富田隆弥の【CHART CLUB】 始まった乱高下、様子見も一策
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「始まった乱高下、様子見も一策」 ◆テクニカル指標が高値圏で過熱を強めていることから乱高下を想定していたが、日経平均株価は8月19日に4万3876円の史上最高値をつけて反落。21日まで3日続落で1104円下げており、乱高下が始まったと思われる。 ◆8月4日安値の3万9850円から19日高値まで4026円上げていただけに、この程度の下げは「ほどよいスピード調整」の範囲内であり、25日移動平均線(21日時点4万1484円)を維持していれば上昇基調は変わらないとみることもできる。 ◆ただし、サイコロジカルラインや騰落レシオ、平均線総合カイリ率、RCI(順位相関指数)など多くのテクニカル指標が過熱信号を灯しており、これらが調整一巡を示すにはあと1~2週間ほどが必要だ。 ◆需給でポイントとなる「裁定買い残」(先物取引に伴う現物買い)は8月15日時点で2兆1277億円(前週比3618億円増)と、4月4日(2兆0337億円)以来となる2兆円台に乗せた。今週になり日経平均株価が3日続落したということは、裁定買いが止まり、逆に解消売りが始まった可能性も否めない。そうであれば、株式市場は値がさ株主導で調整を深めることもあり得る。 ◆ジャクソンホール会議で22日に行われる米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演に、世界の投資家の注目が集まる。その発言を受けた株式市場の動向がポイントとなることは言うまでもないが、米国株、欧州株を含めて世界の主要市場が、高値警戒感が漂う局面にきていることを忘れるわけにはいかない。強い需給相場で「押し目買い」に動く投資家は少なくないが、チャート的には乱高下の局面とみて、無理はせずに様子見を選択することも一策となる。 (8月21日 記、毎週土曜日に更新) 情報提供:富田隆弥のチャートクラブ 株探ニュース