富田隆弥の【CHART CLUB】 秋相場、高値警戒を怠らず

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コラム

「秋相場、高値警戒を怠らず」

◆世界が注目した8月22日のジャクソンホール会議でパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は9月FOMC(連邦公開市場委員会)での利下げを示唆。これを受けて同日のNYダウは846ドル高と急伸し、一気に史上最高値を更新した。ただ、マーケットは9月の利下げをおおかた織り込んでいるとみられるほか、パウエル議長の講演内容に驚くものがあったとも思えない。NYダウの急上昇は、事前に警戒してヘッジ(売り)を入れていた向きの買い戻し(ショートカバー)が主因とみられ、買いに偏ったこの急騰劇は目先の「注意」信号にもなる。

◆次に投資家が注目した8月27日のエヌビディアの2025年5-7月期決算は、売上高が前年同期比56%増と市場予想を上回る好調ぶりで、AI(人工知能)向け半導体の需要に衰えがみえぬことを物語るものだった。だが、翌28日のエヌビディアの株価は高値を184.47ドルに伸ばしたものの、12日につけた上場来高値184.48ドルに一歩届かず、その後はマイナス圏に沈んでいる。好業績は確認されたものの、いったん「材料出尽くし」として利益確定売りに動いた投資家がいると思われる。チャート的には高値更新へ躍り出るのか、それともダブルトップ形成となるのかを注視したいところだ。

◆さて、日経平均株価は8月19日の史上最高値4万3876円から1週間ほど調整を入れたが、25日移動平均線(28日時点4万1998円)に支えられて切り返しの構えを見せるなど、強い上昇基調を継続している。

◆NYダウ、 NASDAQ総合指数も上昇基調を保つが、日米市場ともに週足ベースのRCI(順位相関指数:9週線、13週線、26週線)は高値警戒感を強めている状況にある。株式市場は猛暑の如きサマーラリーを演じたが、カレンダーは9月に移り「秋相場」を迎える。高所では風雨が強まり、乱高下しやすくなる。流れを変える目安として、日足チャートの25日移動平均線をマークしておきたい。それを割り込むなら「休むも相場」を検討することになる。

(8月28日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

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