ドル円は147円台後半に上昇 ジャクソンホール待ち=NY為替概況
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ドル円は147円台後半に上昇 ジャクソンホール待ち=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル高が優勢となり、ドル円も147円台後半に上昇。週末にアラスカで行われた米ロ首脳会談では、想定通りではあったものの、ウクライナ紛争での合意は形成できなかった。そのほか、先週は米インフレ指標や小売売上高などの重要指標を通過したが、市場では9月利下げ期待に変化はないものの、一部で期待されていたような、FRBの積極利下げを促すような内容でもなかった。 FRBも判断か悩ましい状況に追い込まれているが、その点については、今週のワイオミング州ジャクソンホールでのFRBのシンポジウムが注目される。特に金曜日のパウエル議長のスピーチが注目されるが、利下げの可能性は否定しないのかもしれないが、一部で期待されているような積極利下げを強調するようなことはないと見られている。 このような中、ドル円は100日線と200日線のレンジ内での推移を続けている状況。本日の100日線は145.50円付近、200日線は149.25円付近。現在はその中心の147円台で推移している状況。 ユーロドルはも戻り売りが優勢となり、一時1.1660ドル近辺に下落。アナリストは、米企業が今後関税コストを消費者に転嫁する可能性があり、これにより経済への懸念が高まってドルが下落する可能性があると指摘している。 コスト転嫁はインフレ圧力を高め、それは消費支出の削減につながる可能性が高く、逆にドル安に繋がるという。消費は米成長の主要な原動力であるため、実体経済に対する懸念を高める可能性が高い。 インフレの上昇がより顕著になる可能性があるが、FRBは利下げを求める政治的圧力に直面しているため、このシナリオで利下げを停止するかは疑問だとも述べた。同アナリストは、2026年末までユーロドルは着実に上昇すると予想している。 ポンドドルは1.35ドル台前半に下落。上値は重くなっているものの下押す気配まではなく、21日線の上で底堅い展開が続いている。今週は20日水曜日に7月の英消費者物価指数(CPI)が発表される。ストラテジストからは、予想を上回る内容であればポンド高で反応し、ポンドドルは重要な1.36ドルの抵抗線を突破する可能性があると述べている。 民間部門の賃金上昇率が5%近辺に留まっており、サービスインフレは高止まりが予想される。同ストラテジストによると、予想を上回るインフレを受けて、市場は英中銀の利下げ予想を一段と後退させる可能性もあるという。 短期金融市場では年末までの利下げの確率を半々で織り込んでいる。今月の英中銀による僅差での利下げ決定を受け、市場は先週の力強い賃金上昇と予想を上回る第2四半期のGDPとともに利下げ期待を縮小している。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美