富田隆弥の【CHART CLUB】 AI相場で躍進も注意シグナル点灯、25日線を注視
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「AI相場で躍進も注意シグナル点灯、25日線を注視」 ◆今年は株式市場の残暑相場も強烈だ。日経平均株価は25日移動平均線(11日時点4万2836円)を支持線として上昇を続け、史上最高値を4万4000円台に伸ばしてきた。米国で9月の利下げが確実視されるほか、オラクルなどAI(人工知能)関連株の上昇を受けて、日本でもAI・半導体関連株が買われて上げ足を速めており、4万5000円台乗せも時間の問題になってきた。 ◆スピード調整を挟みながらの上値追いは強く、まさに「流れに従え」の格言を体現するかのような展開である。とはいえ、テクニカル指標や需給動向を無視するわけにはいかない。チャートには再び「注意信号」が灯り始めてきた。 ◆例えば11日時点の日足チャートでは、順位相関指数(短期9日RCI:93%)や移動平均線の総合カイ離率(27.5%)、サイコロジカルライン8勝4敗など高値警戒を示すシグナルが確認できる。また、7月以降の上昇・下降の波動には「10日周期」が見て取れる。9月1日安値から日足で10本目は12日になるが、この日はメジャーSQ(先物・オプション取引の特別清算指数算出)と重なる。 ◆週足チャートは4月7日安値の3万0792円から5カ月が過ぎ、RCI(13週、26週)が90%台に集まる。加えて、日経平均株価のPER(株価収益率)は18.03倍と2021年5月以来の水準、PBR(株価純資産倍率)は1.60倍と2008年6月以来の水準にあり、そろそろ調整を入れてもおかしくない。 ◆騰落レシオは8月13日(155.21%)をピークに下落に転じ、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数が拮抗する日が増えてきた。現在の相場はソフトバンクグループ <9984> [東証P]とアドバンテスト <6857> [東証P]のAI・半導体関連2社が日経平均株価の上昇を牽引していると言っても過言ではない。しかし、この2社の上げには10日上場のアクティブETFのiシェアーズ AI グローバル・イノベーション <408A> [東証E]や12日のメジャーSQという特殊要因が影響していた可能性も否定できない。これらを踏まえると、9月後半の相場は乱高下しやすく、下値支持として機能してきた25日線に対する注視は怠れない。 (9月11日 記、毎週土曜日に更新) 情報提供:富田隆弥のチャートクラブ 株探ニュース