富田隆弥の【CHART CLUB】 25日線で反発も、9月相場は乱高下を覚悟

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コラム

「25日線で反発も、9月相場は乱高下を覚悟」

◆9月4日の日経平均株価は641円高と大幅反発。8月19日に付けた史上最高値4万3876円から2週間ほど調整を続けたが、25日移動平均線(4日時点4万2243円)を下値に切り返し、再び上昇機運が高まりつつある。

◆とはいえ、高所では乱高下しやすくなる。サマーラリーで盛り上がった8月相場だが、週足チャートは4月7日安値の3万0792円から一本調子に上昇を続け、テクニカル指標(RCI:順位相関指数など)には過熱感が漂う。秋相場は乱高下のシナリオもひとつ覚悟しておきたい。

◆目先は5日発表の米雇用統計に注目が集まるが、国内では来週12日のメジャーSQ(先物・オプション取引の特別清算指数算出)も需給面でのポイントになる。裁定買い残は8月29日現在で2兆1513億円と、3月28日(2兆4567億円)以来の水準に膨らんでおり、SQに向けて解消売りを注意することになる。

◆海外投資家は8月第4週(8月25日-29日)に現物を3031億円売り越し、2週連続の売り越し(前週は1988億円の売り越し)となった。海外投資家は4月から7月まで17週連続で合計6兆1395億円を買い越したが、8月から売りが目立つようになってきた。来週のメジャーSQを意識して利益確定売りに動き始めたことは否めない。

◆8月末に中国電子商取引大手の阿里巴巴集団(アリババ・グループ)が汎用性の高いAI(人工知能)半導体を開発したと伝わり、9月早々、日米株式市場は急落に見舞われた。来週8日には自民党が総裁選前倒しへの賛否確認を行うほか、米連邦公開市場委員会(FOMC、16~17日)、日銀金融政策決定会合(18~19日)と9月中旬も注目イベントが続く。これらイベントへの反応が焦点となるが、日経平均株価は25日線を注視しながら対応することになる。

(9月4日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

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