利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 27社選出 <成長株特集>
投稿:
本特集では、7月下旬から8月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。 今回は21日に配信した時価総額4000億円以上の銘柄を対象とした「第1弾」に続き、21日時点の時価総額が800億円以上4000億円未満の中から、25年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。 下表では、本決算月にかかわらず、25年4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している27社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。 上振れ率トップとなったのは、婦人下着最大手のワコールホールディングス <3591> [東証P]。25年4-6月期(第1四半期)の税引き前利益は200億円とこれまでの過去最高益を2.4倍も上回って着地。不採算事業の売却や英ブラビッシモグループの買収効果などで採算が改善したことに加え、京都市のオフィスビル売却に伴う売却益を計上したことも利益を大きく押し上げた。26年3月期の同利益は前期比4.0倍の226億円に急拡大し、22年3月期から採用した国際会計基準(IFRS)以降の過去最高益を2期連続で更新する見通しだ。株価は8月14日に上場来高値6055円まで上値を伸ばす場面があった。 2位のヨネックス <7906> [東証S]は4-6月期(第1四半期)の経常利益が前年同期比59.5%増の59.5億円と過去最高益を達成した。主力のバドミントン用品は代表チームの活躍などを背景に最大市場である中国を中心に販売が大きく伸びた。また、テニス用品は国際大会での同社契約選手の活躍がブランド認知拡大につながったほか、国内や北米ではラケット新製品の販売も伸びた。26年3月期の同利益は前期比4.6%増の146億円と5期連続の最高益更新を計画するが、第1四半期実績だけで通期計画に対する進捗率は40.8%に達しており、業績上振れが期待される。 続く3位には半導体計測器具のプローブカードやFPD検査装置を主力とする日本マイクロニクス <6871> [東証P]が入った。4-6月期(第2四半期)は生成AIが牽引するメモリー半導体の市場成長を追い風に、HBM(広帯域メモリー)など向けにプローブカードの需要が高水準で推移し、経常利益は44.9億円と過去最高だった前年同期実績を32.1%上回って着地。併せて、非開示だった通期の同利益は前期比8.6%増の133億円と2期連続で過去最高益を更新する見通しを示した。株価は半導体株高の流れに乗り、年初来高値圏を走る展開となっている。 4位に入ったのは、ヨウ素生産で世界大手の伊勢化学工業 <4107> [東証S]。4-6月期(第2四半期)はヨウ素製品の販売数量が増加したうえ、ヨウ素の国際市況が引き続き堅調に推移し、売上高110億円(前年同期比30.3%増)、経常利益27.8億円(同36.4%増)といずれも3四半期ぶりに過去最高を更新した。25年12月期の同利益は前期比4.9%増の78億円と4期連続で過去最高益を更新する見通しだ。 5位の第四北越フィナンシャルグループ <7327> [東証P]は、日銀の利上げに伴う貸出金利の上昇を背景に資金利益が膨らみ、4-6月期(第1四半期)の経常利益は前年同期比18.5%増の175億円に伸びて着地。26年3月期の同利益は前期比16.8%増の480億円と5期連続で最高益更新を目指す。銀行では、九州フィナンシャルグループ <7180> [東証P]が9位、名古屋銀行 <8522> [東証P]が11位、三十三フィナンシャルグループ <7322> [東証P]が18位に入っている。 6位にリスト入りしたハピネット <7552> [東証P]の4-6月期(第1四半期)は経常利益が前年同期比17.1%増の40.6億円と4四半期ぶりの最高益更新を果たした。カプセル玩具市場が拡大する中、カプセルトイショップの出店増加によってアミューズメント事業の収益が大きく伸びたほか、ビデオゲーム事業では任天堂 <7974> [東証P]の新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ2」や関連アクセサリーなどの販売が好調だった。26年3月期の同利益は前期比0.3%増の120億円と5期連続の最高益更新を見込む。株価は8月28日に上場来高値7060円をつけたあとに調整局面入りしたが、24日に上期の業績予想を大幅に上方修正したことを受けて翌日はストップ高に買われ、再び上場来高値を更新している。 このほか、Genky DrugStores <9267> [東証P]、エムアップホールディングス <3661> [東証P]、トーカロ <3433> [東証P]、ダイダン <1980> [東証P]、ジャパンエンジンコーポレーション <6016> [東証S]も決算発表後に上場来高値を更新している。 ┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想 コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER <3591> ワコールHD 135 20086 8547 297 22600 5693 19.2 * <7906> ヨネックス 45.1 5954 4102 4.6 14600 13964 30.9 <6871> 日本マイクロ 32.1 4492 3401 8.6 13300 12250 25.5 <4107> 伊勢化 20.3 2786 2316 4.9 7800 7437 27.1 <7327> 第四北越FG 18.5 17506 14776 16.8 48000 41112 10.9 <7552> ハピネット 17.1 4068 3474 0.3 12000 11963 21.8 <2317> システナ 15.1 3747 3255 13.9 13500 11855 20.0 <9889> JBCCHD 13.5 1888 1663 9.3 6900 6314 17.5 <7180> 九州FG 10.8 19123 17257 11.7 48000 42991 11.8 <9267> Genky 10.6 2853 2580 8.1 10700 9899 20.1 <8522> 名古屋銀 8.9 7313 6715 3.8 21700 20899 10.9 <3661> エムアップ 8.6 1408 1297 14.3 4700 4113 29.4 <3433> トーカロ 7.0 4054 3790 3.5 13000 12561 15.7 <8050> セイコーG 6.8 8488 7951 13.1 23500 20769 17.1 <8919> カチタス 6.0 4199 3960 13.1 15700 13876 20.5 <6088> シグマクシス 6.0 1727 1629 20.1 7060 5876 15.7 <5805> SWCC 5.2 4952 4707 92.4 23500 12213 15.5 <7322> 三十三FG 2.6 3763 3666 33.6 15700 11751 8.3 <7864> フジシール 2.2 5635 5512 7.5 19700 18323 9.1 <6498> キッツ 2.0 4377 4291 2.1 15600 15276 13.3 <3569> セーレン 1.9 5705 5600 2.7 19800 19277 12.5 <6544> Jエレベータ 1.5 2513 2475 16.0 10000 8621 58.4 <9830> トラスコ中山 1.4 5899 5817 13.4 22752 20056 10.3 <4071> PAコンサル 1.3 1638 1617 33.3 6050 4540 25.3 <1980> ダイダン 0.9 10066 9978 1.4 23800 23479 15.2 <6016> ジャパンエン 0.6 1892 1880 7.9 5850 5421 23.0 <7970> 信越ポリ 0.3 3985 3973 5.9 14000 13218 16.7 ※2024年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。 ※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。 株探ニュース