話題株ピックアップ【夕刊】(1):日東紡、IIJ、gumi
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■日東紡績 <3110> 6,030円 +630 円 (+11.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ 日東紡績<3110>が全般リスクオフ相場に抗して切り返す展開。前週末29日に下値サポートラインとなっていた75日移動平均線を終値で下抜ける格好となっていたが、きょうは一転して強さを発揮している。前週末引け後、同社は福島事業センター内にガラスクロスの生産設備を増設することを決議したと発表。AIサーバー市場の拡大に伴うスペシャルガラスの需要急増に対応したもので、これを材料視する買いを誘導した。株式需給面では貸株市場を通じた空売りの買い戻しが株価に浮揚力を与えたもようだ。 ■IIJ <3774> 2,979.5円 +201 円 (+7.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位 インターネットイニシアティブ<3774>が3日ぶりに急反発した。1日付の日本経済新聞朝刊は、「ゆうちょ銀行がデジタル通貨を2026年度に貯金者向けに発行する」と報じた。ゆうちょ銀行<7182>の利用者は自身の貯金口座に、IIJグループのディーカレットDCP(東京都千代田区)が開発するデジタル通貨「DCJPY」用の口座をひも付け、貯金口座残高のうち希望額を1円=1DCJPYとして発行、入金する仕組みという。IIJに対しては、国内最大規模の貯金額を保有するゆうちょ銀を通じたデジタル通貨の流通拡大と、事業への好影響を期待した買いが入ったようだ。 ■たけびし <7510> 2,080円 +139 円 (+7.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位 たけびし<7510>が急反発し年初来高値を更新した。8月29日の取引終了後、9月中間期の連結業績予想について、売上高を491億円から505億円(前年同期比6.1%増)へ、営業利益を15億円から16億円(同12.3%増)へ、純利益を10億円から11億円(同20.1%減)へ上方修正し、あわせて中間配当予想を31円から33円へ引き上げ年68円(前期62円)としたことが好感された。社会インフラ分野で成長戦略の一つである医療ビジネスが堅調に推移していることに加えて、半導体・デバイス分野で電子部品実装機向け産業用パソコンやセキュリティーカメラのODMビジネスが増加していることなどが要因としている。 ■gumi <3903> 640円 +37 円 (+6.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位 gumi<3903>は3日ぶり反発。前週末8月29日取引終了後、25億円の暗号資産「リップル(XRP)」を購入すると発表した。購入期間は9月~来年2月の予定。XRPは、SBIホールディングス<8473>が中核的に推進する国際送金・流動性ネットワーク戦略において重要な役割を担うアセット。このエコシステムに参画することで、自社の金融領域における収益機会の拡大に直結させることを目指す。これが材料視された。 ■あすか薬HD <4886> 2,570円 +120 円 (+4.9%) 本日終値 あすか製薬ホールディングス<4886>は大幅高で3日続伸し、年初来高値を更新した。同社傘下のあすか製薬の緊急避妊薬「ノルレボ」について、厚生労働省の薬事審議会要指導・一般用医薬品部会が8月29日に市販薬としての製造販売を承認したと国内メディア各社が報じ、将来的な収益向上への期待から買われた。ノルレボは性交72時間以内に経口投与する薬品で、海外第3相試験における妊娠阻止率は84%だった。 ■ワークマン <7564> 5,520円 +190 円 (+3.6%) 本日終値 ワークマン<7564>が底堅い。同社は1日、疲労回復を支援するリカバリーウェア「MEDIHEAL(メディヒール)」について、今年の秋冬商戦において24アイテム200万着を販売すると発表した。昨年の秋冬商戦に比べて10倍の販売計画数という。収益押し上げ効果を期待した買いが株価を支援したようだ。従来の作業客に加えて一般客にも販売ターゲットを拡大。25年秋冬商戦で34億円、26年春夏商戦では330万点で51億円の売り上げを目指す。同社は21年に作業客向けでリカバリーウェアに参入。25年春夏期までに累計で170万着を販売してきた。 ■エーザイ <4523> 4,699円 +161 円 (+3.6%) 本日終値 エーザイ<4523>は5日ぶりに急反発。同社と米バイオジェンは8月30日、米国食品医薬品局(FDA)が早期アルツハイマー病に対する「レカネマブ」の皮下注射製剤「LEQEMBI IQLIK(レケンビ アイクリック)」について、週1回の維持療法に関する生物製剤承認申請を承認したと発表しており、材料視した買いが入った。米国で10月6日に発売する。自宅での使用が可能な皮下注射型は患者にとって、治療時間の短縮や通院の負担が軽減できるといった利点がある。エーザイは今期の業績予想への影響は軽微とした。 ■セルシス <3663> 1,787円 +55 円 (+3.2%) 本日終値 セルシス<3663>は後場上げ幅を拡大。この日、技術提携しているウェブトゥーン・エンターテインメント との協業を深化させると発表したことが好感された。ウェブトゥーン社は、日本では「LINE マンガ」、韓国では「NAVER WEBTOON」などのサービスをグローバルに提供するデジタルコミックプラットフォームの大手で、セルシスとはコンテンツの制作・翻訳・流通の効率化とマーケットの活性化を目指し技術提携している。セルシスは今回、従来よりも効率的に翻訳作業が行える機能を搭載した、法人向けの「CLIP STUDIO PAINT」を開発しウェブトゥーン社に提供。これにより、作家と制作のやりとりなどの工数の軽減が可能になり、多言語翻訳プロセスを効率化し、よりスピーディーなコンテンツのグローバル展開を実現するとしている。 ■ユカリア <286A> 955円 +26 円 (+2.8%) 本日終値 ユカリア<286A>が大幅続伸。8月29日の取引終了後、虎の門病院(東京都港区)の「院内SE(システムエンジニア)サポート及びシステム運用浸透支援業務」を受託したと発表しており、好材料視された。虎の門病院に対して、院内SEによるサポートやシステム運用の浸透支援を提供することで、経営の改善、医療従事者の働きがいの向上、患者及びその家族のウェルビーイングに貢献する。なお、同件による業績への影響は軽微としている。 ■ピジョン <7956> 1,845.5円 +45 円 (+2.5%) 本日終値 ピジョン<7956>が反発。大和証券は8月29日に同社株の投資判断を「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」へ引き上げた。目標株価は1950円から2050円に見直した。第2四半期(4~6月)の連結営業利益は34億9100万円(前年同期比11.7%増)と同証券予想(32億円)を上回った。中国本土や日本のベビーケアの売り上げが良好だった。25年12月期通期の同利益は129億円(前期比6.3%増)で据え置かれたが、同証券では132億5000万円と予想。来年発表の中期計画にも期待している。 株探ニュース