株価指数先物【寄り前】 4万5000円接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすい

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先物

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 44890 -40 (-0.08%)
TOPIX先物 3111.5 -25.5 (-0.81%)
シカゴ日経平均先物 44855 -75
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 30日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇した。トランプ米大統領が表明していた医薬品関税について、3年間の猶予を得たと伝えられたファイザーが急伸するなかで、メルクやアムジェン、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど製薬株が買われ、NYダウを押し上げた。ただ、10月から始まる2026会計年度の予算が成立しておらず、政府機関が一部閉鎖に陥れば、経済活動の混乱が予想されるとして相場の重荷になった。9月の米消費者信頼感指数が市場予想を下回り、5カ月ぶりの低水準だったことも神経質にさせている。

 S&P500業種別指数は医薬品・バイオテクノロジー、半導体・同製造装置、資本財が上昇した一方でエネルギー、消費者サービス、運輸の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、メルクやアムジェン、ジョンソン・エンド・ジョンソンのほか、エヌビディア、ベライゾン・コミュニケーションズが買われた。半面、セールスフォース、アメリカン・エキスプレス、アマゾン・ドット・コム、ゴールドーマン・サックス・グループが軟調。

 シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比75円安の4万4855円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比100円安の4万4830円で始まった。直後に4万4620円まで下げ幅を広げ、売り一巡後は4万4620円~4万4750円辺りで保ち合いを継続。ただ、終盤にかけてショートカバーが入り、4万4890円まで下げ幅を縮めて取引を終えている。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まりそうだ。ナイトセッションではボリンジャーバンドの+1σ(4万5060円)を下回って推移しており、節目の4万5000円が心理的な抵抗線として意識されてくる可能性はありそうだ。そのため、4万5000円に接近する局面では戻り待ち狙いのショートが入りやすいだろう。

 ただし、ナイトセッションで下落したものの、4万4890円と高値で終えていることもあり、積極的に売り込む流れにならないだろう。短期的に下へのバイアスが強まる局面では、その後のショートカバーを狙った押し目待ち狙いのロング対応となりそうである。そのため、オプション権利行使価格の4万4500円から4万5000円のレンジを想定する。

 +1σに上値を抑えられるなかで4万4500円を割り込んでくると、中心値となる25日移動平均線(4万3800円)が射程に入ってくる可能性はあるものの、週足の+1σが4万4380円辺りに位置しているため、同バンドが支持線として機能するとみておきたい。

 また、米国では製薬株の上昇が指数を押し上げる形だったが、エヌビディアやマイクロン・テクノロジーなど半導体や人工知能(AI)関連株の一角も買われていた。昨日の日経平均株価はソフトバンクグループ<9984>[東証P]やアドバンテスト<6857>[東証P]などの下げが重荷になったが、これらが底堅さをみせてくるようだと、日経225先物は+1σを捉えてくる可能性がありそうだ。

 30日の米VIX指数は16.28(29日は16.12)に上昇した。一時16.70まで上昇し、75日線(16.28)を上回る場面もみられた。その後は上げ幅を縮める動きになったが、同線が支持線に変わる動きをみせてくる可能性もあるため、市場心理を神経質にさせてくるとみられる。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.32倍に低下した。一時14.40倍をつけたが、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の値動きが不安定ななかで、リバランスが入った。+1σ(14.31倍)水準まで下げてきたことで、同バンドが支持線として機能するかを見極めたいところだ。昨日はメガバンクや保険など金融セクターへの資金シフトがみられており、+1σを明確に割り込んでくると、NTショートに振れやすくなりそうだ。

株探ニュース

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