI

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■わらべ日洋 <2918>  3,460円   +503 円 (+17.0%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 わらべや日洋ホールディングス<2918>がストップ高に買われ年初来高値を更新した。7日の取引終了後、26年2月期の連結業績予想について、売上高を2315億円から2345億円(前期比5.4%増)へ、営業利益を60億円から73億円(同61.7%増)へ、純利益を39億円から54億5000万円(同2.0倍)へ上方修正し、あわせて配当予想を中間・期末各45円の年90円から中間・期末各60円の年120円(前期90円)へ引き上げたことが好感された。上期において、商品規格の見直しにより国内食品関連事業の販売が好調に推移していることに加えて、国内新工場や海外事業が想定よりも順調に推移していることが牽引する。また、固定資産売却益の計上や、業績予想に織り込んでいた閉鎖工場処分費用が想定よりも小さくなることも寄与する。なお、同時に発表した8月中間期決算は、売上高1196億3400万円(前年同期比5.3%増)、営業利益52億8900万円(同24.3%増)、純利益40億円(同42.5%増)だった。

■サカタのタネ <1377>  3,995円   +370 円 (+10.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位
 サカタのタネ<1377>は大幅高で4連騰。年初来高値を更新した。同社は7日の取引終了後、26年5月期第1四半期(6~8月)の連結決算を発表した。売上高が前年同期比9.6%増の230億500万円、営業利益が同63.5%増の44億6200万円、最終利益が同3.2倍の36億3700万円だった。自社株TOB(公開買い付け)の実施も発表し、好業績と資本効率の向上につながる取り組みを評価した買いが集まった。野菜種子の売り上げが大きく伸びた国内卸売事業と海外卸売事業が業績を押し上げた。前期の災害損失の反動に加え、受取和解金の計上と為替差損の減少なども利益拡大に寄与した。また、同社は坂田宏会長の資産管理会社で同社株を17.56%保有するティーエム興産が、現金化を目的に100万株(所有割合2.31%)を売却する意向を示したことを踏まえ、自社株TOBを通じて株式の流動性への影響などを抑える。取得株式数の上限は110万100株で、取得価額の上限は36億1382万8500円。10月8日から11月6日の間に、10月7日終値を約9%下回る1株3285円で買い付けを行う。

■三菱製鋼 <5632>  1,923円   +161 円 (+9.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位
 三菱製鋼<5632>が大幅高。6月9日の年初来高値1849円を4カ月ぶりに更新した。特殊鋼及び精密ばねなどの製造を手掛け、素材から製品までワンストップで生産できる優位性を持つ。26年3月期は営業13%増益を見込むなど2ケタ成長路線が続く。また、同社の実質筆頭株主は三菱重工業<7011>であり、防衛関連の一角としての位置付けでも注目度が高まっている。PERやPBRなどいずれも割安感が際立つほか、株主還元に前向きな姿勢も評価され、今期の年間配当は前期実績から16円増配となる80円を計画しており、予想配当利回りは4.3%弱に達する。

■IHI <7013>  3,094円   +203 円 (+7.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位
 IHI<7013>が4連騰。防衛関連の一角として人気が高まっていることに加えて、7日の取引終了後に、豪州の新興衛星メーカーであるイノバー・テクノロジーズ社及びIHIグループの明星電気と連携し、小型衛星の技術実証に関する共同研究契約を締結したと発表しており、好材料視された。同共同研究は、日豪両国の政府間で強化が進む防衛・宇宙分野の協力関係を背景に、両国の海域監視分野における技術力強化を図るのが狙い。同プロジェクトにおいてIHIは、オーストラリア側との調整を担当。また、イノバー社はオーストラリア側のプロジェクト管理及び衛星バスの開発・製造、ミッション機器(センサー)の搭載、衛星の試験を担当し、明星電気はミッション機器(センサー)の開発・製造を行うとしている。なお、同プロジェクトにおけるイノバー社の作業は、南オーストラリア州政府の基金を活用して実施される。

■あいちFG <7389>  3,740円   +215 円 (+6.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位
 あいちフィナンシャルグループ<7389>は大幅高で5日続伸し、上場来高値を連日更新した。地銀を中心に投資するありあけキャピタル(東京都中央区)が7日の取引終了後に関東財務局へ大量保有報告書を提出した。新たにあいちFGの株式について5%を超えて保有していることが明らかになり、需給思惑的な買いが入った。大量保有報告書によると、ありあけキャピタルの保有割合は5.06%。報告義務発生日は9月30日。保有目的は純投資と「状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。

■住友金属鉱山 <5713>  5,133円   +256 円 (+5.3%)  本日終値
 住友金属鉱山<5713>が上げ幅を拡大。この日、トヨタ自動車<7203>とバッテリーEV(BEV)に搭載する全固体電池の正極材量産に向けて共同開発契約を結んだと発表しており、好材料視された。両社は、全固体電池用の正極材について21年ごろから共同研究を進め、充放電を繰り返す中での正極材の劣化への課題に取り組んできたが、その解決策として住友鉱が持つ独自の粉体合成技術を活用し、全固体電池に合った「耐久性に優れた正極材」を両社で新たに開発。住友鉱はこれまで20年以上にわたり多くの電動車に正極材を提供してきた知見を生かし、新開発した正極材の供給やその後の量産化を目指すとしている。

■古河電気工業 <5801>  9,701円   +383 円 (+4.1%)  本日終値
 古河電気工業<5801>が後場に上げ幅を拡大した。同社は8日午後2時、最高電圧である500キロボルト級の高電圧直流送電(HVDC)ケーブル製造ラインの稼働を目指し、設備投資を実施すると発表。中期的な業績貢献を見込んだ買いが入ったようだ。設備総額は1000億円。経済産業省のGXサプライチェーン構築支援事業にも採択され、補助金総額は最大約307億円で対象期間は今年11月~2029年12月となる。千葉県富津市にある拠点に製造設備や建屋を導入し、稼働開始は30年中を予定している。

■三菱重工業 <7011>  4,247円   +165 円 (+4.0%)  本日終値
 三菱重工業<7011>が物色人気。きょうはAI関連や半導体関連株に利益確定の動きが強まっており、防衛関連株が投資マネーの受け皿となっている。そのなか、同社は同テーマの旗艦銘柄として注目度が高い。また、7日に防衛省が他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力の手段となる長射程ミサイルに関して艦艇発射型の量産に着手したと発表しており、「潜水艦発射型誘導弾」「12式地対艦誘導弾能力向上型」いずれも三菱重と契約したことで、これも株価の刺激材料となった。きょうは、川崎重工業<7012>やIHI<7013>など防衛関連主力3銘柄は揃って上昇している。

■エニマインド <5027>  725円   +24 円 (+3.4%)  本日終値
 AnyMind Group<5027>が3日ぶりに反発。午前9時ごろ、吉本興業グループのFANY(東京都新宿区)に対してEC支援を開始すると発表しており、好材料視された。FANYはオンラインチケット販売や物販、ファンクラブ運営など、タレントIPを活用したオンライン事業を展開しており、今後更にオンライン領域を強化するためにAIによる高度なデータ分析をはじめ、多方面でのリソース拡充が求められていたという。これに対してエニマインドは、AI搭載型各種プラットフォームと専門チームによる運用支援を掛け合わせたBPaaSモデルにより、ECサイトの構築からカスタマーサポート、物流・在庫の連携、データ分析に至るまでを包括的にサポートするとしている。

■ヘリオス <4593>  520円   +15 円 (+3.0%)  本日終値
 ヘリオス<4593>が反発。同社は7日の取引終了後、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)への適応を目指す治療薬「HLCM051」に関し、商用生産に向けた協力体制を米ミナリスアドバンストセラピーズと構築すると発表。これを材料視した買いが入ったようだ。ヘリオスの3Dバイオリアクター製造プロセスを利用した細胞治療薬の商用生産に向けた製造委託契約を両社は締結した。受託開発製造機関(CDMO)で試験サービスプロバイダーでもあるミナリスの横浜事業所で商用生産を予定する。ヘリオスはミナリスの細胞治療製造における豊富な実績や、幹細胞とバイオリアクター技術に関する専門性を評価し、製造パートナーとして選定した。

株探ニュース

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