話題株ピックアップ【夕刊】(1):オリコンHD、芝浦機、TOTO
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■オリコンHD <2498> 6,940円 +1,000 円 (+16.8%) ストップ高 本日終値 オリエンタルコンサルタンツホールディングス<2498>がストップ高に買われ上場来高値を更新した。前週末22日の取引終了後、25年9月期の連結業績予想について、売上高を870億円から948億円(前期比9.9%増)へ、営業利益を47億円から52億5000万円(同12.6%増)へ、純利益を29億円から35億円(同34.8%増)へ上方修正するとともに、期末一括配当予想を200円から220円(前期175円)へ引き上げたことが好感された。国の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」による公共工事の執行により、防災・減災関連のハード・ソフト対策業務、道路・河川・港湾等の維持管理業務などの受注環境が堅調に推移していることが要因。また海外市場でも、開発途上国でのインフラ整備の需要は依然旺盛で、大型橋梁案件を受注するなどしたことも寄与する。同時に、9月30日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これも好材料視されている。投資単位当たりの金額を引き下げることで投資家がより投資しやすい環境を整え、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることが目的としている。このほか、6万株(自己株式を除く発行済み株数の0.98%)、または3億5640万円を上限とする自社株を、25日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表した。 ■芝浦機械 <6104> 4,310円 +410 円 (+10.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位 芝浦機械<6104>が急騰。香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメントが芝浦機の株式について、新たに5%を超えて保有していることが前週末22日の取引終了後に判明し、思惑視した買いを誘ったようだ。同日に提出された大量保有報告書によると、オアシスの保有割合は5.23%となっている。報告義務発生日は19日。保有目的は「ポートフォリオ投資および重要提案行為」としている。 ■TOTO <5332> 4,084円 +316 円 (+8.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位 TOTO<5332>が大幅高。同社は22日、グループのTOTO U.S.Aが今秋から新工場棟で衛生陶器の生産を開始すると発表。これによる業績への寄与などが期待されているようだ。TOTO U.S.A.は、米州市場における戦略商品であるワンピース便器(便器とタンクが一体となった形状の腰掛便器)の供給体制を強化することを目的に、23年6月からジョージア州モロー市にある既存工場敷地内で新たな工場棟を建設していた。新工場棟が稼働することで米州での衛生陶器の生産能力は従来比50%増となり、モロー・レイクウッド・メキシコの3つ生産拠点合わせて年間約100万ピース(衛生陶器を数える単位)の生産体制構築を見込んでいる。 ■トリケミカル研究所 <4369> 3,310円 +255 円 (+8.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位 トリケミカル研究所<4369>は出来高増勢のなかマドを開けて買われる人気。テクニカル的にも25日移動平均線を一気に上抜き、一目均衡表の雲抜け目前まで水準を切り上げている。先端半導体の製造に必須となる高純度化学薬品の多品種少量生産で世界的シェアを誇っている。同社製造のHigh―K(高誘電率)ゲート絶縁膜はシリコン酸化物よりも高い誘電率を有し、最先端半導体の量産プロセスでは重要な役割を担う。AIデータセンターの建設が世界的に活発化するなか、収益面の追い風が強い。26年1月期営業利益は前期比15%増の60億5000万円予想と2ケタ成長で連続ピーク更新見通しにある。 ■タツモ <6266> 2,236円 +145 円 (+6.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率10位 タツモ<6266>が急騰、一時9.7%高の2294円まで一気に株価を上昇させる場面があった。テクニカル的にも5日・25日移動平均線のゴールデンクロス目前で投資資金の攻勢に拍車がかかっている。半導体製造装置メーカーの中堅ながら、オーダーメイド型の受注生産で優位性を発揮し、先進的技術を駆使し高性能化かつ省電力化を実現したアドバンスドパッケージ分野で顧客ニーズを捉えている。世界的なAIデータセンターの建設ラッシュは今後の同社の商機を高める背景となり、マーケットでも注目が集まっているもようだ。高技術を有するメーカーにもかかわらず、投資指標面から9倍台のPERは水準訂正余地が意識されている。 ■武蔵精密工業 <7220> 3,325円 +175 円 (+5.6%) 本日終値 武蔵精密工業<7220>が続伸。同社は22日、第9回アフリカ開発会議(TICAD 9)で出資・協業先であるケニアの電気自動車(EV)スタートアップのARC Ride(アークライド)とバッテリーの2次利用方法の検討に関する覚書(MOU)を締結したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。両社は使用済み電池をRepurpose(目的変更)により無電化地域などへの電力供給を目指した技術やビジネスモデルを検討し、廃棄物ではなく地域資源として生かす持続可能なビジネスモデルの構築に取り組むとしている。 ■フィットイージー <212A> 2,902円 +151 円 (+5.5%) 本日終値 フィットイージー<212A>が大幅高で5日ぶりに反発。22日の取引終了後に会員数が20万人を突破したと発表しており、好材料視された。既存店におけるアミューズメントサービスの計画的な導入や全店統一キャンペーンによる新規入会施策などで新規入会者数が伸長しており、24年1月に10万人を突破して以降、約1年半での20万人の大台突破となった。 ■メルカリ <4385> 2,400円 +114 円 (+5.0%) 本日終値 メルカリ<4385>は大幅高で3日続伸。同社は25日、約1年前にサービスを始めた台湾版のメルカリ(美露可利)の登録者が4日時点で30万人を突破したと発表しており、海外でのサービス浸透を評価する買いが流入した。台湾でサービスを始めた2024年8月29日から今年6月30日の間で、最も取引量が多かったカテゴリーは「キャラクターグッズ」で全体の3割弱に上った。続く「ファッション」は15%だった。今年2月14日から8月10日のキーワードの検索数では1位の「ちいかわ」をはじめキャラクターや漫画・アニメ関連のキーワードが上位5つのうち4つを占めた。 ■古河電気工業 <5801> 8,770円 +289 円 (+3.4%) 本日終値 古河電気工業<5801>が3日続伸した。SMBC日興証券が前週末22日、古河電の目標株価を従来の8400円から1万500円に増額修正した。投資評価は最上位の「1」を継続する。足もとの業績モメンタムは物足りない印象があるとする一方、AI関連ではデータセンター間を結ぶ長距離系ネットワークの構築が盛んになっており、光配線材は使用原単位が上昇していると指摘。26年3月期の下期以降、古河電の関連製品の収益も拡大すると予想する。同証券は古河電の27年3月期営業利益予想を従来の610億円から640億円に引き上げた。 ■日本電子材料 <6855> 2,868円 +78 円 (+2.8%) 本日終値 日本電子材料<6855>が3連騰。前週末22日につけた2793円の年初来高値を大きく上回り、一時3000円大台目前まで上値を伸ばす場面があった。半導体検査用プローブカード大手で、同商品が売上高の99%を占める。そのなかAI先端半導体向けにMEMS技術を活用したMタイプのアドバンストプローブカードの引き合いが旺盛となっており、高水準の受注残を確保し中期成長期待が強い。会社側でも同商品の需要の伸びに期待を寄せているもようだ。26年3月期業績はトップラインは増収基調を確保するものの、生産設備増強や研究開発コスト、減価償却などの影響を考慮して営業利益は2ケタ減益予想と保守的。しかし、第1四半期(25年4~6月)は前年同期比25%増の14億7500万円と大きな伸びを達成しており、市場では進捗率から通期計画は増額含みとの見方も出ている。 株探ニュース