話題株ピックアップ【夕刊】(2):生化学、サカイ引越、新日本科学
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■生化学工業 <4548> 670円 +8 円 (+1.2%) 本日終値 生化学工業<4548>が反発。同社は20日の取引終了後、外科手術で使う癒着防止材「SI-449」について、医療機器として製造販売承認を申請したと発表しており、材料視した買いが入った。外科手術後は手術で欠損又は損傷した部位が修復する過程で、本来は離れている手術で傷ついた部位と周辺組織が結合する「術後癒着」が発生することがある。術後癒着は術後合併症の主な原因となっており、発生リスクを低減させる癒着防止材は主にシート状やゲル状の製品が使われている。一方、生化学が申請したSI-449は粉末状であり、凹凸が多い組織表面への付着性が高い。同社は普及が進む腹腔鏡下手術での使いやすさに優れているとみている。また、体内に存在する物質で構成されているため、高い生体適合性が期待できるという。 ■サカイ引越センター <9039> 2,948円 +34 円 (+1.2%) 本日終値 サカイ引越センター<9039>が4日続伸。大和証券は20日、同社株の投資判断「2(アウトパフォーム)」を継続するとともに、目標株価を2650円から3100円に引き上げた。第1四半期(4~6月)の連結営業利益は前年同期比3.1%増の53億6000万円となった。25年3月期は「2024年問題」による残業時間規制の影響を慎重にみて、受注は抑制傾向にあったが、引越件数は増加に転じている。26年3月期の同利益は前期比3.7%増の134億円(会社計画130億8600万円)を予想。株主還元の強化や来年度からの新中期経営計画での資本政策に注目している。 ■新日本科学 <2395> 1,640円 +16 円 (+1.0%) 本日終値 新日本科学<2395>が後場に強含んだ。同社は21日午前11時30分、カルディオインテリジェンス(東京都港区)と長時間心電図について、AIを活用した解析技術に関する共同研究開発契約を締結したと発表しており、材料視した買いを引き寄せた。実験用大動物の心電図データを解析する受託試験サービスを製薬会社や研究機関向けに展開する体制の構築を目指す。新日本科学が非臨床試験の受託事業で培ってきたノウハウと、カルディオ社のAIを活用した心電図の自動解析で異常を発見する技術を組み合わせる。医薬品の開発では実験動物などで薬が体に与える影響を確かめる「安全性試験」の段階があり、同試験に心電図が用いられる。近年は24時間以上の連続的な心電図解析へのニーズが高まっているものの、長時間にわたる心電図を確認する作業は現場の負担が重い。共同研究を通じ、安全性試験の業務効率化や医薬品開発の活性化を図る。 ■アニコムHD <8715> 873円 +8 円 (+0.9%) 本日終値 アニコム ホールディングス<8715>が3日ぶりに反発した。20日の取引終了後、7月度の月次経営パラメーターを公表。正味収入保険料は51億7500万円(前年同月比9.9%増)となった。増収基調を継続しており、買い安心感が広がったようだ。保有契約件数は132万6765件(同8.7%増)。平均継続率は88.4%(同0.3ポイント上昇)となった。 ■タウンズ <197A> 573円 -27 円 (-4.5%) 本日終値 タウンズ<197A>が軟調推移。同社は20日の取引終了後、中期経営計画を策定したと発表した。30年6月期に売上高を300億7000万円(25年6月期実績は186億2700万円)、最終利益を89億6000万円(同63億1500万円)に伸ばす目標を掲げた。感染症の迅速診断キット(POCT)の高度化・多様化を進めるほか、新たな診断技術を導入し、慢性疾患領域に進出することなどを通じて事業拡大を図る。もっとも発表を受けて買い向かう姿勢は限られ、好材料出尽くしと受け止めた売りが優勢となったようだ。 ■福田組 <1899> 5,850円 -180 円 (-3.0%) 本日終値 福田組<1899>は4日ぶりに反落した。同社は20日の取引終了後、既存株主による69万5700株の売り出しと上限10万4300株のオーバーアロットメントによる売り出しを行うと発表。株式の短期的な需給悪化を警戒した売りが出たようだ。売出価格は8月27日から9月1日までのいずれかの日に決める。浮動株比率の改善や株式の流動性向上につなげる。 ■WHDC <3823> 98円 +30 円 (+44.1%) ストップ高 本日終値 THE WHY HOW DO COMPANY<3823>が急反発。同社は20日取引終了後、楽天グループ<4755>傘下の楽天モバイルと紹介パートナーシップ契約を締結したと発表。これが株価を刺激したようだ。このパートナーシップは、同社が推進する「大手企業同士の共創支援」のモデルケースとして、異業種間の連携による新たな価値創造の可能性を実証する取り組み。今後は事業承継を含むM&A戦略とあわせて、より幅広い企業群への効率的な通信ソリューション提供を目指すとしている。 ■アステリア <3853> 1,345円 +300 円 (+28.7%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ アステリア<3853>が後場一段高で新値追い。同社はきょう午前11時30分ごろ、JPYC(東京都千代田区)が発行する日本円建ステーブルコイン「JPYC」の決済データをノーコードで連携することができるASTERIA Warp専用「JPYCアダプター」を開発すると発表。これが材料視されたようだ。JPYCアダプターは、円建ステーブルコイン「JPYC」のトークン送受を、企業の財務会計システム、基幹システム、クラウドサービスなどとノーコードで直結し、資金移動を自動化・高速化するなど企業システムとして実装できる仕組みを実現。1万社を超える企業での採用実績があるデータ連携ツール「ASTERIA Warp」を使用することで、一般企業へのステーブルコインの普及を促進し、企業間の資金移動だけでなく、将来的な環境整備によりEC事業やデジタル給与振込などへの活用を図るとしている。 ■TORICO <7138> 1,634円 +300 円 (+22.5%) ストップ高 本日終値 TORICO<7138>はストップ高。20日取引終了後、出版社の幻冬舎(東京都渋谷区)と暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーンなどWeb3領域の新規事業創出に向けて業務提携すると発表。これを材料視した買いが膨らんだ。幻冬舎のWeb3専門メディアの運営やコンサルティングを通じて培ってきた経験とノウハウを生かし、TORICOの暗号資産・ブロックチェーンの既存事業への活用支援や、新規事業の創出を図る。また、同じ出版・コンテンツ業界の企業という両社のシナジーを生かし、Web3関連の共同事業の実施も目指す。 株探ニュース