前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―
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■日本オーエー <5241> 1,480円 (+300円、+25.4%) ストップ高 日本オーエー研究所 <5241> [名証N]がストップ高。2日の取引終了後に関東財務局に提出された大量保有報告書で、光通信 <9435> [東証P]グループの光通信の株式保有割合が5.25%と新たに5%を超えたことが判明しており、これを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は純投資で、報告義務発生日は8月26日となっている。 ■大盛工業 <1844> 1,220円 (+210円、+20.8%) 大盛工業 <1844> [東証S]が3日続急騰。東京を中心に下水道工事などを主力とする土木会社で、老朽化する下水道の予防保全や点検・補修が国策として進められるなか、その関連有力株として大相場に発展していた。国土交通省は2026年度の概算要求で上下水道やトンネル、空港などの老朽化対策で前年度比3割増となる1兆783億円を計上している。足もと東京株式市場ではハイテクセクターから内需系バリュー株シフトの流れが形成されており、下水道インフラをはじめとした国土強靱化のテーマが改めて意識されている。3日はシンボルストックの一角を担う日本ヒューム <5262> [東証P]が大幅続伸していたほか、旭コンクリート工業 <5268> [東証S]やイトーヨーギョー <5287> [東証S]がストップ高、更に日本鋳鉄管 <5612> [東証S]や水道機工 <6403> [東証S]なども関連有力株として人気が集中していた。 ■インターメス <262A> 3,025円 (+411円、+15.7%) 一時ストップ高 東証プライムの上昇率トップ。インターメスティック <262A> [東証P]が4日ぶり急反騰、一時ストップ高となった。2日の取引終了後、「メガネスーパー」などを展開するHorus HD及びHorusの全株式を10月1日付で取得し子会社化すると発表したことが好感された。Horus HDグループはビジョナリーホールディングスを子会社に持ち、「メガネスーパー」のほか、「Vision Wedge」などを全国に300店舗(25年4月末現在)展開するメガネ及びコンタクト小売店で、今回の子会社化により店舗数600店舗を超えるメガネ小売企業が誕生することになる。また、Horus HDグループはコンタクトレンズの販売に力を入れていることから、コンタクトレンズの顧客層の中心である若年層へのクロスセルなどのシナジーが期待されている。取得価額は合計で191億1900万円。なお、同件による25年12月期業績への影響は精査中としている。 ■イトヨーギョ <5287> 1,139円 (+150円、+15.2%) ストップ高 イトーヨーギョー <5287> [東証S]がストップ高。日経平均は下値模索の動きとなっていたが、半導体セクターなどハイテク株が売られる一方で、内需系銘柄への資金シフトが顕著となっていた。特に国策として予算枠が広げられている下水道インフラ分野に関連する銘柄が総じて強かった。同社株はその中でも急騰習性があり、投資マネーのターゲットとして存在感を高め大相場を形成していた。マンホールなどのコンクリート2次製品を手掛けるが、ライン導水ブロックを中心とした道路関連製品で実績が高い。業績は営業86%増益を達成した25年3月期に続き、26年3月期も2ケタ近い成長を見込んでいる。株価は21年8月以来約4年ぶりの高値圏をまい進する展開となっていたが、PBRは依然として1倍を下回っており割高感に乏しかった。 ■内田洋 <8057> 12,300円 (+1,420円、+13.1%) 東証プライムの上昇率3位。内田洋行 <8057> [東証P]が4日続急騰。同社は2日の取引終了後、25年7月期の連結決算の発表にあわせて、26年7月期の連結業績予想を開示した。今期の売上高予想は前期比24.0%増の4180億円、営業利益予想は同26.5%増の154億円と、前期に続き過去最高業績の更新を計画。「GIGAスクール構想」の第2期に関連した国策の特需による業績押し上げ効果が期待されるとして、市場においても注目度の比較的高い銘柄であり、決算発表前に好業績を期待した買いが集まっていたが、市場の想定を超える好業績予想や配当を通じた株主還元姿勢が示されたことを受け、投資資金が一段と流入する形となった。今期はGIGAスクール構想における更新需要や自治体システムの標準化における需要から、公共市場での売上高及び利益について大幅な増加を見込む。民間市場も非製造業を中心に企業業績が堅調に推移し、大手でDXや人材の獲得に対する高水準の投資が続くと予想。ICT関連ビジネスやオフィス構築ビジネスの伸長は継続するとみる。25年7月期は売上高が前の期比21.3%増の3370億5500万円、営業利益が同30.3%増の121億7400万円だった。教育ICT分野の案件獲得などが好調だった公共関連事業をはじめ各事業が増収増益になったことに加え、政策保有株の売却益も最終利益を押し上げる要因となった。これを受け、前期の期末一括配当を従来予想から80円増額の300円(前の期は220円)とした。今期の配当も同額を見込む。 ■水道機 <6403> 2,988円 (+344円、+13.0%) 水道機工 <6403> [東証S]が続急騰。2日の取引終了後に関東財務局に提出された大量保有報告書で、光通信 <9435> [東証P]グループの光通信の株式保有割合が5.03%と、新たに5%を超えたことが判明しており、これを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は純投資で、報告義務発生日は8月26日となっている。 ■T-BASE <3415> 523円 (+34円、+7.0%) 東証プライムの上昇率6位。TOKYO BASE <3415> [東証P]が7日ぶり急反発。株価は前日2日まで6日続落と崩れ足をみせていたが、3日は満を持して急速に切り返す展開となった。ファッション性の高い若年層を主要顧客に「STUDIOUS」や、国内ファッションブランド商品を取り扱う「UNITED TOKYO」などアパレルのセレクトショップを運営するが、足もとの業績は好調に推移している。2日取引終了後に発表した8月既存店売上高は前年同月比17.7%増と2ケタ伸長で10ヵ月連続で増収を確保した。「UNITED TOKYO」のメンズが好調に推移し全体を牽引している。好調な売り上げ推移を評価する買いを呼び込む形となった。 ■ジンジブ <142A> 898円 (+58円、+6.9%) ジンジブ <142A> [東証G]が3日ぶり急反発。3日午前10時ごろ、And Doホールディングス <3457> [東証P]子会社のハウスドゥ住宅販売と業務提携契約を締結し、ハウスドゥ加盟店への人事支援を行う月額サービス「人事部パック」の提供を開始すると発表したことが好感された。「人事部パック」は、中小企業で多く見られる「採用・教育・定着・評価・福利厚生」までの人事課題をワンストップでサポートする月額サービス。今回の提携により、ハウスドゥ加盟店に向けて「人事部パック」を特別価格で提供し、企業の成長に欠かせない「人的資本経営」を支援するとしている。 ■ABCマート <2670> 3,103円 (+169.5円、+5.8%) 東証プライムの上昇率8位。エービーシー・マート <2670> [東証P]が続急伸。2日の取引終了後に発表した8月度売上高で、既存店売上高が前年同月比8.5%増と6ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。日曜日が前年よりも1日多い曜日並びだった影響があったほか、残暑が厳しく夏物商品の需要が続いたことや、新学期に向けた靴の買い替えも寄与した。商品別では、全品値引企画を行ったキッズシューズや新作のスポーツシューズが好調だった。なお、全店売上高は同8.7%増だった。 ■Uアローズ <7606> 2,206円 (+88円、+4.2%) ユナイテッドアローズ <7606> [東証P]が大幅高で3日続伸。2日の取引終了後に発表した8月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高が前年同月比22.1%増と4ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前年に比べて休日が1日多かったことでプラス1.3ポイント程度の影響があったと推測されるほか、夏物ニーズの高まりとともにセール売り上げが大きく伸長した。商品別ではシャツ、カットソー、パンツ、ワンピースなどの盛夏アイテムに加え、ウィメンズの中軽衣料を中心に初秋アイテムの動きが目立った。なお、全社売上高は同22.7%増だった。 ■日電子 <6951> 4,821円 (+163円、+3.5%) 日本電子 <6951> [東証P]が大幅続伸。同社は2日の取引終了後、生化学自動分析装置などを手掛ける医用機器事業をシスメックス <6869> [東証P]に売却すると発表した。事業の選択と集中に向けた動きを評価する動きとなっていた。医用機器事業の分割準備会社を今月中に設立し、同事業を承継した新会社の株式をシスメックスが取得する。新会社は27年3月期第1四半期(4-6月)に連結範囲から外れる予定。分割する事業の25年3月期売上高は154億1800万円、営業利益は6億6200万円だった。売却価額は非開示とする。日本電子は業界で高いプレゼンスを持つシスメックスの傘下で医用機器事業の運営を図ることが、同事業の今後の持続的な成長と中期的な企業価値の観点から最適だと判断した。 ■イトーキ <7972> 2,389円 (+71円、+3.1%) イトーキ <7972> [東証P]が4日ぶり大幅反発。3日、研究施設領域を主力事業とし 半導体製造装置事業も展開する子会社ダルトンが、アスカテクノロジー(東京都瑞穂町)から半導体製造装置事業を譲受したと発表しており、好材料視された。ダルトンが100%子会社ADテクノロジーズを設立し、アスカテクノロジーの半導体製造装置に関する設計・製造・販売・保守事業を継承する。アスカテクノロジーの技術力とダルトンの経営資源を融合させることで技術力・供給能力の強化を図るほか、親会社であるイトーキの設備機器事業部門との連携により、保守・メンテナンス領域や製造領域での対応力を強化し、長期的な事業成長を目指すとしている。 ■アンドST <2685> 3,160円 (+90円、+2.9%) アンドエスティHD <2685> [東証P]が3日続伸。2日の取引終了後に発表した8月度の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比4.4%増と3ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。前年に比べて休日が1日多かったことで1.3ポイントのプラス影響があったと試算されることに加えて、気温の高い日が続いたことや、夏休みの外出需要もあり夏物商品の販売が好調だった。また、月後半では秋物商品の比率も上昇した。なお、全店売上高は同9.6%増だった。 ■アース製薬 <4985> 5,400円 (+140円、+2.7%) アース製薬 <4985> [東証P]が反発。大和証券は2日、同社株の投資判断を「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」に引き上げた。目標株価は4850円から6140円に見直した。地球温暖化の進行により同社主軸の虫ケア市場が拡大しているほか、ドラッグストアを中心に小売りの合従連衡が進み虫ケア市場で6割弱のシェアを持つ同社がシェアを更に広げるような構図となっていることなどを評価。同社では25年12月期予想の連結営業利益を65億円から80億円(前期比24.5%増)に上方修正したが、同証券では85億円への一段の上振れを見込んでいる。 ■アイシン <7259> 2,568.5円 (+64.5円、+2.6%) アイシン <7259> [東証P]が3日続伸。SMBC日興証券が2日、アイシンの目標株価を2500円から3000円に増額修正した。投資評価は最上位の「1」を継続している。米国での規制変更などを背景に、同社が強みを持つATトランスミッションの販売増加が期待されると指摘。来期以降の還元強化や同社が保有するトヨタ自動車 <7203> [東証P]株の売却及び活用策、M&A戦略も注目されるとしている。目標株価算出のターゲットPER(株価収益率)について、同証券は12.0倍(従来10倍)に見直している。 ■ハイデ日高 <7611> 3,715円 (+85円、+2.3%) ハイデイ日高 <7611> [東証P]が4日ぶり反発。3日午後3時ごろに発表した8月度の売上高速報で、既存店売上高が前年同月比10.8%増となり、45ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数が同7.3%増となったほか、客単価も同3.3%増と上昇した。 ■コーテクHD <3635> 1,930円 (+40.5円、+2.1%) コーエーテクモホールディングス <3635> [東証P]が12日ぶり反発。2日取引終了後、自己株式処分による1474万株の売り出しと、既存株主による700万株の売り出しを実施すると発表した。需要状況に応じて上限326万株のオーバーアロットメントによる売り出しも行う。東証プライム市場の上場維持基準の一つである「流通株式比率」の適合を図るため。処分価格は10~16日のいずれかの日を価格決定日とし、3日の終値に0.90~1.00を乗じた価格を仮条件として需給状況などを勘案し決定する。売り出し価格は処分価格と同じ。これを受け、朝方は売り出しを嫌気して安く始まったものの、その後は上場維持に向けた取り組みとして評価する見方から次第に買い優勢に傾いた。 ■スギHD <7649> 3,799円 (+69円、+1.9%) スギホールディングス <7649> [東証P]が3日続伸。2日取引終了後、子会社を通じて、バンコクを中心に薬局事業やクリニック事業等を展開するBLEZ ASIAとタイに合弁会社を設立したと発表した。同国内における事業の推進や拡大を図るとともに、ミャンマーやラオスなど、周辺のアセアン加盟国への事業拡大にも挑戦していくという。 ■M&Aキャピ <6080> 3,125円 (+45円、+1.5%) M&Aキャピタルパートナーズ <6080> [東証P]が3日ぶり反発。2日の取引終了後、全国の新聞社や放送局などと共同で「事業承継・事業成長の選択肢」を広める「地域共創プロジェクト」の第18弾として、中国新聞社(広島市中区)と業務提携契約を締結し広島県内における「地域共創プロジェクト」を始動したと発表したことが好材料視された。両社はこれまでにも、広島県内で事業承継・事業成長をテーマとしたセミナーや啓発活動を展開してきたが、両社の協業を更に強化することで、広島県の地域経済を支える企業経営者にM&Aをはじめとした事業承継・事業成長の選択肢を広めるとしている。また、3日にはSOMPOホールディングス <8630> [東証P]傘下のSOMPOリスクマネジメント及び損害保険ジャパンと、汚染土地流動化コンサルティングサービスにおける協業を開始すると発表した。提携により、M&A案件における土壌汚染に関する課題解決を支援し、事業承継を円滑に進めることを目指すとしている。 ■塩野義 <4507> 2,592.5円 (+33.5円、+1.3%) 塩野義製薬 <4507> [東証P]が上伸。同社は3日、 新型コロナウイルス感染症治療薬のエンシトレルビル フマル酸(日本での製品名はゾコーバ)に関し、米食品医薬品局(FDA)に新薬承認申請を行い、受理されたと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。グローバル第3相曝露後発症予防試験の良好な結果に基づいて申請を行った。FDAの審査終了目標日は2026年6月16日。承認されれば、新型コロナウイルス感染症の予防として使用可能な世界初の経口抗ウイルス薬となると期待されるという。 ■平田機工 <6258> 1,815円 (+23円、+1.3%) 平田機工 <6258> [東証P]が上伸。自動車や半導体業界向けを主力とする生産設備エンジニアリング会社で、足もとの業績は好調に推移している。そうしたなか、2日取引終了後に車載用電子部品の組み立て設備を受注したことを発表した。受注金額は60億円以上としている。今期および来期以降の業績に寄与する見込みで、これを手掛かり材料に投資資金が流入した。株価は8月中旬以降、一貫して下値を探る動きとなっていたが、時価は7月末の年初来高値2173円から16%程度の調整を入れており、値ごろ感からの押し目買いを誘導していた。 ※3日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース