開催迫る業界最大のイベント、「東京ゲームショウ」で浮上する妙味株6選 <株探トップ特集>

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コラム

―業種の枠組み超えたすそ野拡大続く、秋口以降の新作発表にも期待高まる―

 言うまでもなく、「ゲーム」は世界中の幅広いファン層を抱え、その動向は株式市場から熱い視線を浴びている。そんなゲーム業界の最大の祭典である「東京ゲームショウ2025」が今週開催される。今回のゲームショウには、俳優・声優の本郷奏多氏、タレントの林佑香氏、元プロゲーマー&YouTuberけんき氏、アイドルグループでんぱ組.incの元メンバー最上もが氏、Vtuberの猫宮ひなた氏といった面々がサポーターやインフルエンサーなどで参加することも話題だ。熱気高まるゲーム関連銘柄に焦点を当てた。

●ゲームショウの出展社数は史上最多の水準に

 今年も日本最大級のゲームの祭典「東京ゲームショウ(TGS)」の季節がやってきた。開催期間はビジネスデイが9月25~26日、一般公開日が27~28日となる。9日時点の出展社数は1138 社(オンライン出展28社含む)で、国内出展523社、海外出展615社。リアル会場の出展小間数も4159小間となっており、出展社数、出展小間数ともに史上最多だった24年を大きく上回る規模での開催となることが確実とみられている。

 ゲームはあまり詳しくないという投資家も少なくないかもしれないが、実際のゲーム業界のすそ野は確実に広がっている。直近の企業動向で言えば、例えばJ.フロント リテイリング <3086> [東証P]によるTOB成立で20年3月に上場廃止となったパルコの動向が象徴的だ。商業デベロッパーである同社は23年にゲーム事業専門チームを発足し、今年8月にゲームパブリッシング事業に本格参入することを発表して話題になった。大手出版社の講談社も21年6月に「講談社クリエイターズラボ」というR&D部署を創立して、インディーゲームに参画している。同じく大手出版社の集英社も、22年2月に集英社ゲームズを設立し、本格的にゲーム事業に取り組んでいる。東映アニメーション <4816> [東証S]は、「東京ゲームショウ2024」にも出展した「ゲゲゲの鬼太郎」を原作としたインディーゲーム「ノロイカゴ ゲゲゲの夜」で同市場に参入したが、オンラインゲーミングプラットフォーム「Roblox」で24年11月には「Hypergalactic: Monkey Quest」をリリースしている。松竹 <9601> [東証P]もゲーム事業に進出しており、東京ゲームショウに初出展する予定だ。

 とりわけ少人数、低予算で開発されたゲームを主に指す「インディーゲーム」が活況となっていることからは目が離せない。少人数、低予算という低リスクにもかかわらず、ヒットすれば大きなリターンを狙えることから、企業が熱視線を送っているのだ。実際、開発自体にはパソコン1台とプログラミング知識、そしてUnityやUnreal Engineといった基本無料のゲームエンジンなどがあれば取り掛かれてしまう。

●任天堂やコナミGなどの展開に関心高まる

 また、ソニーグループ <6758> [東証P]と並ぶゲーム関連の主役銘柄である任天堂 <7974> [東証P]は東京ゲームショウ2025には出展しないが、10月4~5日に東京ビッグサイトで「Nintendo Live 2025 TOKYO」を開催する。「マリオカート ワールド」や「スプラトゥーン3」のゲーム大会のほか、世界各地から招待するプレイヤー同士が競うステージイベント「マリオカート ワールド: Invitational 2025」、Nintendo Switch2のゲーム体験などが行われる。

 大手ゲームメーカーでは、コナミグループ <9766> [東証P]は「桃太郎電鉄2 ~あなたの町も きっとある~」や、「SILENT HILL f」「幻想水滸伝 STAR LEAP」「空の軌跡 the 1st」といった新作グローバルタイトルをゲームショウに出展する。スクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> [東証P]は、旗艦タイトルである「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」シリーズの新作ゲームを出展する。セガサミーホールディングス<6460>はセガ/アトラスブースにおいて、レーシングゲーム「ソニックレーシング クロスワールド」をはじめ、「ペルソナ3 リロード」のNintendo Switch2版など多数タイトルを出展する。

 コーエーテクモホールディングス <3635> [東証P]からは、10月発売の「NINJA GAIDEN 4」や11月発売の「ゼルダ無双 封印戦記」、26年発売の「仁王3」などが出展される。バンダイナムコホールディングス <7832> [東証P]は、今後発売予定の最新家庭用ゲーム「リトルナイトメア3」「デジモンストーリー タイムストレンジャー」「ワンス・アポン・ア・塊魂」「CODE VEIN II」の4タイトルを出展する。

 カプコン <9697> [東証P]は26年発売の「バイオハザード レクイエム」「モンスターハンターストーリーズ3 ~運命の双竜~」「鬼武者 Way of the Sword」など多数のゲームタイトルを出展する。各社とも近く発売を予定しているタイトルで話題性が高まるようなら、業績拡大への期待も強まりそうだ。以下では、今回初出展する企業やゲーム環境をより充実させるソリューションなどを手掛けている企業、更に話題性から注目が集まりそうな銘柄を紹介する。

●ドリコムやミズノ、東プレなど注目

 キヤノン <7751> [東証P]~同社は「東京ゲームショウ」に初参加する。マルチアングルライブ配信が誰でも簡単にできるスマホアプリ「Live Switcher Mobile」を展示。実際にゲームをプレイしながら、ゲーム配信体験ができるほか、同社製カメラとの組み合わせによる高画質映像の配信も試すことができる。

 ミズノ <8022> [東証P]~同社も「東京ゲームショウ」初出展となる。スポーツ品の研究開発を通じて培ったノウハウを生かし、開発中のゲーミングチェア、ゲーミングコントローラー、ゲーミングアームカバーなどを体感できる。

 ドリコム <3793> [東証G]~「Wizardry」シリーズの3DダンジョンRPG「Wizardry Variants Daphne(ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ)」のブースを初出展する。「Wizardry」シリーズの多数の新作グッズを取り揃えた物販ブースも出展する。

 J.フロント リテイリング <3086> [東証P]~前出の同社傘下のパルコは、インディーゲーム領域に特化したゲームパブリッシング事業に本格参入。8月に新レーベル「PARCO GAMES」を創設しており、「東京ゲームショウ2025」に初出展する。「南極計画」「Constance」「The Berlin Apartment」の3タイトルが体感できる。

 GMOメディア <6180> [東証G]~GMOインターネットグループ <9449> [東証P]傘下の同社は、9月1日より新たなブラウザゲームプラットフォーム「Vポイントゲームパーク」をリリースし、Vポイントとの連携を開始している。ユーザーがゲームをプレイすることでVポイントを獲得でき、さまざまな特典が用意されている。

 東プレ <5975> [東証P]~REALFORCEブランドでゲーミングキーボードを手掛けており、3月には同社主催によるタイピング日本一を決める大会「Weather Typing」を開催した。また、昨年9月にはホロライブのVTuberとコラボしたキーボードなども発表している。

株探ニュース

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