株価指数先物【寄り前】 新政権への期待から押し目狙いのロング対応
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大阪9月限ナイトセッション 日経225先物 42870 -200 (-0.46%) TOPIX先物 3095.5 -14.0 (-0.45%) シカゴ日経平均先物 42890 -180 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 5日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。8月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比2万2000人増だった。市場予想(7万5000人増程度)を大きく下回ったことで、悪化傾向にある労働市場への懸念が強まり、NYダウの下落幅は一時400ドルを超えた。ただ、米連邦準備理事会(FRB)が、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅な利下げに踏み切る可能性が強まったとの見方から、終盤にかけて下げ幅を縮めた。 S&P500業種別指数は、自動車・同部品、不動産、ヘルスケア機器・サービスが上昇した一方で、銀行、エネルギー、各種金融の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、セールスフォース、シャーウィン・ウィリアムズ 、ホーム・デポ 、ユナイテッドヘルス・グループ が買われた一方で、JPモルガン・チェース 、エヌビディア 、シェブロン 、マイクロソフト が軟調。 シカゴ日経平均先物の清算値は大阪比180円安の4万2890円だった。日経225先物のナイトセッションは日中比20円安の4万3050円で始まった。その後はロング優勢の流れのなかで4万3200円まで上げ幅を広げる場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始後に軟化し、一気に4万2590円まで下落幅を広げた。売り一巡後は終盤にかけてショートカバーが優勢となり、4万2870円でナイトセッションの取引を終えた。 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになりそうだ。ボリンジャーバンドの+1σ(4万3290円)が上値抵抗として機能する形になったが、下へのバイアスが強まる局面では25日移動平均線(4万2410円)が支持線として意識されており、25日線と+1σとのレンジ内での推移だった。朝方は売りが先行することになりそうだが、レンジ下限に接近する局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。 また、石破茂首相は7日、首相官邸で記者会見を行い、辞任する意向を表明した。党内の分断を避けるため続投を断念し、臨時総裁選挙の手続きを実施するよう森山裕幹事長に伝えた。政治の不確実性が警戒される一方で、新政権に対する期待などの思惑が高まる可能性があり、短期的な売買から方向感をつかみにくくさせそうだ。ただ、政策期待から押し目買い意欲は高まるとの見方がコンセンサスになると考えられる。 日経225先物が早い段階で4万3000円を固める動きをみせてくるかを見極めたい。同水準を捉えてくる局面では政策期待が高まりやすく、レンジ上限を捉えてくる展開が意識されてくるだろう。そのため、オプション権利行使価格の4万2750円から4万3250円のレンジを想定。+1σを明確に上抜けてくるようだと上へのバイアスが強まりやすく、4万3000円から4万3500円のレンジに移行しよう。 5日の米VIX指数は15.18(4日は15.30)に低下した。先週は2日に一時19.38まで急伸し、200日線(19.17)を上抜けた。ただし、その後は落ち着き、週末には14.74まで下げる場面もみられている。雇用統計の影響が限られ、再び直近の安値水準まで下げてきたことで、リスク選好に傾きそうだ。 先週末のNT倍率は先物中心限月で13.85倍(4日は13.82倍)に上昇した。先週は一時13.66倍まで下げる場面もみられたが、週後半にハイテク株やAI関連株を買い戻す動きが強まったことでNTロングに向かわせたようである。日経225先物が4万3000円を固める動きとなる局面では、NTロングでのスプレッド狙いとなろう。 株探ニュース