来週の為替相場見通し=米政府機関の閉鎖が長引けばドルの重荷に
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来週のドル円相場は、米連邦政府予算の失効に伴う政府機関の一部閉鎖が長引くようだとドルの下押し圧力が強まるだろう。予想レンジは1ドル=146円00銭~149円00銭。 米政府機関の一部閉鎖により、2日に予定されていた前週分の米新規失業保険申請件数の公表が見送られ、3日に予定される米9月雇用統計の公表も遅れる見通し。トランプ政権と民主党の対立が激化しているなか、トランプ氏は連邦職員数千人の解雇をちらつかせており、米経済が混乱しかねないとの懸念からドル安が進む可能性がある。 一方、国内では10月利上げの思惑が円買い材料になりやすい。植田和男総裁は3日に「当面は米国をはじめとする世界経済の動向、関税政策がわが国企業の収益や賃金・価格設定行動に与える影響、食料品価格を含めた物価動向などを点検していくことになる」などと述べたが、利上げに否定的な発言はなかった。6日に開かれる日銀支店長会議の内容次第では利上げを織り込みむかたちで円が買われそうだ。 4日に投開票される自民党総裁選は、小泉進次郎農相と高市早苗前経済安全保障相、林芳正官房長官の3氏が有力候補で、小泉氏が制すれば財政規律が維持されやすいとの見方から円が買われそうだが、市場はある程度織り込んでいるとみられ大きく円高が進むとは考えにくい。 なお、来週に米国で予定される主なイベントは、7日に8月の貿易収支、8日に9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、10日に10月のミシガン大学消費者態度指数(速報値)など。国内では7日に8月の全世帯家計調査・消費支出と8月の景気先行指数(速報値)、8日に8月の経常収支、10日に9月の国内企業物価指数が公表される。 出所:MINKABU PRESS