利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 25社選出 <成長株特集>
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本特集では、7月下旬から8月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。 今回は「第1弾」(9月21日)、「第2弾」(9月25日)に続き、21日時点で時価総額250億円以上800億円未満の銘柄の中から、25年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。 下表では、本決算月にかかわらず、25年4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している25社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。 上振れ率トップとなったのは、木徳神糧 <2700> [東証S]。25年4-6月期(第2四半期)は国産米の需給が逼迫し取引価格の高騰が継続する中、家庭用を中心に販売が想定を上回るペースで推移し、経常利益は34.9億円(前年同期比4.7倍)と2四半期連続の最高益更新を遂げた。政府備蓄米の出荷を進めたうえ、原料価格の上昇分を販売価格へ転嫁したことも利益拡大につながった。業績好調に伴い、25年12月期の同利益を従来予想の41億円→78億円に上方修正し、従来の3期連続での最高益予想をさらに上乗せした。併せて、配当も中間期末の株式分割後の換算で従来の30円→70円に大幅増額修正したことも好感され、株価は8月22日に上場来高値6600円まで上昇する場面があった。 2位のセレンディップ・ホールディングス <7318> [東証G]は昨年12月に買収した自動車部品メーカーのエクセル・グループの業績上積みなどが寄与し、4-6月期(第1四半期)の経常利益は前年同期比2.8倍の5.5億円と7四半期ぶりに過去最高益を更新した。26年3月期の同利益は前期比2.5倍の18.5億円と3期連続で過去最高益を更新する見通しだ。好決算を背景に株価は9月9日に上場来高値6190円まで上値を伸ばしている。 3位のAIメカテック <6227> [東証S]はAI(人工知能)サーバー用などの先端半導体パッケージ向けウエハハンドリングシステムを中心に収益性の高い装置の出荷が伸び、4-6月期(第4四半期)の経常利益は前年同期比2.7倍の18.6億円と8四半期ぶりに過去最高益を更新した。同時に発表した26年6月期の同利益は前期比20.8%増の22.7億円と2期連続の最高益更新を見込み、配当も前期比5円増の50円に増配する計画だ。併せて、28年6月期に営業利益38億円(前期実績は21億円)を目指す中期経営計画を公表した。株価は22日に5090円と約1年半ぶりの高値をつけている。 4位のぴあ <4337> [東証P]は4-6月期(第1四半期)の経常利益が23.7億円(前年同期比3.7倍)と実に77四半期ぶりに四半期ベースの過去最高益を塗り替えた。来日アーティストの大規模公演や人気グループの全国ツアーをはじめ、大型興行、大規模フェス、プロスポーツ、ミュージカル、レジャーなどのチケット販売が好調に推移したほか、大阪・関西万博のチケットや関連出版物の販売も伸びた。26年3月期の同利益は前期比34.6%増の32億円と2期連続で過去最高益を更新する見通しだが、第1四半期実績だけで通期計画の32億円に対する進捗率は74.1%に達しており、業績上振れが有力視される。 5位に入った法人向けクラウドサービスを展開するトヨクモ <4058> [東証G]の4-6月期(第2四半期)経常利益は5.2億円(前年同期比75.3%増)と3四半期連続の最高益更新を果たした。企業がITインフラへの投資を拡大する中、サイボウズ <4776> [東証P]の業務アプリケーション構築サービス「kintone」の機能を組み合わせて業務効率化を支援する「kintone連携サービス」の契約数が大幅に増加したほか、災害発生時の安否確認サービスも伸びた。 6位の就職支援サイトを運営するワンキャリア <4377> [東証G]は、積極的な法人向けマーケティング活動などによって新規取引先が大きく増加する中、求人掲載やスカウトサービスの販売が大きく伸び、4-6月期(第2四半期)の経常利益は前年同期比48.3%増の10.3億円と4四半期ぶりに過去最高益を達成した。25年12月期の同利益は前期比43.1%増の18.5億円と5期連続で過去最高益を更新する見通しだ。株価は8月27日に上場来高値2948円をつけている。 7位のアジアパイルホールディングス <5288> [東証P]は国内外ともに主力のコンクリートパイルの出荷量が大幅に増加したほか、採算も大きく改善し、4-6月期(第1四半期)の経常利益は前年同期比3.6倍の29.4億円と11四半期ぶりに過去最高益を更新した。26年3月期の同利益は前期比75.6%増の68億円と2期ぶりの最高益を計画しているが、第1四半期実績の通期計画に対する進捗率は43.3%に達しており、業績上振れが期待される。好決算を受けて、株価は5日に約18年2ヵ月ぶりとなる上場来高値更新を果たした。 8位のビジネスエンジニアリング <4828> [東証P]は製造業の高水準なDXニーズが続く中、ソリューション事業で既存顧客から追加案件を獲得したうえ、プロジェクトの採算も改善し、4-6月期(第1四半期)の経常利益は前年同期比47.9%増の17.5億円に伸びて着地。業績好調に伴い、26年3月期上期(4-9)の同利益予想を従来の26億円→30億円に上方修正したが、通期計画52億円(前期比11.1%増)は据え置いた。好調な業績を背景に、株価は上場来高値圏を快走する展開となっている。 このほか、ULSグループ <3798> [東証S]、SBIリーシングサービス <5834> [東証G]、Solvvy <7320> [東証G]、ジェイリース <7187> [東証P]、eWeLL <5038> [東証G]、藤倉コンポジット <5121> [東証P]、くすりの窓口 <5592> [東証G]、セルシス <3663> [東証P]、エフ・コード <9211> [東証G]も決算発表後に上場来高値を更新している。 ┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想 コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER <2700> 木徳神糧 87.4 3492 1863 214 7800 2485 7.0 <7318> セレンHD 85.0 557 301 152 1850 735 21.2 <6227> AIメカ 77.8 1862 1047 20.8 2275 1884 17.7 <4337> ぴあ 74.7 2371 1357 34.6 3200 2378 23.6 <4058> トヨクモ 57.8 524 332 20.5 1400 1162 30.6 <4377> ワンキャリア 48.3 1035 698 43.1 1856 1297 35.5 <5288> アジアパイル 45.3 2946 2028 8.9 6800 6247 11.4 <4828> ビーエンジ 40.3 1750 1247 11.1 5200 4679 20.5 <7326> SBIIG 25.0 4884 3906 16.1 11000 9474 14.9 <5985> サンコール 18.0 2339 1982 22.4 4600 3757 8.1 <3798> ULSグルプ 17.3 894 762 17.5 3100 2638 22.1 <5834> SBIリーシ 16.9 2397 2050 15.1 7000 6084 8.5 <4662> フォーカス 15.5 877 759 22.9 2660 2164 13.2 <7320> Solvvy 15.1 617 536 26.5 2500 1977 16.8 <8006> ユアサフナ 14.7 953 831 2.7 3200 3116 13.0 <7187> ジェイリース 12.6 955 848 11.4 3450 3097 13.0 <5139> オープンW 11.7 506 453 9.3 1122 1027 30.6 <5038> eWeLL 9.3 413 378 31.7 1499 1138 41.8 <4013> 勤次郎 9.2 381 349 75.0 1283 733 32.7 <5121> 藤コンポ 5.7 1663 1574 1.1 5200 5144 9.9 <5592> くすりの窓口 4.9 645 615 10.1 2135 1940 22.8 <9687> KSK 4.2 876 841 7.7 2700 2506 13.3 <3663> セルシス 4.1 781 750 10.3 2514 2279 33.7 <9211> エフ・コード 2.4 553 540 53.8 2033 1322 19.4 * <4025> 多木化 0.1 1238 1237 12.3 3550 3161 11.0 ※2024年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。 ※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。 株探ニュース