株価指数先物【寄り前】 +2σが抵抗として意識される可能性
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大阪12月限ナイトセッション 日経225先物 44630 +20 (+0.04%) TOPIX先物 3127.0 +2.0 (+0.06%) シカゴ日経平均先物 44575 -35 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 17日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は市場予想通り、0.25%の利下げを決定した。政策金利見通しは、年内に0.25%の利下げを2回予想するFOMC参加者が過半数を占めた。利下げが米経済を支えるとの見方から買いが優勢となり、NYダウは一時500ドルあまり上昇する場面もあった。 半面、エヌビディアが2%を超す下落となった。中国当局が国内大手テクノロジー企業に対し、同社製の新たな半導体の一つを購入しないよう指示したと伝えられたことが嫌気された。この影響でブロードコム やパランティア・テクノロジーズ が下げるなど、他のハイテク株に売りが広がった。 S&P500業種別指数は銀行、家庭用品・パーソナル用品、各種金融が上昇した一方で、半導体・同製造装置、運輸、小売の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、アメリカン・エキスプレス 、キャタピラー 、ビザ 、プロクター・アンド・ギャンブル が買われた。半面、エヌビディア、ホーム・デポ 、アマゾン・ドット・コム 、スリーエム が軟調。 シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比35円安の4万4575円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比50円高の4万4660円で始まった。その後は軟化し4万4500円を割り込んだが、米国市場の取引開始後にプラス圏を回復。買い一巡後は4万4500円~4万4600円辺りで保ち合い、終盤にかけて4万4350円まで下押した直後に4万4710円まで切り返すなど荒い値動きが目立ち、4万4630円でナイトセッションの取引を終えている。 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや売り先行で始まることになろう。FOMCの結果は予想通りであり、買い戻しを誘う可能性はあるだろう。ただし、中国当局のエヌビディア製品締め出しの影響により、足もとで日経平均型を牽引してきたアドバンテスト<6857>[東証P]などの半導体株の一角には利益確定の売りが出やすく、重荷になりそうだ。 もっとも、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は19日に直接会談に臨む予定であり、積極的にショートを仕掛けてくる流れにはならないだろう。短期的に下へのバイアスが強まる局面があれば、その後のカバーを狙った押し目待ち狙いのロング対応となろう。 日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(4万4800円)を超えられなかったことで、同バンドが抵抗として意識されそうだ。そのため、オプション権利行使価格の4万4375円から4万4875円のレンジを想定する。4万4750円辺りが日経平均株価の4万5000円に相当するため、この水準での攻防が続くようだと徐々にショートが積み上がってくることになりそうだ。 17日の米VIX指数は15.72(16日は16.36)に低下した。一時16.75まで上昇する場面もみられ、上値抵抗として意識される75日移動平均線(16.57)を上回った。ただ、その後は同線に上値を抑えられる形で下げに転じており、15.26と25日線(15.35)を割り込む場面もあった。FOMCを無難に通過したことで、リスク選好に向かわせやすい。 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.27倍に上昇した。6月30日につけた14.24倍を明確に上抜け、一時14.30倍まで切り上がる場面もみられた。方向性としては1月高値の14.54倍が次のターゲットとして意識されるが、ハイテク株が日経平均型の重荷になる可能性から、本日のところはリバランスが入りやすくなりそうだ。 株探ニュース