話題株ピックアップ【夕刊】(1):コンヴァノ、日立、霞ヶ関C
投稿:
■アイネット <9600> 2,049円 +400 円 (+24.3%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ アイネット<9600>がストップ高。同社に対しオリックス<8591>が2日の取引終了後、完全子会社化を目的に1株2530円でTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。アイネット株はTOB価格にサヤ寄せをする動きをみせた。買付予定数の下限は1017万1800株(所有割合66.67%)で、上限は設定しない。買付期間は3日から11月17日まで。TOBが成立した場合、所定の手続きを経て、アイネットは上場廃止となる見込み。オリックスは自社の事業基盤や取引ネットワークとアイネットが持つデータセンター・クラウド・DX領域や宇宙関連事業などの知見を融合し、アイネットの企業価値の更なる向上につなげる方針。アイネットはTOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨した。東京証券取引所は2日付でアイネットを監理銘柄(確認中)に指定した。 ■コンヴァノ <6574> 218円 +28 円 (+14.7%) 本日終値 コンヴァノ<6574>は3日ぶりに反発。2日の取引終了後に、円建てステーブルコイン(JPYC)を活用したRWA(Real World Assets:実物資産)の決済・流通支援事業を開始すると発表したことが好感された。RWA事業を展開する企業との実務面での業務提携を進め、同社が掲げる「円建てステーブルコイン(JPYC)を活用した実物資産の決済・流通支援」の仕組みを既存の運用ノウハウやネットワークと結び付け、あわせて必要に応じて資本提携を検討する。なお、26年3月期業績に与える影響は精査中としている。 ■日立製作所 <6501> 4,300円 +400 円 (+10.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位 日立製作所<6501>に物色人気集中。同社と米オープンAIがAIデータセンターの電力関連技術などで提携すると伝わったことで、これを材料視する買いを呼び込んだ。朝方取引開始後9分間値が付かず同社株としては異例の展開に。オープンAIのサム・アルトマンCEOがアジア各国を訪れ、対話型チャットGPTの高度化やAIデータセンター建設などで資金的な協力を仰ぐ「アルトマン外交」にマーケットの視線が集まっている。そうしたなかアルトマン氏は、前日に都内で日立を訪れ協業パートナーとしての連携を要請したことで、これが投資マネーの琴線に触れる形となった。 ■霞ヶ関キャピタル <3498> 10,010円 +790 円 (+8.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位 霞ヶ関キャピタル<3498>は4日ぶりに急反騰し1万円の大台に乗せ、上場来高値を更新した。同社は2日の取引終了後、25年8月期の連結決算の発表にあわせて、26年8月期の連結業績予想を開示した。今期の売上高予想は前期比55.4%増の1500億円、営業利益予想は同40.0%増の265億円とした。前期に達成した過去最高業績の更新を目指す。期末一括配当予想は165円(前期は240円)。9月1日付の株式分割後の基準で実質45円の増配となる。好業績への期待と株主還元姿勢への評価が高まり、投資資金が流入している。今期は物流関連では冷凍冷蔵倉庫の需要が高いうえ、ホテル関連も円安の影響により国内旅行やインバウンドの需要が更に伸びるとみる。海外事業は注力しているドバイにおいて、人口の流入や経済成長から不動産需要が増えると見込む。25年8月期は売上高が前の期比46.9%増の965億100万円、営業利益は同2.2倍の189億3300万円だった。ホテルと物流、ヘルスケア関連のいずれも順調に推移した。 ■アヲハタ <2830> 3,700円 +195 円 (+5.6%) 本日終値 アヲハタ<2830>が急反発。11月1日付けで株式交換により同社を完全子会社化するキユーピー<2809>が、2日の取引終了後に発表した第3四半期累計(24年12月~25年8月)決算を好感する形で大幅高していることに加えて、アヲハタも同じく2日の取引終了後に第3四半期累計(24年12月~25年8月)連結決算を発表し、営業利益が5億3800万円(前年同期比33.0%増)となり、通期計画を上回って着地したことが好感された。生産受託の減少の影響があったものの、家庭用のジャム・スプレッドが好調に推移したことで、売上高は160億7400万円(同1.3%増)となった。更に、収益構造の改善や不採算商品の見直しなどに取り組んだことで、原資材や物流費などのコストアップを吸収し大幅増益となった。なお、25年11月期通期業績予想は、売上高210億円(前期比2.4%増)、営業利益4億円(同3.6%増)の従来見通しを据え置いている。 ■武蔵精密工業 <7220> 3,600円 +185 円 (+5.4%) 本日終値 武蔵精密工業<7220>は切り返し急。ホンダ系の自動車部品メーカーだが、人工知能(AI)分野への取り組みにも傾注しており、そのなか戦略商品に位置付けているのがAIデータセンター向け非常用電源の高出力蓄電装置「ハイブリッドスーパーキャパシタ(HSC)」だ。同装置を米オラクルが採用を検討すると発表するなどで注目を呼んだ。中期的にもAIデータセンターの世界的な需要拡大を背景に、同装置は大規模なデータセンター運営するハイパースケーラーの需要を囲い込む可能性があり、投資マネーの関心が向いている。一方、9月後半に貸株市場を通じた売りが観測されていたが、月替わりで短期的にはこの買い戻しに対する思惑もある。 ■キユーピー <2809> 4,090円 +203 円 (+5.2%) 本日終値 キユーピー<2809>が5日ぶりに急反発した。同社が2日の取引終了後に発表した25年11月期第3四半期累計(24年12月~25年8月)の連結決算は、売上高が前年同期比6.2%増の3834億2400万円、経常利益は同9.2%減の292億1800万円、最終利益は同31.9%増の260億5500万円となった。経常利益は減益ながら通期計画に対する進捗率は約80%とまずまずの水準。工場跡地の売却に伴う特別利益の計上により、最終利益は大幅な増益となった。決算発表前に株価は調整色を強め、75日移動平均線を割り込んでいたが、海外事業は大幅な営業増益となったことも相まって、見直し買いを集めたようだ。なお、同社は通期の業績予想の修正も発表。売上高の予想をこれまでの見通しから70億円増額して5120億円(前期比5.8%増)に引き上げた。鶏卵相場の高騰により、業務用セグメントでの売上高が想定を上回る見込みとなった。利益予想は据え置いた。 ■データセクション <3905> 2,115円 +85 円 (+4.2%) 本日終値 データセクション<3905>は6日ぶりに急反発。投資助言・運用業務を手掛けるハヤテマネジメント(東京都中央区)の代表取締役、杉原行洋氏が関東財務局に変更報告書を提出した。杉原氏とハヤテマネジメントの共同保有割合が従来の16.98%から19.99%に上昇しており、思惑視した買いが入った。報告義務発生日は9月25日。保有目的は両者とも「純投資。ガバナンスを重んじつつ企業を応援し、経営陣との建設的な対話及び支援を通じて企業価値向上を目指す」としている。 ■富士通 <6702> 3,523円 +125 円 (+3.7%) 本日終値 富士通<6702>が高い。同社はきょう、米エヌビディア との戦略的協業を拡大すると発表しており、これが材料視されたようだ。これは、人工知能(AI)による企業の競争力強化を支援するAIエージェントを統合したフルスタックAIインフラストラクチャーの構築を目指すもの。ヘルスケア、製造、ロボティクスなどの領域に特化した産業向けのAIエージェントプラットフォームと、同社が開発を進める世界最先端の高性能・省電力CPU「FUJITSU-MONAKA」シリーズとNVIDIA GPUをシームレスに統合するAIコンピューティング基盤を共同で開発し提供するとしている。 ■FFRIセキュリティ <3692> 7,670円 +270 円 (+3.7%) 本日終値 FFRIセキュリティ<3692>、フィックスターズ<3687>が物色人気を集めたほか、直近大きく水準を切り下げてきた助川電気工業<7711>や、日本アビオニクス<6946>も押し目買いが優勢となるなど高市関連銘柄に位置付けられる銘柄が強い動きをみせている。あす4日に行われる自民党総裁選の投開票の結果にマーケットの関心が高いが、これまで候補者の中で大きく先行していたとみられていた小泉進次郎農林水産相が失速気味となっており、2番手とみられていた高市早苗前経済安全保障相の可能性もマーケットでは意識されているようだ。重点政策に掲げるサイバーセキュリティーや量子関連、核融合や防衛・宇宙関連などに視線が向いている。また、一部で「逆高市トレード(高市関連銘柄を空売りする動き)」の手仕舞い買い戻しも観測されているもよう。「仮に総裁選に敗れても重要ポストに就けば政策面で手腕を発揮できる可能性がある」(中堅証券ストラテジスト)という声も聞かれる。ショート戦略に注力していた向きは総裁選の結果が出る前に先にポジションを解消しておきたいという思惑も働きやすい。 株探ニュース