株価指数先物【寄り前】 ヘッジ対応の動きで+3σが意識されてくる
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大阪12月限ナイトセッション 日経225先物 48590 +400 (+0.83%) TOPIX先物 3257.5 +20.5 (+0.63%) シカゴ日経平均先物 48585 +395 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 6日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇した。NYダウは7営業日ぶりに反落。前週末に買われた景気敏感株を中心に利益確定の売りが優勢となった。米長期金利の上昇が重荷になったほか、10月半ばから本格化する主要企業の決算を控え、持ち高調整の売りも出やすかったようだ。一方で、オープンAIとAI(人工知能)データセンターで提携を発表したアドバンスト・マイクロ・デバイセズが23%を超す上昇となり、他の半導体やAI関連株に買いが広がった。半導体株への買いが目立つなかで、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.8%上昇した。 S&P500業種別指数は自動車・同部品、ソフトウエア・サービス、メディアが上昇した半面、電気通信サービス、耐久消費財・アパレル、家庭用品・パーソナル用品の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄ではセールスフォース 、マイクロソフト 、ボーイング 、シスコシステムズ 、アマゾン・ドット・コム が買われた。一方で、ベライゾン・コミュニケーションズ 、シャーウィン・ウィリアムズ 、スリーエム 、マクドナルド が軟調。 シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比395円高の4万8585円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比60円安の4万8130円で始まった。4万8090円まで売られた後はロング優勢となり、米国市場の取引開始後には4万8500円台に乗せた。中盤に4万8720円まで上げ幅を広げ、終盤にかけては4万8620円~4万8720円辺りの高値圏で保ち合いを継続。4万8590円でナイトセッションの取引を終えた。 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。昨日はギャップアップで始まり、活発な「高市トレード」によって2250円高となった。ボリンジャーバンドは一気に切り上がりをみせているが、ナイトセッションでも+2σ(4万7770円)を上回って推移していたことで、+3σ(4万9400円)とのレンジが意識されるだろう。 日経225先物は前日の大幅高によって一気にレンジを2000円超切り上げたことで、レバレッジ型ETFなどのヘッジ対応の動きが強まっている。ナイトセッションは下落して始まったものの、4万8000円接近では押し目待ち狙いのロングが入っているようであり、引き続き上へのバイアスが強まりやすい需給状況と考えられる。 米国市場ではオープンAIとアドバンスト・マイクロ・デバイセズの提携を受け、AI需要の強さが改めて意識されていた。昨日の東京市場ではアドバンテスト<6857>[東証P]や東京エレクトロン<8035>[東証P]、ファーストリテイリング<9983>[東証P]、ソフトバンクグループ<9984>[東証P]の4銘柄で日経平均株価を1150円押し上げる形だった。本日も指数インパクトの大きい値がさハイテク株を中心とした上昇が見込まれ、先物市場でもロングの動きが強まることになろう。 そのため、オプション権利行使価格の4万8000円から4万9500円のレンジを想定。+3σに接近する局面では過熱感を警戒した持ち高調整の動きも入りやすいが、市場心理としては5万円の大台が射程に入っていると考えられる。そのため、調整が入る局面では押し目狙いのタイミングを探るスタンスに向かわせそうだ。 6日の米VIX指数は16.37(3日は16.65)に低下した。一時17.09まで上昇する場面もみられたが、米半導体株の上昇が目立つなかで、下げに転じた形だろう。ただし、25日移動平均線(15.88)や75日線(16.06)を上回っていることもあり、ボトム圏での推移とはいえ、市場心理をやや神経質にさせそうである。 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.88倍に上昇した。一時14.89倍をつける場面もあり、昨年3月高値の14.84倍を明確に上抜けた。高市トレードの流れにおいて日銀の早期利上げ観測が後退しており、相対的に金融株の弱さがTOPIX型の重荷になった。いったんはリバランスが入りそうだが、本日もハイテク主導の上昇が見込まれ、方向性としては21年2月高値の15.68倍が意識されそうだ。 株探ニュース