話題株ピックアップ【夕刊】(1):キオクシア、エニーカラー、ソフトバンクG

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■マンダム <4917>  1,784円   +300 円 (+20.2%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 マンダム<4917>がストップ高。同社は10日の取引終了後、MBO(経営陣が参加する買収)を実施すると発表。株式取得を目的に設立したカロンホールディングス(東京都千代田区)がマンダムに対し、非公開化を目的としてTOB(株式公開買い付け)を実施する。TOB価格は1株1960円で、マンダムの株価はこれにサヤ寄せする動きとなった。買付予定数の下限は2528万5200株(所有割合56.02%)で、上限は設定しない。9月下旬をメドに買い付けの開始を目指すとしている。TOB成立後、所定の手続きを経て、マンダムは上場廃止となる見通し。東京証券取引所は10日、マンダムを監理銘柄(確認中)に指定した。

■サトウ食品 <2923>  9,680円   +1,500 円 (+18.3%) ストップ高   本日終値
 サトウ食品<2923>はストップ高。10日取引終了後に5~7月期連結決算を発表。売上高は前年同期比18.5%増の89億4100万円、営業利益は同6.1倍の8億6400万円だった。包装米飯、包装餅製品とも主力製品を中心に販売が堅調だった。利益面では各種原材料費・物流費の価格高騰の影響を増収効果で吸収し、減価償却費負担の減少も寄与して大幅増となった。好決算を評価した買いを呼び込んだ。

■キオクシア <285A>  4,005円   +520 円 (+14.9%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位
 キオクシアホールディングス<285A>が急騰し、上場来高値を更新した。モルガン・スタンレーMUFG証券が10日、キオクシアの目標株価を2900円から3900円に増額修正した。投資判断は「オーバーウェート」を継続する。ハイパースケーラーがAI投資やHDD(ハードディスクドライブ)の需給ひっ迫を背景に、エンタープライズSSDデータへ大量発注を実施し、これを契機に直近でNANDフラッシュ市場は大きく改善していると指摘。同証券はキオクシアの業績予想も引き上げている。

■ANYCOLOR <5032>  5,650円   +700 円 (+14.1%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率4位
 ANYCOLOR<5032>はストップ高。10日取引終了後、26年4月期単独業績予想について売上高を前期比16.6~21.3%増の500億~520億円、営業利益を同25.9~32.1%増の205億~215億円に上方修正すると発表した。従来予想(売上高490億~510億円、営業利益190億~200億円)におけるレンジ上限を上回る水準となっており、これを好感した買いが集まった。Vチューバーユニットの周年施策や季節性の大型施策が奏功し、グッズ販売などのコマース売上高が計画を上回る進捗となったため。イベント売上高も想定超に。あわせて発表した第1四半期(5~7月)決算は売上高が前年同期比2.1倍の157億6800万円、営業利益が同2.6倍の70億300万円と好調だった。なお、配当については従来予想を据え置いた。

■ソフトバンクグループ <9984>  17,905円   +1,625 円 (+10.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位
 ソフトバンクグループ<9984>が目先筋の利食いをこなし強調展開を継続。前日の米国株市場では引き続き人工知能(AI)関連や半導体関連などが物色人気を集めており、東京市場でもこの流れが波及しやすくなっている。そのなか、ナスダック総合株価指数の最高値更新基調が続いていることで、ナスダック市場と株価連動性の高い同社株には追い風となっているほか、前日は傘下の英半導体設計アーム・ホールディングスが9.5%高と急騰しており、含み益拡大の恩恵が意識され株価の刺激材料となった。ソフトバンクGは前日に断トツの売買代金で7.3%高と値を飛ばし、日経平均株価の最高値更新の立役者となったが、きょうも出遅れた向きの押し目買いが利益確定売りを吸収する形となっている。

■三櫻工業 <6584>  948円   +67 円 (+7.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位
 三櫻工業<6584>が急動意。生成AIの普及が急速に進むなか、世界的なデータセンター増設需要が顕在化している。光ファイバーや光コネクターなどインフラ面で必須となる物理的なニーズを背景に、電線株を筆頭とする周辺メーカーの株価を刺激しているが、中期的なランニングコストとして電力への膨大な需要も今後さらに浮き彫りとなりそうだ。電力消費と合わせて注目される案件として発熱問題があり、これに対応する技術もデータセンターのキャパシティを強化する過程で大きな課題となっている。そのなか、同社はサーマルソリューション(水冷システム)で先駆しており、データセンター普及の関連有力銘柄として浮上している。同社のサーマルソリューションはスーパーコンピューター「富岳」でも採用実績があり、その実力は証明されている。株価指標面ではPBRが0.7倍台で解散価値を2割以上下回っており、増配や自社株買いなど株主還元への期待も根強い。

■三菱総合研究所 <3636>  5,240円   +370 円 (+7.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率8位
 三菱総合研究所<3636>はマドを開けて上放れ、年初来高値を更新した。同社は10日の取引終了後、25年9月期の連結業績予想について経常利益をこれまでの75億円から88億円(前期比8.0%増)、最終利益を41億円から57億円(同13.9%増)に引き上げたと発表した。各利益がこれまでの減益予想から一転して増益予想となり、評価された。売上高は据え置いた。シンクタンク・コンサルティングサービス部門は官公庁からの好調な受注などを背景に高い稼働率を維持。人員の再配置や経費抑制などの効果の発現や、持ち分法投資利益の増加を見込む。ITセグメント部門は不採算案件が収束する見通しになっていることに加え、経費の圧縮が進み、利益率が改善する。そのほか、同社は保有する株式の一部売却に伴う特別利益も計上する。

■日本電子材料 <6855>  3,160円   +201 円 (+6.8%)  本日終値
 日本電子材料<6855>が上げ足を強めフシ目の3000円大台に乗せてきた。同時に8月25日につけた年初来高値2993円をクリアし、再び新値街道に突入している。同社は半導体検査用プローブカードの専業メーカー大手として業界の先陣を走っている。売上高の半分を海外で稼ぐグローバルニッチトップの一角だが、近年は世界的に建設ラッシュとなっているAIデータセンター向けで、HBM(高帯域幅メモリー)などAI半導体用プローブカードの需要が高水準で収益機会が高まっている。26年3月期業績予想は営業利益段階で37億5000万円(前期比18%減)と2ケタ減益を見込んでいるが、第1四半期である25年4~6月期に前年同期比25%増の14億7500万円と大幅な伸びを確保しており、通期見通しも大きく上方修正される可能性がマーケットでは意識されているもようだ。

■meito <2207>  2,261円   +79 円 (+3.6%)  本日終値
 meito<2207>が反発し、年初来高値を更新した。10日の取引終了後、特別利益の計上を発表。これに伴い、26年3月期の最終利益予想を従来の見通しから8億円増額して28億円(前期比40.7%減)に引き上げており、材料視された。政策保有株式の見直しや資産効率の向上などを目的として、上場有価証券1銘柄を売却した。投資有価証券売却益は12億2400万円。第2四半期(7~9月)に特別利益を計上する。

■SWCC <5805>  8,590円   +290 円 (+3.5%)  本日終値
 SWCC<5805>がマドを開けて大幅高に買われた。前日の米国株市場ではクラウドサービス大手のオラクルが36%高と暴騰したが、これは決算発表で6~8月期の受注残高が飛躍的に伸びていることをポジティブ視したものだ。米AIベンチャーであるオープンAIと今後5年間で3000億ドル(約44兆円)の契約を結んだことが受注拡大の原動力となっている。生成AI市場の急拡大を背景にAIデータセンターの増設需要はうなぎ登りとなっており、相対的にインフラで遅れる日本も今後はAI特需に対応したデータセンターの建設ラッシュが見込まれる。そのなか、同社はデータセンター向け通信デバイスや電力関連製品などが好調で収益に貢献しており、26年3月期は最終利益が前期比32%増の150億円と大幅な伸びで連続ピーク利益更新見通しにある。戦略商品に位置付けられる環境配慮型の高電圧電力ケーブル用コネクター「SICONEX」は電力ケーブル同士の接続や、変電所内にある電力機器との接続などに必須のアイテムとして注目度が高い。

株探ニュース

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