ドルの買い戻しが強まり、ドル円も147円台後半まで戻す=NY為替概況
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ドルの買い戻しが強まり、ドル円も147円台後半まで戻す=NY為替概況 きょうのNY為替市場、終盤にドルの買い戻しが強まり、ドル円も147円台後半まで上げ幅を広げた。ドルは金曜日のジャクソンホールでのパウエル議長の講演を受けた急落から持ち直している。ただ、パウエル講演を受けて、短期金融市場では次回9月FOMCでの0.25%ポイント利下げの確率が約85%に戻している。発言前は70%程度で推移していた。 アナリストは、「投資家は今後もFOMC委員の発言に注目し続けるだろうが、委員の間の意見の相違が明らかなままである可能性もある」と述べている。9月17日の次回FOMCまでに米雇用統計や米消費者物価指数(CPI)が発表になり、それを確認することになりそうだ。 ドル円は再び147円台のレンジに戻している。ジャクソンホール会議の前には、パウエル議長は追加利下げに慎重姿勢を強調するのではとの観測も流れ、ドル円は148円台に上昇していたが、元の水準に戻った印象。再度、方向感を探る展開となっているようだ。 ユーロドルは戻り売りに押され、1.16ドル台前半に再び下落。パウエル講演を受けて1.17ドル台半ばまで買い戻されていたものの、上値は依然として重い印象。21日線まで再び戻す展開となった。 ストラテジストは、今後FRBが一連の利下げを選択した場合、ユーロドルは年末までに1.20ドルまで上昇する可能性があるとの指摘が出ている。パウエル議長は金曜日のジャクソンホールでの講演で「リスクの変化により政策の調整が必要になる可能性がある」と述べ、9月の利下げに道を開いた。 同ストラテジストのメインシナリオは今四半期末のユーロドルを1.17ドルと予想しているが、追加利下げ期待が一段の上昇をもたらすと見ているようだ。 ポンドドルも戻り売りに押され、1.34ドル台半ばに下落。21日線と100日線の上は維持しているが、明日以降の動きが警戒される。 英中銀の年内利下げに関して市場では見解が分かれている。先週発表の7月の英消費者物価指数(CPI)は予想以上に上昇し、賃金も高い水準が続いている。半面、景気には黄色信号が点灯しており、年内の増税も見込まれている状況。 市場はいまのところ年内の利下げの確率を47%程度で見ており、見方は二分している。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美