来週の株式相場に向けて=自民党「新総裁」意識の展開、AI投資の大波が株価押し上げも
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3日の東京市場で、日経平均株価は前日比832円高の4万5769円に上昇。9月25日につけた最高値(4万5754円)を6営業日ぶりに更新した。先物などを通じて海外投資家からの買いが流入した、ともみられている。 とりわけ、この日の注目を集めたのが日立製作所<6501.T>の急騰だ。「米オープンAIとデータセンターの電力関連技術で提携する」との報道を受け、日立の株価は前日に比べ10%上昇。20兆円近い時価総額を有する同社株の急騰に市場関係者は目を見張った。同じくオープンAIと強い関係を持つソフトバンクグループ<9984.T>は一時、初の2万円乗せを達成した。オープンAIのアルトマン氏とエヌビディア<NVDA>のファン氏がともに訪日するなか、「世界のAI投資の大波が日本に押し寄せてきた」(アナリスト)とみる声が出ている。 東京市場は10月相場入り後、日経平均株価は最高値を更新する好スタートを切った格好だが、注目の的となっているのは4日に行われる自民党総裁選だ。小泉進次郎農相と高市早苗前経済安全保障相が有力視され、林正芳官房長官などが追う展開とみられている。 個別銘柄では小泉氏が勝利ならライドシェアリングでディー・エヌ・エー<2432.T>や神奈川地盤のさいか屋<8254.T>など、高市氏が勝てば核融合関連の助川電気工業<7711.T>や量子コンピューター関連のフィックスターズ<3687.T>など、林氏なら「コンテンツ庁」絡みでIP関連のサンリオ<8136.T>などが有力視されているが、「相場にはある程度織り込まれている」(市場関係者)とみられている。それだけに、自民党総裁選を通過し新政権を見据えながら、全体相場がいったん利益確定売りとなるのか、一段の買い基調となるかがポイント。AI相場の行方を含め、自民党総裁選に対する市場の反応は当面の相場の分岐点となる可能性もありそうだ。 スケジュール面では、来週はノーベル賞ウィークに突入する。6日に生理学・医学賞、7日に物理学賞、8日に化学賞、9日に文学賞、10日に平和賞、13日に経済学賞が発表される。また、8日に9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。10日に米10月ミシガン大学消費者マインド指数が発表される。7日にコンステレーション・ブランズ<STZ>、9日にペプシコ<PEP>が決算発表を行う。 国内では、6日に地域経済報告(さくらレポート)、7日に8月家計調査、8日に8月毎月勤労統計調査、9月景気ウォッチャー調査、9日に9月都心オフィス空室率が発表される。10日はオプションSQの算出日となる。6日にハイデイ日高<7611.T>、壱番屋<7630.T>、7日にライフコーポレーション<8194.T>、わらべや日洋ホールディングス<2918.T>、8日にウェザーニューズ<4825.T>、エービーシー・マート<2670.T>、9日にファーストリテイリング<9983.T>、コーナン商事<7516.T>、10日に良品計画<7453.T>、ビックカメラ<3048.T>が決算発表を行う。6日にムービン・ストラテジック・キャリア<421A.T>、7日にウリドキ<418A.NG>、8日にサイプレス・ホールディングス<428A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは4万5000~4万6300円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS