ドル円、147円台で上下動 ジャクソンホール待ちの雰囲気変わらず=NY為替概況
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ドル円、147円台で上下動 ジャクソンホール待ちの雰囲気変わらず=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル高の動きが出ていたものの、概ね様子見の雰囲気が強まり、ドル円も147円台での上下動が続いた。雰囲気に変化はなく、市場は金曜日のジャクソンホールでのパウエル議長の講演を待っている状況。短期金融市場では9月FOMCでの0.25%ポイントの利下げを80%程度の確率で織り込んでいる。先週よりは確率は低くなってはいるものの、ほぼ利下げを確実視している状況。 まちまちなインフレと雇用の数字に加え、トランプ政権からの政治的圧力もあり、FRBも判断が悩ましい状況に追い込まれている。パウエル議長は利下げの可能性は否定しないのかもしれないが、一部で期待されているような積極利下げを強調するようなことはないと見られている。また、議長にとって最後のジャクソンホールでの講演となりそうだが、中央銀行の独立性は強調してくるものと見られている。 このような中、ドル円は100日線と200日線のレンジ内での推移を続けている。本日の100日線は145.50円付近、200日線は149.25円付近。現在はその中心の147円台で推移している状況。 なお、S&Pが米国の格付けについて「AA+」を再確認した。減税・歳出法によって米国の債務持続性に懸念が生じている中、今回のS&Pの判断はドルに一定のプラス要因となり得るとの指摘も出ていたが、大きな動きには繋がっていない。 ユーロドルは1.16ドル台での推移。本日の21日線が1.1635ドル付近に来ており、その上の水準は維持されているものの、上値が重くなっている雰囲気も出ている。 アナリストからは、ユーロ固有のニュースや経済指標が目立たない中、ユーロはドルのパフォーマンスなどの外部要因に左右されているようだと指摘している。FRBの利下げ期待の変化と地政学的なニュースにユーロは翻弄されているという。 ユーロ圏の財政政策が拡大する中、中期的にはユーロのポジティブな見方は維持しているものの、短期的には金曜日のジャクソンホールでのパウエル議長の講演まで、ユーロは広範なリスクセンチメントとドルのダイナミクスに追随すると予想しているという。ECBの利下げサイクルが終了に接近している中、ユーロは固有の手掛かり材料を失っているようだ。 ポンドドルは1.34ドル台に下落。戻り売りに押される展開が続いている一方、21日線の上は維持している。明日は7月の英消費者物価指数(CPI)を始め、一連のインフレ統計が発表されるが、予想を上回ったとしてもポンドの上昇は一時的なものに留まる公算が大きいと述べた。前回の英政策委員会(MPC)を受けて年内の追加利下げへの期待は後退している。 ただ、英中銀の利下げバイアスが変わる公算は小さく、成長への逆風と差し迫った財政引き締めにより、英中銀は追加利下げを余儀なくされるという見方に変化はないとも述べている。それまでポンドドルは引き続き外部要因によって左右されるという。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美