話題株ピックアップ【夕刊】(1):イビデン、東京計器、日本オラクル

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材料

■アクセルHD <402A>  986円   +150 円 (+17.9%) ストップ高   本日終値
 アクセルスペースホールディングス<402A>がストップ高。同社はきょう、子会社のアクセルスペースが地球観測における国際的な連携を推進する枠組み「地球観測に関する政府間会合(GEO:Group on Earth Observations)」のアソシエイトに、日本の民間企業として初めて認定されたと発表。これが材料視されたようだ。GEOは、日本を含む100カ国以上の政府と、研究機関や民間企業、市民社会などから150以上の組織が参加する国際的な枠組み。地球規模の課題解決に向けて、地球観測データや社会経済データ、研究と科学、その他の情報を統合したユーザー主導の「Earth Intelligence(地球インテリジェンス)」の開発に取り組んでいる。同社は今回GEOアソシエイトに認定されたことで、日本でGEOを担当する文部科学省をはじめ各国の政府や参加組織との連携拡大や知見共有、市場ニーズの把握、新規ビジネス開拓の機会を得られるとともに、グループの国際的な信用と知名度が一層高められるとしている。

■イビデン <4062>  7,820円   +622 円 (+8.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位
 イビデン<4062>が急動意、一時10%を超える上昇で7958円まで上値を伸ばし、8月25日につけた年初来高値7580円を大きく上回った。昨年1月以来約1年8カ月ぶりとなる8000円台回復を目前に捉えている。きょうの東京市場では米オラクルの目を見張る好決算を受け、データセンター関連株の人気が再燃している。そのなか高水準のAIサーバー用ICパッケージで需要を取り込む同社の存在が見直されている。市場関係者は「(イビデンは)エヌビディアのGPU向けパッケージ基板で8割以上の圧倒的シェアを誇っており、これはAIデータセンター増設の恩恵を直接的に享受できることを意味する」(中堅証券ストラテジスト)とし、同社株の上値余地の大きさに肯定的だ。また、「9日付でCLSA証券が同社株の目標株価を7700円から9300円に引き上げるとともに、投資判断をアウトパフォームからハイコンビクション(HC)アウトパフォームに引き上げた。HCは株価がアウトパフォームすることに高い確信を持った場合にリストアップされるもの。株価の強調展開に対し(評価が)やや遅れた感はあるものの、インパクトがあったようだ」(同)としている。

■東京計器 <7721>  4,525円   +255 円 (+6.0%)  本日終値
 東京計器<7721>は大幅高で5連騰。SMBC日興証券は9日、東京計器の目標株価を従来の4100円から5200円に増額修正した。投資評価は最上位の「1」を継続する。中期経営計画の最終年度である27年3月期の防衛・通信機器の利益率見通しが引き上げられたことにより、想定よりも早期に利益率の改善が顕在化する確度が高まったと指摘。今後の焦点は防衛予算増額の可能性に移るとの見方を示す。

■日本オラクル <4716>  16,150円   +880 円 (+5.8%)  本日終値
 日本オラクル<4716>が大幅高で3連騰。米オラクルが9日に発表した25年6~8月期(第1四半期)の決算は、売上高が前年同期比12%増の149億2600万ドル、純利益は微減の29億2700万ドルとなった。市場が注目したのは、受注指標となる残存履行義務総額で、第1四半期末時点で4550億ドルと、前四半期となる3~5月期末の1380億ドルから急増した。一連の発表を受け、米オラクルの株価は時間外取引で急騰。これを受け日本法人である日本オラクルに対しても、事業環境は当面は良好な状態が続くとの思惑が広がったもようだ。8月上旬以降日本オラクルの株価は調整を続けて200日移動平均線を下回って推移していたこともあって、値頃感を意識した投資資金も流入した。

■フジクラ <5803>  13,630円   +725 円 (+5.6%)  本日終値
 フジクラ<5803>は売買代金上位で急速に切り返す動き。新値街道への復帰を視野に入れているほか、古河電気工業<5801>も物色人気を集め、8000円台後半のもみ合いを上放れる動きとなっている。米オラクルが現地時間9日引け後に発表した決算で、8月末時点の受注残高が5月末と比較して3.3倍となる4550億ドルに急拡大したことが分かった。クラウド基盤事業で米オープンAIなど複数社と大型契約を締結したことで、今後トップラインの急拡大が見込まれる状況となり、オラクルの株価は時間外取引で30%近い急騰を演じた。ハイパースケーラーの動きが加速するなか、オラクルのデータセンター利用が飛躍的な伸びを示しており、これを受けて東京市場でもデータセンター向け光ファイバーや光コネクターなどの光関連デバイスを手掛ける電線株への物色人気に波及する形となっている。

■関西電力 <9503>  2,230円   +112.5 円 (+5.3%)  本日終値
 関西電力<9503>は大幅高。アクティビスト(物言う株主)として知られる米エリオット・マネジメントが関西電の大株主に浮上したことが日本時間10日午前に明らかとなった。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が伝えた。これを受けて思惑的な買いが集まった。

■弁護士ドットコム <6027>  3,720円   +160 円 (+4.5%)  本日終値
 弁護士ドットコム<6027>が反発。同社は9日、運営する法律書籍サブスクリプションサービスについて、弘文堂(東京都千代田区)とパートナーシップを締結したと発表した。弁護士COMが展開する「弁護士ドットコムLIBRARY」「BUSINESS LAWYERS LIBRARY」で10月8日から弘文堂の書籍の掲載が始まる。両サービスで提供する法律書籍の出版社数は業界最多の46社となる。

■Terra Drone <278A>  4,265円   +145 円 (+3.5%)  本日終値
 Terra Drone<278A>が3日ぶりに反発。9日の取引終了後、自社開発の屋内点検用ドローン「Terra Xross 1」について、台湾最大級の産業用ドローン代理店である台湾儀器行と販売契約を締結したと発表しており、好材料視された。提携により、台湾市場への販路を拡大するのが狙い。特に、これまで飛行性能の不安定さや高価格が障壁となりドローンの導入が進んでいなかった台湾の主要な政府機関などへのアプローチを強化することが可能になるとしている。なお、同件による26年1月期業績への影響は軽微としている。

■アドバンテスト <6857>  13,125円   +415 円 (+3.3%)  本日終値
 アドバンテスト<6857>は強弱観対立。前日は2700億円を超えるプライム市場で断トツの売買代金をこなして大幅高を演じ、上場来高値を大きく更新したが、直近5営業日で3割近く時価総額を膨張させていることもあり目先高値警戒感からの利益確定売り圧力も意識される状況にある。ただ、下値では出遅れた向きの押し目買いニーズも活発で、引き続きマーケットの視線は熱い。前日は同社の最大顧客である米エヌビディアが続伸したほか、時間外でも買われておりこれが株価の下支え材料として働いている。日本時間10日に米資産運用会社大手のブラックロックが人工知能(AI)関連銘柄に投資するETFを東京市場に上場させるが、米AI企業だけでなくアドテストやソフトバンクグループ<9984>など日本を代表する企業も組み入れており、同ETFの動向にもマーケットの関心が集まりやすい。

■三菱UFJ <8306>  2,324円   +64 円 (+2.8%)  本日終値
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>など銀行株が軒並み高となった。米ブルームバーグ通信が9日、「日本銀行は、石破茂首相の退陣表明を受けて国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない姿勢だ」と報じた。政策金利の引き上げによる事業環境の更なる改善を期待した買いが銀行株に入ったようだ。記事では9月の金融政策決定会合においては政策金利の維持を決める公算が大きいとしながら、当局者の一部には早ければ10月にも利上げが適切になるとの見方もあると指摘している。また、ロイター通信は同日、「日銀が10―12月の国債買い入れ計画で、残存10年超25年以下の買い入れ額を小幅に減らす可能性が高いことが分かった」と報じている。超長期金利には直近で上昇圧力が掛かっていたが、国債発行額に対する10年超25年以下のゾーンの買い入れ額の比率が高まっており、20年債入札の結果や市場動向などを見極めたうえで最終決定するとみられる、と伝えている。

株探ニュース

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